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【私のハマった3冊】金も時間もなくても幸せに生きる “持たざる者”に読んでほしい3冊

2014年01月18日 14時00分更新

963BOOK

Bライフ
10万円で家を建てて生活する

著 高村友也
秀和システム
1260円

野村総合研究所はこうして紙を無くした!
著 野村総合研究所ノンペーパー推進委員会
アスキー新書
780円

君にはもうそんなことをしている時間は残されていない
著 千田琢哉
あさ出版
1365円

 司会業のセンスどころか、カンペをつつがなく読む能力すらなくても紅白の司会が務まってしまう世の中だが、そんな“持たざる者”とて幸せに生きることはできるはず。

『Bライフ』は、特に“カネ”を持っていない私いやアナタにぜひ読んでほしい一冊。Bライフとは“100万円以下で安い土地を買い、小屋を建てて毎月2万円の維持費で暮らすお気楽生活”を意味する造語で、著者の驚くべき実践記録がつづられている。小屋の具体的な作り方やソーラー設置法もおもしろいが、それ以上にこの生活ならではの教訓ネタがいい。たとえば時間を気にせず好きなだけ眠る“自由な睡眠”は、どんな高級寝具にも勝るはず、とある。なるほど、明朝起きる時刻に一生縛られ続ける生き方からするとこれは究極の贅沢だ。モノが溢れる安心感より、必要でないモノが無い平穏のほうがずっと大きい、との主張にも説得力がある。

 持たざる暮らしって案外イケてるんじゃね? と思った私はペーパーレスな仕事場作りを目指して『野村総合研究所はこうして紙を無くした!』を読んだ。自炊などと呼ばれる電子化の落とし穴やクラウド環境の功罪など参考になるが、なにより20万冊の図書館蔵書の利用率など、正確なデータによる分析が類似書にはない凄みであった。

 これにノセられ今年こそやるかと思ったところで見つけたのが『君にはもうそんなことをしている時間は残されていない』。書名に大笑いして思わず買った自己啓発書だが、よくぞ言ってくれましたと言いたくなる、耳の痛い言葉ばかりが書いてあった。「決断に1分以上迷うならやるな」とは、そういう事はどうせ1年迷ってもやらないから時間の無駄だと。金どころか時間すらない原因はコレだったのか……。

 失敗さえ「親しみ持てる!」と、来年の司会も綾瀬はるかが有力とか。結局、美貌さえ持ってりゃ人生カンタンってことか。

前田有一
亀有出身の映画批評家。100パーセント消費者側に立った“批評エンタテイメント”をテレビ等で展開中。

※本記事は週刊アスキー1/28号(1月14日発売)の記事を転載したものです。

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