さて今回は、鞆の浦へ行って、ソニーの「α9 III」で猫を撮ってきたシリーズの最終回。実はたくさん猫に出会って、たくさん写真を撮ってきたのだ。
なにしろ、α9 IIIったら猫を見つけると瞬時にピントが合うし、連写してもずっと合い続けてくれるし、レスポンスがいいので撮ってて気持ちがいいからどんどん撮影枚数が増えちゃうのだ。おそろしいカメラである。
今回の舞台は港。冒頭写真は、鞆の浦近くの小さな漁港で撮影したハチワレ。きれいに目を開いてくれなかったのだけど、古い係船柱があり、奥に海や船が見えているという港っぽい背景で撮れたので最初に持ってきた。
やっぱ、その土地ならではの背景があると、写真の味わいが違ってくるよね。この猫でもう1枚。小舟の前を通り過ぎる瞬間で、背景には斜面に建ち並ぶ家々という地形まで収められた。
この小さな港は、漁で獲れた海産物をその場で下処理するための小屋が並んでおり、普段はそこで余り物をもらって食べているようである。このときは正月で漁も休みだったのだけど、近所の人が世話をしているようで、餌も用意してあった。
そんな港の猫なので、人に慣れてるってほどじゃないけど、ある程度の距離を保てば写真くらいは撮らせてくれる。いい位置に猫がいたら、しゃがんで、モニタを開き、AFを動かして猫の目を捉えたのを確認して撮る。
先ほどと同じ猫だが、こちらは翌日の午前8時。もう1匹も顔を出してくれた。
後ろにいるキジトラのハチワレはまだ若くて警戒心が強く、何人かが港へやってきたら狭い所に隠れてしまった。でも、チルト式モニタなら大丈夫。モニタを開いて地面すれすれから探せば発見。ちょっと顔が不安そう。
では、ちょっと別の場所へ移動。
猫AF機能を持っているカメラはいっぱいあるけれども、真価が問われるのはこういうシーン。網の向こうに猫がいるのだけど、手前の網じゃなくて猫にちゃんとピントが来てるのだ。こういうの大事。
ちなみに、猫が閉じ込められているのではなくて、猫を保護しているのだ。かなり大きな小屋で、ちゃんと屋根のある建物とつながってる。
レンズを網に近づけ、網から離れた猫を撮ると手前の網もほぼ消える。
行儀よく座ってる姿を見ると、いい里親さんが見つかるといいですな、と思いつつ、この小屋のすぐ近くには募金箱が置いてあるので、通りがかるたびに少し寄付する。
もう1枚、α9 IIIの猫AFは優秀だなあという写真を1枚。横顔でもきちんと瞳にフォーカスを合わせてくれたのだ。
さて、α9 IIIで猫を撮るシリーズ最後の1枚は、東京へ戻って出会ったミケ。
寒い日、日差しを浴びてごろごろと転がっていたのだ。すごいスピードで地面に体をこすりつけていたので、いい瞬間を撮るべく、シャッタースピードをぐんと上げて連写し、顔がちょうどこっちを向いて、しかも、ごろごろしてる様子がよくわかる1枚を選んでみた。
カメラに何を求めるかって人それぞれだし、どんな写真を撮りたいかでも変わってくるので一概には言えないけど、正月に撮った猫写真を見返していると、あらためてα9 IIIが欲しくなる(もちろん予算的な問題は抜きにして、だ)のであった。
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筆者紹介─荻窪 圭
老舗のデジタル系フリーライター兼猫カメラマン。今はカメラやスマホ関連が中心で毎月何かしらのデジカメをレビューするかたわら、趣味が高じて自転車の記事や古地図を使った街歩きのガイド、歴史散歩本の執筆も手がける。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『古地図と地形図で楽しむ東京の神社』(光文社 知恵の森文庫)、『東京「多叉路」散歩』(淡交社)、『古地図と地形図で発見! 鎌倉街道伝承を歩く』(山川出版社)など多数。Instagramのアカウントは ogikubokeiで、主にiPhoneで撮った猫写真を上げている。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/
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