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【私のハマった3冊】7年後の東京五輪開催にそなえて 今から読んでおきたい3冊

2013年09月28日 14時00分更新

948BOOK

人が集まる!行列ができる!
講座、イベントの作り方

著 牟田静香
講談社+α新書
840円

果てなき渇望
著 増田晶文
草思社文庫
840円

かけっこが速くなる!逆あがりができる!
監修 下山真二
池田書店
1365円

 東京五輪の開催が決まり日本中が沸き立っている。明日にも開会式が始まりそうな勢いだが実際には7年後。その頃キミはおばさんだねと知り合いの女子(自称)につい突っ込んだら、本気で険悪なムードになった。

 そんな金メダル級の失態をおかさぬためにも『人が集まる!行列ができる!講座、イベントの作り方』を読んでおきたい。これは五輪とはいかぬまでも、何かのイベントで集客をしたい人には必ず役立つヒント集で、都内大田区でイベント担当となった筆者が試行錯誤した経験談がまとめてある。たとえば講座名を変えるだけでも集客は段違いで、実際の失敗例と成功例が多数併記されている。応募数の違いなど実データの裏付けもあって説得力は抜群。「安易な土曜開催が失敗のもと」など意外性あるネタ多数で、講演会やセミナー、職場のイベントなど応用の可能性も限りなく広がる。

『果てなき渇望』は名作ノンフィクションの文庫化。人類の限界を超越した肉体をめざすボディービルダーたちの内面に迫る筆致と取材力はまぎれもなく超一流で、文庫版には登場人物のその後も記載されている。圧巻はなんといっても禁止薬物ユーザーに迫った第3章で、これを読むとドーピング=悪などと単純化できぬ諸事情と、命を捨てる覚悟と同義のハードルを越えてゆく一流アスリートたちの悲壮な姿に深い感銘を受けるだろう。五輪のような究極の場に挑む選手たちの心の理解に、きっと役立つ一冊と確信した。

 最後に『かけっこが速くなる!逆あがりができる!』を、わが子を東京五輪のスターに育てたいアナタに贈りたい。写真で解説される運動上達の裏ワザ集で、類似本に比べて斬新なトレーニングが特徴。たとえばサッカー上達のためには段ボール箱を蹴って練習するといいらしい。もっとも大人が深夜の公園なんかで実践すると、不審すぎてメダルならぬ手錠をちょうだいする事になるので要注意。

前田有一
亀有出身の映画批評家。100パーセント消費者側に立った"批評エンタテイメント"をテレビ等で展開中。

※本記事は週刊アスキー10/8-15合併号(9月24日発売)の記事を転載したものです。

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