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【私のハマった3冊】ビジネス書、ブログ 多様化するライターという職業を考える

2014年04月05日 14時00分更新

975BOOK

職業、ブックライター。
著 上阪徹
講談社
1620円

なぜ僕は「炎上」を恐れないのか
著 イケダハヤト
光文社新書
842円

印税で1億円稼ぐ
著 千田琢哉
あさ出版
1404円

 

 誰しも自分の就いている職業について、いろいろ考えていると思う。僕もライターという職業についてよく考える。日本の人口からするとライターなんてほんの一握りなのだが、出版という世界に深くかかわっているせいか、ライターにまつわる本は意外なほど多い。

『職業、ブックライター。』の著者、上阪徹はビジネス書を中心に活躍するライターだ。彼の主な仕事は、自分の本を書くことではない。社長や政治家、研究者などにインタビューして彼らの話を構成するのが仕事である。昨今話題の“ゴーストライター”のイメージに近いが、上阪はその呼び名を避けて、あえて“ブックライター”という新たな呼び名を提唱している。彼はこの仕事を年に10冊分ほどこなし、その7~8割をヒットに導く。ライターが自分で企画を出して書き下ろしていると、よくて年に数冊しか出せないが、上阪の場合は自分のコンテンツではないため、年に10冊以上も出せるのだ。もちろん、そのためには凄腕のライターになる必要があるのだが、今後ライターとして生きていきたい人にとっては大変示唆的な内容の本である。

 イケダハヤトの最新刊『なぜ僕は「炎上」を恐れないのか』は、“ブックライター”とはまったく違うスタイルのライターのあり方を提示している。本書は自分のブログに記事を書くことで年収500万円を稼げるようになった彼の半生と考え方をまとめたもの。炎上上等! な強い心を持たなければ、ブログで年収500万円なんて稼げないことがわかる。

 千田琢哉『印税で1億円稼ぐ』はすごいタイトルだが、「評判の悪い相手とも、一度は仕事をしてみる」、「売れ行きで一喜一憂するより、赤字にならない著者になる」など、案外内容は手堅い。

 それにしても、こうした出版企画が成り立つということは、今でもライター志望者は案外多いということなのだろうか。驚きつつ、ちょっと嬉しい。

 

大山くまお
ライター。4/25に『クレヨンしんちゃん』の父ちゃんの名言集『野原ひろしの名言』(双葉社)が出ます!

※本記事は週刊アスキー4/15号(4月1日発売)の記事を転載したものです。

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