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インテル ArcでDX11のゲーム性能が平均19%向上、新指標「GPU Busy」が分かる監視ツールも

2023年08月21日 10時00分更新

 8月18日、インテルは「インテル Arc グラフィックス」のドライバーアップデート情報と、GPUモニタリングツール「PresentMon」のベータ版を公開した。

 インテル Arc グラフィックスシリーズは、発売以来ドライバーのアップデートを繰り返し、その際のゲームパフォーマンスの向上をアピールしてきた。特に、DirectX 12世代より前のAPIに対するパフォーマンスが伸び悩んでいた問題を改善したことを強調している。

 2023年2月のアップデートでは、「インテル Arc A750」のフルHD環境で、DirectX 9世代のゲームで計測したフレームレートが、ローンチ時のドライバーから平均43%向上すると発表していた。DirectX 9世代のゲームには、「Counter-Strike: Global Offensive」「The Elder Scrolls V: Skyrim」などがある。

2月のアップデートにおけるDirectX 9世代のゲームパフォーマンスの向上

 今回のアップデートでは、フルHDのDirectX 11世代のゲームにおいて、ローンチ時から平均19%フレームレートが向上したとのこと。

DirectX 11世代のゲームタイトルにおけるパフォーマンス向上

平均19%、99パーセンタイルにおいては20%フレームレートが向上するとのこと

 また、ドライバーのアップデートに加えて、モニタリングツール「PresentMon」もリリースされている。このツールは、フレームレートやGPUの消費電力、温度など各種情報を監視できるものだが、中でも特徴的なのが「GPU Busy」という指標。

PresentMonで計測できる情報の例

 1フレームをレンダリングする時間の指標としてよく使われるのが「Frametime」だが、この指標はCPUによる処理の時間となる。一方のGPU Busyは、GPUのレンダリング時間のみを計測している。

 このGPU Busyの値を計測してFrametimeと比較することで、ゲームのフレームレートにおいてボトルネックがCPUとGPUのどちらにあるのかをチェックすることができる。

FrametimeとGPU Busyの違い

GPU Busyが短くても、Frametimeが長ければフレームレートの向上があまり期待できない

 Frametimeに対してGPU Busyが極端に短い場合、GPUの処理は終わっているがCPU側で時間がかかっているため、GPUが遊んでしまっているといえる。例えば、画質設定を下げてGPUの負荷が下がり、GPU Busyが短くなっても、CPU処理のFrametimeが長いままであればフレームレートが極端に短くなることがない。そうなると、画質設定を下げすぎても大きな効果がないため、下げすぎないほうがいいと判断できる。

 こうした判断をするための指標を計測できるのが、このPresentMonとなる。なお、PresentMonはインテル Arcおよびインテル Core プロセッサー以外のオプションでも動作するとのこと。今回公開されたPresentMonはベータ版としている。

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