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ヤマハのシーケンサーアプリで簡単作曲に挑戦!ROLLY×週アス Vol.24

2014年03月21日 13時30分更新

文● 藤本健 編集●週アス編集部 撮影●岡田清孝

 ヤマハが2013年1月に発売した音楽制作アプリ『Mobile Music Sequencer』をご存じですか? 現代版『QY10』などとも言われているこのMobile Music Sequencerは、『GarageBand』や『Cubasis』、『Auria』、『FL Studio Mobile』……といったDAW(Digital Audio Workstation)とは一線を画すもので、MIDIシーケンスにのみフォーカスを当てたものです。

ROLLY×週アス Vol.24

 といっても、DAWのMIDIシーケンサーともだいぶ異なる考え方です。基本的に自分で打ち込んだり、リアルタイムレコーディングをしてデータを作っていくDAWに対し、Mobile Music Sequencerの場合は、数多く用意されているフレーズの中から気に入ったものを探し、それを並べていく、という考え方なんです。

 今回、このアプリをROLLYさんに使ってもらい、オリジナル曲をその場で作る、ということにチャレンジしてみました。

ROLLY×週アス Vol.24

 ROLLYさんに「これ、ヤマハのQY10みたいなアプリなんですよ」と言うと、「懐かしい! 昔、使ったね。ということは、パターンを選んでコード設定をするという感じ?」とズバリ核心を突いてきます。まさにその通りで、膨大にあるフレーズの中から気に入ったものを見つけ出し、そこにコードを設定して作っていくんですね。そのフレーズにはロック、POPS、ダンス、エレクトロニック、ヒップホップ、R&B……といろいろなカテゴリーがあり、それぞれにあったドラムフレーズ、ベースフレーズ、パッドフレーズ……が用意されているのです。

 今回は、Mobile Music Sequencerをまったく使ったことのないROLLYさんに、10分以内で曲を仕上げてもらうことを目標に操作を進めてみました。

 では、まずはドラムから作っていこうとフレーズを選択し始めます。頭からいくつかのフレーズを聴いていくのですが、「ん~、なんかイメージに合わない……、もっとシャッフルしたパターンはないのかなぁ……」という反応。さらにスクロールしていくと、まさに“Shuffle”という名前が付いたフレーズがいくつか出てきました。試しに一番上にあった“RkShuffle Dr1 B”というのを選ぶと、すぐに「よし、これにしよう」と確定。ただ、デフォルトのドラム音色が“Dance Kit”となっていて、ちょっと雰囲気が合わないので、私がこれを“Standard Kit”に変更してみました。そう、Mobile Music Sequencerは、ダンス系やテクノ系の音楽制作で利用するのをメインターゲットとしているので、デフォルトの設定がこうした音色になっているのですが、ロックでもPOPSでもジャズでも十分に使えるツールなので、いじりがいはありますよ。

ROLLY×週アス Vol.24
ROLLY×週アス Vol.24

 続いてベースですが、ドラムがシャッフルなので、同じカテゴリーのものを選ぶのが簡単だろうと名前から探してみると、やっぱりありますね。こちらは“RKShffle Bs A”を選び、先ほどのドラムと合わせて鳴らすと、「なかなかいい感じですね。ベースの音色はこのままでいいか」とデフォルトの“Dance Bass”のまま。けっこううまくマッチしてしまいます。

「ドラムとベースだけでもいいけど、ちょっと寂しいから、もうひとつコードをかぶせてみよう」とROLLYさん。適当にパラパラと探しながら3つめの音として選んだのは“FunkyJaz Cd2”というものでした。これもデフォルトの音色である“Velo Master”というままだったんですが、シャッフルしたリズムにこのファンキーなコードがピッタリ合うんですよね。

ROLLY×週アス Vol.24

 ちょっとフレーズ選びがおもしろくて、いろいろと聴いてしまったため、ここまでですでに7、8分経過してしまいました。10分で完成させるのはちょっと難しそうですが、先に進めていきます。そう、ここまではただ音を重ねただけですから、同じフレーズを永遠に繰り返すだけです。やはり曲に仕上げるためにはコード進行が必要になってくるわけで、Mobile Music Sequencerの場合、それが簡単にできるというのが大きなポイントです。

「ここは単純に3コードで作っていきましょうか。CとFとGを設定していきましょう」とROLLYさん。音を鳴らしながらコードを設定。そのパターンをいくつかコピーした上で、コード進行を作っていきます。どうするのかなと見ていると、おもむろにギターを弾きながら、歌い出しました。もう頭の中にメロディーや歌詞が浮かんじゃうんですね……。このスピーディーな展開にはいつも驚かされますが、何かちょっと首をかしげています。

ROLLY×週アス Vol.24
ROLLY×週アス Vol.24

 「なんか、コードの展開が変。ここでFになるんじゃなくて、その2小節前にならなくちゃおかしい……」と言いながら、コードを修正。さらに歌いながら、何ヵ所か修正していくと、コード設定は完了。最後にソングとして展開すると、ひと通りの作業は完了です。初めての操作ということもあって、所要時間は約20分。予定時間はオーバーしてしまいましたが、なんとか仕上がりました。

ROLLY×週アス Vol.24

 もっともMobile Music Sequencerは、掘れば掘るほどいろんな機能が隠されているので、今回は本当に触りの部分だけで作っていきました。インスタントに作れるけれど、使う人の感性によってまったく違う曲になっていくんですよね。次回は、このMobile Music SequencerをGarageBandと連携させた上で、ROLLYさんのギターとボーカルを重ねて、作品に仕上げていきます。

 記事の感想はROLLYさんのツイッター(@RollyBocchan)まで。週刊アスキー本誌にも掲載中です。次回もどうぞお楽しみに。

※3月21日21:46 一部前回の記事が残った状態でしたので削除いたしました。

『Mobile Music Sequencer』
●Appストア価格 1600円(記事作成時の価格です)
ヤマハ

Mobile Music Sequencer - Yamaha Corporation

●関連リンク
welcome to ROLLY net .com(ROLLY公式サイト)

藤本健の“DTMステーション”
 

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