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3DMarkではRadeon RX 6400&GeForce GTX 1650超え

Arc A380搭載グラボを徹底検証!インテルのエントリーゲーマー向けdGPUの現状性能は?

2022年09月18日 09時00分更新

DirectX 12 Ultimateをフルサポート
AI処理専用ユニット「XMX」も搭載する

 Arc A380を説明する上で、最新のDirectX 12 UltimateをフルサポートするGPUであることが何より重要なポイントになる。すなわち、DXR(DirectX Raytracing、いわゆる「レイトレーシング」)やVRS(Variable Rate Shading)といった描画関係の機能において、先行するRadeonやGeForceに並んでいることを示している。とはいえ、Arc A380のポジションはあくまで「エントリークラス」、レイトレーシングを活かしたゲームは“動作が確認できる”程度と捉えておきたい。

 また、エントリークラスのGPUではあるものの、比較的ビデオメモリーが容量が大きく、6GBのGDDR6メモリーを搭載する。その一方で、メモリーバス幅は96bitとやや狭い点などもArc A380の特徴だ。今後、後継シリーズが出てくる途中でセグメントの調整が入るかもしれないが、いろんな意味で初物っぽいスペックと言えるかもしれない。

Arc A380のスペックと、製品ポジションや性能的に競合しそうなGPUとの比較

「GPU-Z」で今回入手したArc A380カードの情報を拾ってみた。下のほうにある「Ray Tracing」にチェックが付いている点に注目

 インテル製iGPUでは、描画性能を左右する「EU」(Execution Unit)と呼ばれるシェーダーユニットがあり、それをいくつかまとめたものを「スライス」(Slice)と呼んでいた。それに対して、Xe HPGの系統であるArc Aシリーズでは、EUは「Xe-core」に、スライスは「レンダリング・スライス」となった。前掲の表にある通り、レンダリング・スライスはGPUの最小機能単位と言うべきもので、Radeonなら「Shader Engine」、GeForceなら「GPC」(Graphics Processing Cluster)がこれに相当する。

 Arc Aシリーズ(というよりインテルXe)には、通常の描画で使われるユニットの「XVE」(Xe Vector Engine)以外に、2種類の特別な回路が組み込まれている。1つはレイトレーシングにおける処理(レイのキャストや交差判定など)を行うユニット。もう1つは行列の積和算演算をするための「XMX」(Xe Matrix Extensions)エンジンで、平たく言えば、AIの学習や推論処理を高速に実行するための回路だ。

インテルの広報資料から抜粋したXe HPGのブロック図。Xe-coreが8基、レンダリング・スライスが2基あるので、Arc A380の構造をそのまま示している。Xe-core1基に対し、レイトレーシングユニットを1基ずつ配置している。メモリーコントローラー(左下)は32bitが3基(合計96bit)であることが描かれている

Xe-coreをクローズアップした図。XVE1基に対し、XMXを1基ずつ配置していることがわかる。下部のL1キャッシュは、XVE/XMXの共有メモリーとして利用するようだ

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