週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

【私のハマった3冊】食べることについて考える てきめんにお腹がすく3冊

2013年10月05日 14時00分更新

949BOOK

ニッポン定番メニュー事始め
著 澁川祐子
彩流社
1575円

食べるパワースポット
伊勢うどん全国制覇への道

著 石原壮一郎
扶桑社
1365円

全国飲食チェーン本店巡礼
著 BUBBLE-B
大和書房
1365円

 僕は痩せているわりに食い意地が張っているようで、わりと食べ物のことを考えている時間が長い(あとお酒のことも)。自然と、食べることが好きだったり、食べることについて考えることが好きな同業者が周りに集まってきたりする。

『ニッポン定番メニュー事始め』を上梓されたライターの澁川祐子さんもそんな一人。本書はカレー、餃子、ナポリタンなど、我々の身近にある“定番メニュー”がどのように生まれて、どのように日本に定着したかを事細かに調査してまとめたものだ。たとえば、カレーはインドからではなく、江戸末期にイギリスからやってきた。それが明治期に一気に日本に広まったのは「小麦粉を加えてとろみをつける」、「ごはんと一緒に食べる」というイギリス式のスタイルのおかげで、江戸時代から"ぶっかけ飯"と"あんかけ麺"が好きだったからだと明快に指摘する。カレーうどん、カツカレーなど、カスタマイズ自由なところも日本人好みだった。ふむふむと頷きながら、てきめんにお腹が空く1冊である。

 ライターの大先輩、石原壮一郎さんは最近、生まれ故郷の名物・伊勢うどんにハマっているらしい。近刊の『食べるパワースポット 伊勢うどん 全国制覇への道』は、名店ガイド、関係者へのインタビューなど、太くてコシのない伊勢うどんの魅力に多方面から迫る腹一杯の内容。伊勢うどんのルーツについて、伊勢市麺類飲食業組合の青木英雄組合長は、「自然発生的に生まれたんと違いますかなあ」と、不毛な"元祖争い"を一刀両断していて、小気味いい。

 有名チェーン店の“源流”である1号店をルポしたのが『全国飲食チェーン本店巡礼 ~ルーツをめぐる旅~』。本書にも登場するカレーハウスCoCo壱番屋の1号店は、実家が近かったので行ったことがある。著者のBUBBLE-Bさんと面識はないが、きっと話は合うと思う。ああ、お腹がすいた。
 

大山くまお
フリーライター・編集。著書『中日ドラゴンズあるある2』(TOブックス)絶賛発売中です。

※本記事は週刊アスキー11/5増刊号(9月30日発売)の記事を転載したものです。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります