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光☆DUETTOで遠距離BANDやろうぜ ROLLY's ロックの殿堂Vol.12

2013年03月25日 18時00分更新

文● 藤本健 編集●相川真由美 撮影●岡田清孝

 全国のFM放送系列であるJFN(JAPAN FM NETWORK)の番組でROLLYがパーソナリティーを務める『D.N.A.~ロックの殿堂~』。同番組内で展開している週アスのコラボコーナー第12回の様子をお届けします。

ROLLY×ロックの殿堂VOL.12 20130319 002

 放送局によって放送日程は若干異なりますが、下記の放送局にて月に一度、第1週に放送しており、3月ぶんは3日より順次開始しております。

ネット局予定:FM秋田、FM新潟、FM富山、岐阜FM、Kiss FM、FM OSAKA、FM山陰、FM香川、FM徳島、FM長崎、FM大分、FM宮崎
※放送局、放送時間などは変更の可能性があります。詳しくは各放送局のHPをご覧ください。

 IPサイマルラジオ『radiko』でも聴取可能(一部地域限定)。auのスマートフォン用アプリ『LISMO WAVE』、ドコモのスマートフォン用アプリ『ドコデモFM』なら全国で聴取いただけます。

 これまで、この番組で取り上げてきたのはおもにiPadやiPhoneのアプリ、周辺機器でしたが、今回はちょっと趣向を変えたユニークな実験にチャレンジです。『光☆DUETTO(ひかりデュエット)』というNTTが新たにスタートしたサービスを使い、東京と大阪という遠隔地でセッションができるのか、という実験を行ない、その模様を放送いたします。
 
 「それのどこがすごいの?」と思う方もいるかもしれませんが、実は普通の電話でセッションを行なうのは不可能なんですね。テレビの中継などで遠くの会場の演奏を放送するというのは見たことがあると思いますが、遠くの会場とスタジオで同時にセッションしている、なんてのは見たことがないと思います。それは、技術的に不可能だったからです。なぜか? まず、その点から実験をスタートしてみました。

 実験をするにあたり、ROLLYさんのいる東京側はTOKYO FMの大きなレコーディングスタジオでスタンバイ。一方、接続する大阪側は、音楽練習スタジオに、光☆DUETTOの開発者であるNTT西日本の中村良太さん、それにスタジオ246のスタッフである青木さんにスタンバイしてもらいました。ROLLYさんが弾くギターに対し、中村さんがベース、青木さんがドラムを担当する形で、セッションを試みます。

 ROLLYさんは、中村さんとも青木さんともまったく面識なし。「知らない人というのがおもしろい。演奏する曲も決めずに、その場のノリでやってみよう」というROLLYさん自ら言い出したのです。スタッフ一同、それで本当に上手くいくのだろうか……とちょっと不安も感じていたのですが……、本番の時間が来てしまいました。

 まず東京・大阪間を普通の電話で接続。電話を通して大阪から流れてくるベースやドラムの音は、いかにも“電話の音”という感じで低品質。でも「この音、なかなか好きだなぁ」とROLLYさん。Lo-Fiエフェクトを掛けた音というのでしょうか、独特な味があるのは確かです。でも、それに合わせてセッションを試みたとたん、破たんが起きてしまいました。音質が悪いのは仕方ないとしても、双方において音の遅れが大きくあり、うまく合わせることができません。正確に測定したわけではないですが、0.4〜0.5秒といったズレがあるのではないでしょうか。「0.5秒なんて気にするほどのことなの?」と思う方もいるかもしれませんが、これはテンポ120の曲なら1拍ぶんに相当する時間であり、一緒にセッションすることは到底不可能なレベルです。

 続いて光☆DUETTOに接続を変更します。改めて『ひかりDUETTO』について簡単に紹介すると、これはNTTの光回線、フレッツ光ネクストを利用するシステムで、『光DUETTO NY1』という機材を双方に取り付けて接続するというもの。基本的には電話機であり、実際に相手の電話番号にかけて通話する形になっています。つまり、フレッツ光ネクストのインターネット機能を使うのではなく、光回線を通じて1対1での接続を行なうわけですね。とくに基本料金といったものはなく、かかるのは3分で8.4円という通話料のみだから、手軽に導入できるシステムなのです。

 実際に接続して音を出してみると、ちょっとビックリ。ものすごくクリアな音で、さっきとは大違い。ドラムやベースの音が聴こえてくると「この音質なら十分レコーディングにも使えますね!」とROLLYさんも興奮気味。それもそのはず、ここで双方やりとりしているのは16bit/44.1kHzというCDと同じクオリティーの音なのです。普通に話をしてみても非常にリアルであり、ラジオを聴いている人にとっては、東京と大阪で話をしているようには感じられないと思います。中村さんの説明によると「光☆DUETTOは特別な難しい機材ではなく、誰でも接続すればすぐに使えるものです」とのこと。実際に、スタジオでもROLLYさんのギターの音とマイクの声をそのまま入れているだけです。

 さぁ、いざセッションです。今度は音が非常にクリアであるだけでなく、タイミングもバッチリ。まるで一緒のステージにいるように息もピッタリと合って、1分程度のセッションもいい感じに決まりました。とはいえ、実は番組収録の本番直前に、『光☆DUETTO』で接続してちょっとした打ち合わせ兼練習はしていたんですよ。そう、どんな感じのセッションをするかとか、エンディングをどうするかなど……。もちろん、タイミングは最初から合っていたのですが、ベースの音を聴いたROLLYさんからは「う~ん、もうちょっとネック側で弾いたほうが、音がクックリ出るはず…」といった指示があり、その通りにしていくと、全体としてのまとまりもよくなってくるんですよね。また、大阪からのリクエストもあって、すかんちの『恋のマジックポーション』を3人でセッションして、ROLLYさんが熱唱。これは著作権などの都合上、ここで掲載することはできないのですが、間近で見ていてたいへんな臨場感でした。今回、収録中の動画をご用意しましたので、読者の皆さんも目と耳で感じ取ってください。

ROLLY×週刊アスキー『光☆DUETTO』双方向音楽セッション

機材協力●キヤノン『iVIS HF S11

 「Skypeを使ってギターを教えたりすることはあるんですよ。それなりの音でやり取りすることはできるのですが、合奏すると、絶対にズレるんですよね。でも、これならまったく問題ないです。十分レコーディングに使える音なので、大阪・東京の行き来がなくなっていいかもしれませんね」とROLLYさん。今後、レコーディングのあり方が大きく変わってくる可能性もありそうです。

 感想など、ぜひROLLYさんのツイッター(@RollyBocchan)まで。ROLLYさんのレビューは週刊アスキー本誌にも掲載中です。次回もどうぞお楽しみに!

『光DUETTO』
NTT西日本

●関連リンク
JFN『D.N.A.~ロックの殿堂~』

welcome to ROLLY net .com(ROLLY公式サイト)

藤本健の“DTMステーション”
 

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