4月28日・29日 千葉の幕張メッセで開催されるニコニコ動画のイベント“ニコニコ超会議”では、鉄道関連のイベントが数多く予定されており、すでに一部の鉄道ファンの間では大きな盛り上がりをみせている。
超会議の鉄道部門では、プロデューサーにリアルな鉄道運転を体験できるソフト『Train Simulator』シリーズの生みの親でもある、ミュージシャンの向谷実氏を迎えて準備が着々と進められている。2月27日に放送された“月曜ニコラジ「Road to 超会議」”と、“「超会議特番」~鉄道編~”では、向谷氏が生出演し、当日の内容が語られた。
■大阪〜上野間でブルートレインが走る
“大阪方面の超会議出席者を東京まで運ぼう!”ということで、専用列車がチャーターされる。定員は140名前後の予定。ツアーの募集など詳細は3月6日に発表予定。
この専用列車が鉄道ファンの間で話題なのは、車輌に“ブルートレイン”を使い、今までの定期列車ではなかったルートで走るからだ。列車は前日の4月27日の夕方に大阪駅を出発し、翌日4月28日の朝に上野駅に到着する。番組で発表されたのは、大阪駅を出発し、湖西線、北陸本線、信越本線、上越線、高崎線を経由して上野駅に到着するというもの。放送時に正式なダイヤは決まっていなかったようだが、おそらく14時間以上は走るのではないかとみられている。このルートは'10年に廃止された上野~金沢駅の寝台特急“北陸”に近いが、大阪と上野をこのルートで結ぶ列車はブルートレインでは例がない。なお、使用する客車はJR東日本の客車。編成は電源車を含む5輌。全て“解放B寝台”と呼ばれる、2段ベッドがカーテンで仕切られたタイプの客室となる。
ちなみに“ブルートレイン”とは車体が青色の客車を使用した夜行列車のこと。古くは1958年から東京~博多間で運用されていた特急“あさかぜ”に青色の20系客車を使ったのが発端。この“あさかぜ”は当時“走るホテル”と呼ばれ、完全冷暖房完備の快適な車内に、ひとり用個室“ルーメット”などが設定された。このため、当時のあこがれの列車として話題を集めた。1980年前後のブルートレインブームなどを経て、現在も鉄道ファンの中には“ブルートレインクラスタ”とも言うべき熱心なファン層がいる。現在でも上野~札幌駅間の“北斗星”や上野~青森駅間の“あけぼの”、大阪~青森駅間の“日本海”(3月17日のダイヤ改正で定期列車としては廃止予定)、青森~札幌駅間“はまなす”が走っている。
ちなみに青森車両センターの24系客車は、甲子園や団体用の臨時列車として活用されることが多い。また、大阪駅からは寝台特急“日本海”でも使われているEF81型電気機関車の“ローズ塗装”と呼ばれるピンク色の車体の機関車が牽引するとのこと。
向谷氏によると、機関車の前面に取り付けられ、列車名を示す“ヘッドマーク”もオリジナルものが台座から制作される。ちなみに、ヘッドマークは、使用頻度が高い定期列車では、文字や絵柄の部品を専用台座に取り付け立体的に作るが、臨時列車では簡易の印刷されたシートを共用台座に貼り付けるタイプが多い。普通であれば、今回も印刷シートを使うかとおもいきや、向谷氏はこの定期列車レベルの“専用台座”からつくるとのこと、この列車にかける相当なコダワリが感じられる。
■首都圏のどこを走るかわからない“ミステリートレイン”
4月28日当日には“ミステリートレインお座敷列車「宴」”が運行される。これは団体旅行などに使われる485系お座敷電車“宴”を使用。ミステリートレインとは、どのルートを走行するのか隠されており、乗客が予想しながら楽しむというもの。現在発表されているルート情報は以下のとおり。なお、ルート当てクイズが実施予定とのことで、見事当てた参加者には豪華な景品をプレゼントされる。
【2月27日現在のルートに関する情報】
・発車駅は品川駅
・到着駅は超会議会場の最寄り駅、京葉線の海浜幕張駅
・行程は4時間前後
・千葉方面から入り、京葉線の蘇我駅で方向転換して海浜幕張を目指す
筆者の個人的な予想だが、品川駅を発車する場合、埼京線(山手貨物線)から新宿方面へ行くルートと、横須賀線で川崎方面を抜ける、東海道線で横浜方面へ行くルートが考えられる。蘇我に行くためには、何らかの形で総武線に乗り入れる必要があるが、この中間ルートがミステリーとなる。
【超会議会場で鉄道ブースを展開】
会場に鉄道関連ブースが設置され、以下のイベントが予定されている。
■JR九州で使われていた特急型車輌485系の解体買付ショー
JR九州で'11年3月まで特急“きりしま”や“にちりん”などで使われていた特急型車輌485系が解体される。この思い出を残そうということで、車輌に使われている部品を参加者が買えるというもの。この様子はJR九州の小倉工場とライブ中継で会場を結び、会場の参加者が抽選で購入を申し込める。車輌部品といえば、プレミア価格がついてナンバープレートが100万円を超える場合もあるが、向谷氏によると、できるだけ安く“送料込み”の価格にしたいとのこと。グリーン車のシートや特急のシンボルマークマーク、トレインマークなども購入することができる。485系は北海道から九州まで全国の特急に使われたいわゆる“国鉄型特急”の定番車輌であり、乗ったことのある人も多いのではないだろうか。昔乗った485系の思い出が買えるチャンスだ!
■トレインシミュレータ&世界エアトレイン大会
向谷氏の開発した鉄道運転シミュレータ『Train Simulator』のプレーテクニックを競う。東武鉄道8000系で使われていた実物の運転台と100インチのプロジェクタースクリーンが設置される。当日は向谷氏自らプレーヤーの横で採点を行うという。ブレーキの操作タイミングや駅の停止位置の正確さが評価のポイントとなる。運転がうまいプレーヤーには豪華賞品がプレゼントされるとのこと。また、列車の走行音をいかにリアルに口で再現できるかを競う“世界エアトレイン大会”も実施される予定だ。
■向谷実スペシャルライブ
向谷氏といえば、フュージョンバンド“カシオペア”のキーボードというイメージが強い人も多いのではないだろうか。当日は向谷氏によるスペシャルライブも予定。さらに、鉄道好きのミュージシャン“杉ちゃん&鉄平”や“SUPER BELL"Z”などの豪華ゲストも登場するとのこと。
これらの詳細は3月6日にアップデートされる。また、次回は向谷氏に突撃インタビューを行い、詳細をお伝えする予定なのでお楽しみに! なお、超会議のチケットは3月6日から発売される予定だ。
●関連サイト
ニコニコ超会議 Official Website
-
1,500円
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります