第378回
3DMarkではRadeon RX 6400&GeForce GTX 1650超え
Arc A380搭載グラボを徹底検証!インテルのエントリーゲーマー向けdGPUの現状性能は?
DirectX 12 Ultimateをフルサポート
AI処理専用ユニット「XMX」も搭載する
Arc A380を説明する上で、最新のDirectX 12 UltimateをフルサポートするGPUであることが何より重要なポイントになる。すなわち、DXR(DirectX Raytracing、いわゆる「レイトレーシング」)やVRS(Variable Rate Shading)といった描画関係の機能において、先行するRadeonやGeForceに並んでいることを示している。とはいえ、Arc A380のポジションはあくまで「エントリークラス」、レイトレーシングを活かしたゲームは“動作が確認できる”程度と捉えておきたい。
また、エントリークラスのGPUではあるものの、比較的ビデオメモリーが容量が大きく、6GBのGDDR6メモリーを搭載する。その一方で、メモリーバス幅は96bitとやや狭い点などもArc A380の特徴だ。今後、後継シリーズが出てくる途中でセグメントの調整が入るかもしれないが、いろんな意味で初物っぽいスペックと言えるかもしれない。
インテル製iGPUでは、描画性能を左右する「EU」(Execution Unit)と呼ばれるシェーダーユニットがあり、それをいくつかまとめたものを「スライス」(Slice)と呼んでいた。それに対して、Xe HPGの系統であるArc Aシリーズでは、EUは「Xe-core」に、スライスは「レンダリング・スライス」となった。前掲の表にある通り、レンダリング・スライスはGPUの最小機能単位と言うべきもので、Radeonなら「Shader Engine」、GeForceなら「GPC」(Graphics Processing Cluster)がこれに相当する。
Arc Aシリーズ(というよりインテルXe)には、通常の描画で使われるユニットの「XVE」(Xe Vector Engine)以外に、2種類の特別な回路が組み込まれている。1つはレイトレーシングにおける処理(レイのキャストや交差判定など)を行うユニット。もう1つは行列の積和算演算をするための「XMX」(Xe Matrix Extensions)エンジンで、平たく言えば、AIの学習や推論処理を高速に実行するための回路だ。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう