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超闘劇は伝説の“ウメヌキ”による『スパ4』タッグマッチ!!【ニコニコ超会議】

2012年05月03日 14時00分更新

 4月28日、29日のニコニコ超会議では、格ゲーの祭典“闘劇”の出張イベント“超闘劇”が開催された。“闘劇”はさまざまな格闘ゲームのNo.1プレイヤーを決める人気イベントで、今年は節目の10回目。今回の“超闘劇”では選りすぐりの強豪プレイヤーを招き、8月の“闘劇2012”本戦出場を賭けた特別予選を実施した。その模様を中継したニコニコ生放送は、2日で延べ20万人近くの視聴者を集める大盛況ぶり。もちろん現地にもたくさんの観戦者が押し寄せ、格ゲーブームの再来を実感させられる盛り上がりとなっていた。

ニコニコ超会議 超闘劇

 ちなみにその熱気にやられてしまったのか、筆者のデジカメが現地で謎の故障。大急ぎで知人に連絡をとり、なんとか別のデジカメを調達したものの、完全に女の子が観光地で軽く使う感じのデジカメだったため、ブレまくってデジタルメディアにあるまじき最弱画質になってしまったことをここでお詫びしたい。
 ゴメンね♪(春麗の挑発)……いや本当にすみません。

ニコニコ超会議 超闘劇
↑闘劇について説明するプロデューサーの猿渡氏。(この写真が今回いちばんのクオリティーとなるため、以降は園児が初めて撮った写真が並ぶと思い、広い心で受け止めていただきたい。)

 さて、この“超闘劇”で事前からアツい注目を集めていたのが、2日目の大トリに執り行なわれた『スーパーストリートファイター4 アーケードエディション Ver.2012』コンセプトマッチ。プロゲーマーとして活躍しているウメハラ選手やマゴ選手、昨年国内外で大きな大会を制したふ~ど選手など10名のスタープレイヤーを招待した特別試合だ。

ニコニコ超会議 超闘劇
ニコニコ超会議 超闘劇

↑舞台上にそろい踏みした出場選手たち。左手2番目からウメハラ選手、ヌキ選手、かずのこ選手、ときど選手、マゴ選手、うりょ選手、MDR選手、ももち選手、ハイタニ選手、ふ~ど選手。


 その内容は、くじ引きで即席のタッグを組む“ランダムタッグトーナメント”。プレイヤーどうしの交友関係や因縁を知るコアなファンたちが手に汗握って見守るなか、以下の5組のタッグが誕生した。(カッコ内はキャラクター名)

1 MDR選手(ルーファス)・ももち選手(コーディー)
2 ウメハラ選手(リュウ)・かずのこ選手(ユン)
3 ときど選手(ゴウキ)・ハイタニ選手(まこと)
4 マゴ選手(フェイロン)・うりょ選手(さくら)
5 ヌキ選手(セス)・ふ~ど選手(フェイロン)

ニコニコ超会議 超闘劇
↑緊張の面持ちでくじ引きに臨むときど氏。(この写真に関しては、格ゲーマーならではの素早い動きでブレてしまった可能性もワンチャンある(ない)。)

 くじ引きで焦点となったのは、『スパ4』歴わずか2ヵ月というヌキ選手の動向。ヌキ選手はウメハラ選手と並び“ウメヌキ”と称され、多くの大会で優勝経験をもつ“天才”のひとりだが、ここ数年は第一線から退いていた。しかし最近になってファンの間で「ヌキがスパ4を始めたらすごいことになるに違いない」という“ヌキ待望論”が語られだし、とうとう今年2月、家庭用のプレイ環境を友人にプレゼントされるというかたちで『スパ4』に参戦。

 プレゼントが届けられる一部始終は生中継で数千人に見守られ、その後ヌキ選手が開設したニコニココミュニティは1週間ほどでメンバー1万人を突破するなど、その注目度はハンパではない。今回のコンセプトマッチにはユーザーからの人気投票で2位を獲得して招待されており、「プレイ歴2ヵ月でもヌキなら何かしてくれるのでは」というファンからの期待がうかがえる。

 とはいえ、相手は万単位の試合をこなした歴戦の猛者たち。ヌキ選手自身も、超闘劇の告知をする生放送で「タッグマッチなら俺ハズレってことじゃんw」と発言しており、「一体誰がヌキを引くのか?」、「できればウメハラが引いて“ウメヌキ”タッグになってくれ」と、ヌキ選手のくじ運に焦点が集まっていたというわけなのだ。

ニコニコ超会議 超闘劇
↑コンセプトマッチの詳細を発表する事前生放送にて、「まさかのハズレ!」と自身の立場に爆笑するヌキ選手。

 結果としてヌキ選手とタッグを組んだのは、ふ~ど選手。この2人はかつて『バーチャファイター』をプレイしていたときの盟友。別ゲーでの仲間が時を超えて『スパ4』で組むという、なかなかにオツな組み合わせと言えるだろう。

 このほかのタッグも、国内最高峰の対戦レベルを誇るゲーセン・新宿タイトーステーションでの2強“ウメハラ・かずのこ”タッグ、「今後一生組むことはない」と断言した東西のライバル“マゴ・うりょ”タッグ、格ゲー5神と称されるうちの2人が組んだ“ときど・ハイタニ”タッグ、西日本から来た全国大会王者2人による“MDR・ももち”と、見どころ満載の組み合わせとなった。

 トーナメント表は、タッグの代表者によるくじ引きを行ない、若い番号を引いたタッグから好きな位置に入れる仕組み。結果は次のようになった。

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 あからさまに不利な右側の2枠が当然残り、そこに“ウメヌキ”が入るというおもしろい展開に。“ウメハラ・かずのこ”側が優勢な組み合わせではあるものの、ヌキ選手の相棒であるふ~ど選手は「大会で組むと戦車に乗ったくらい心強い」と言われるほどの豪腕の持ち主。タッグ戦は1勝1敗になった場合、互いのタッグの勝者どうしによる決定戦で勝敗を決するので、ヌキ選手が厳しい戦いを強いられてもふ~ど選手がフォローできるのだ。どのタッグが優勝するのか誰にも予想がつかないなか、いよいよトーナメントがスタート!

ニコニコ超会議 超闘劇
↑真剣な表情で試合に集中するヌキ選手とウメハラ選手。大モニターに大写しになった選手の一挙手一投足が、ギャラリーの胸を熱くする。

 第1戦は、“ヌキ・ふ~ど”対“ウメハラ・かずのこ”。

 先鋒戦がなんと“ヌキ対ウメハラ”となり、初戦からのまさかの“ウメヌキ戦”に場内は沸き上がった。まずは1本目、ヌキ選手は持ちキャラ“セス”の機動力を生かし崩しにかかるも、ウメハラ選手は投げなどを使い冷静に対処。最後は“リュウ”の代名詞ともいえる連続技“セビ滅”を華麗に決め、場内から「ありがたや~」と歓声を受けつつ1本先取。

 2本目は、“セス”のガード崩し能力がいかんなく発揮され、ヌキ選手がウメハラ選手を追い詰める展開。ウメハラ選手の波動拳に超スピードで反応し、ウルコンを重ねて大ダメージを奪った場面ではその日いちばんの歓声があがった。最後は互いの体力が残り僅かの大接戦となり、よもやのジャイアントキリングかと思われたが、ヌキ選手はガードの上から削り殺すための必殺技でまさかの入力ミス。敵の目の前にワープする技が暴発し、隙だらけのところに足払いを決められ敗北してしまった。場内は笑いに包まれたものの、今後のヌキ選手の上達を誰もが楽しみにする試合内容だったと言えるだろう。

 続くふ~ど選手とかずのこ選手の大将戦は、互いのキャラの強さの押し付け合い。1本目はふ~ど選手が“フェイロン”の横押しの強さを生かして完封すると、2本目はかずのこ選手が“ユン”の“幻影陣”を絡めたラッシュで逆転勝利。ファイナルラウンドはかずのこ選手が的確に連続技を決め、“ウメハラ・かずのこ”タッグの勝利となった。

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↑現バージョン『スパ4 2012』の前作にあたる『スパ4 AE』で、全国のトップ1位と2位だったかずのこ選手とウメハラ選手。「このタッグ、強すぎじゃね?」という声が会場のそこかしこから聞こえてきていた。

 2戦目の“MDR・ももち”タッグと“うりょ・マゴ”タッグの対決は、“うりょ・マゴ”タッグが終始ペースを握ってストレート勝ち。

 続く3戦目は“ときど・ハイタニ”タッグと“ウメハラ・かずのこ”タッグの争いとなった。先鋒戦は、“マーダーフェイス”の異名をもつときど選手を、その冷徹な勝ちっぷりから“魔王”とも呼ばれるかずのこ選手が圧倒。しかし大将のウメハラ選手は、ハイタニ選手操る“まこと”のすべてを飲み込む怒濤の攻めの前に撃沈し、勝者どうしによる初の決定戦にもつれ込んだ。

 かずのこ選手の“ユン”が“まこと”に対し有利とも言われる組み合わせだったが、1本目はハイタニ選手が「それしかないとわかっていても食らう」と言われる、心のスキマを狙った掴み技を成功させ先取。しかしかずのこ先取は2本目を取り返すと、続くファイナルラウンドも連取し、“ウメハラ・かずのこ”タッグが決勝へ進出となった。

ニコニコ超会議 超闘劇
↑“心のスキマ”を捉えたハイタニ選手の掴みが決まった瞬間。(筆者の立ち位置がクソ過ぎて筐体が映り込んでいるが、決定的瞬間であることには違いない。)

 決勝戦は“うりょ・マゴ”タッグ対“ウメハラ・かずのこ”タッグ。席決めのじゃんけんで勝利し「1P側か、2P側か」と聞かれたかずのこ選手は、知る人ぞ知る自身の名台詞「トゥーピー」をぶっ放し場内のファンを喜ばせた。

 先鋒戦は、うりょ選手とウメハラ選手の組み合わせ。前日の闘劇特別予選ではうりょ選手が勝利しており、ウメハラ選手にとってはリベンジ戦だったが、1-1で迎えたファイナルラウンドを制したのはうりょ選手。ウメハラ選手が遠距離で放った何気ない波動拳に、うりょ選手が超反応で“EXさくら落とし”を叩き込み、場内を大きく沸かせていた。その後の大将戦では、マゴ選手の“フェイロン”が圧倒的な突進力でかずのこ選手の“ユン”を封殺。

 “うりょ・マゴ”タッグが優勝となり、歓声と拍手に包まれた。

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↑ラウンドを取った瞬間に雄叫びを上げるなど、エモーショナルなうりょ選手と、どこまでも冷静なウメハラ選手が対照的だった。

 うりょ選手は、前日の特別予選からの連続優勝。試合後のコメントでは、「昨日に続き今日も優勝できてうれしいです。マゴさんと組める機会あんまないんで、それも」と喜びを表現していた。マゴ選手は「チーム力がハンパなかった。でもやっぱり、うりょ君は倒したい相手」と、ライバル心をあらわに。

 そのほかの選手からも順にコメントがあり、ふ~ど選手は「ヌキさんとは5年ぶりに組んだので、次はまた5年後に組みたい」と感想を語っていた。そして今回の台風の目となったヌキ選手は、「こういうことをきっかけに、新しいゲームに復活させていただいて感謝しています。まだ弱いんですけど、闘劇を目指して本気でやっていこうと思っているので、ぜひ応援してください! アンケートで選んでいただいた皆さん本当にありがとうございました!」と締めのコメントを飾った。

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↑アツい気持ちを語るヌキ選手。トークや実況の腕前も一級品なので、今後ますますの活躍を期待したい。

 最後まで盛り上がり通しで、8月の闘劇本戦への期待感を一層と高められたコンセプトマッチだった。ライブの試合では選手から伝わる気迫がすさまじく、大モニターに映し出される選手の真剣な表情は、女性ならずともゾクゾク来るものがあった。格闘ゲームに少しでも興味のあるかたは、ぜひ一度観戦をオススメしたい!

■おまけ~そのとき、漫画家の地獄のミサワさんは~

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↑コンセプトマッチを観戦して実に満足げな漫画家、地獄のミサワ氏。この後、有名格ゲープレイヤーのこくじん氏に話しかけて握手をしていただいた。筆者が「この人、地獄のミサワなんです」と紹介するも、こくじん氏に「え?」とピンと来ないリアクションを受け、場が気まずいムードに。最終的には「ああ! なんか変なこというやつですよね」とわかっていただけたのでKOはまぬがれた。
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↑こちらはマゴ選手、ときど選手、ウメハラ選手がプロゲーマーとして所属するMadCatzブースでTシャツを購入し、ガチガチの表情で記念撮影をする漫画家、地獄のミサワ氏。「これからも応援してます!」とプロゲーマーのかたがたにエールを送っていた。

■関連サイト
ニコニコ超会議公式サイト 
闘劇2012 THE 10th ARCADIA CUP TOURNAMENT

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