全国のFM放送系列であるJFN(JAPAN FM NETWORK)の番組でROLLYがパーソナリティーを務める『D.N.A.~ロックの殿堂~』。同番組内で展開している週刊アスキー コラボコーナー第9回が放送されました。
※放送局によって放送日程は若干異なりますが、下記の放送局にて月に1度、第1週に放送おります。
ネット局予定:FM秋田、FM新潟、FM富山、岐阜FM、Kiss FM、FM OSAKA、FM山陰、FM香川、FM徳島、FM長崎、FM大分、FM宮崎
※放送局、放送時間などは変更の可能性があります。詳しくは各放送局のHPをご覧ください。
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今回、放送で取り上げたのは、イタリアのDTM系ソフトメーカー、IK Multimedaが開発したiPad用アプリ、『AmpliTube』。
それから、アプリをiPadで利用可能にするための機材、『iRig STOMP』です。
以前、何度かLine 6のMobilePodとMobileInの組み合わせを取り上げたことがありましたが、基本的にはそれに近い製品です。
ここでは、Line 6製品と少し比較しながら、紹介していきましょう。
そもそもiPad、iPhone用のギターアンプシミュレーター&ギターエフェクターとして製品をいち早く出したのはIK Multimedia。ギターと接続するためのインターフェース、iRigとそれを動かすアプリです。
AmpliTubeは、iPadが発売されてから比較的早いタイミングでリリースされたため、大きな話題となりました。注目された理由はAmpliTubeがMac、Windows用のソフトとして元々定評あり、それとソックリなアプリとしてiPad、iPhone版がリリースされたからです。しかも、iPad、iPhone版のAmpliTubeは無料であったことも大きなポイントでした。これに接続するハードウェアであるiRigはヘッドホン端子にアナログで接続する単純な機材ながら、低価格であったため、広く受け入れられたのです。
それに対し、約10年前に登場したPODというハードウェアのアンプシミュレーターをiPad、iPhone上に再現したのがLine 6のMobilePOD。こちらも無料アプリですが、これを使うにはMobileInというDock端子にデジタル接続する機材が必要。デジタル接続だけに高音質というのが売りとなっていますが、そのぶん価格は若干高めとなっています。よって、まさに競合する2製品といえます。
で、今回ROLLYさんに使ってもらったのはIK Multimediaの製品。アプリのほうは従来からあるAmpliTubeですが、ハードウェアのほうは、先日新たに発売になったiRig STOMPです。iRigの後継品というわけではなく、併売されるシリーズ品なのですが、名前からも想像できるように、これはストンプボックス型、つまり床において使うエフェクタの形状をしたものなのです。もちろん、格好だけではありませんよ。実際に手持ちのディストーションやオーバードライブ、ディレイといったエフェクターと並べて接続することも可能になっており、フットスイッチでオン・オフも可能。オフにした場合は、アンプシミュレータやエフェクタ機能をバイパスする形になっています。
さっそく、ROLLYさんに機材を手渡してみたところ、セッティング作業やアプリの設定などはほとんど一瞬。とくに機材についての説明は何もしていないのですが、ギタリストなら、見ればすぐに分かる仕様なわけです。ちなみに、iRig STOMPとiPadの接続は付属ケーブルを利用するアナログ接続。そのため、形状こそ違うものの、構造・仕組み自体は当初からあるiRigと同じなんですよね。もっともiRig STOMPを使うにはギターのエフェクタと同じく006Pの9V電池が必要。この電池を入れずにDC9Vで動かすことも可能となっています。アナログ接続だから、iPadやiPhoneの端子が30ピンDOCKからLightningコネクタに変更になっても関係なし。何の不具合も相性も関係なく、すぐ使えるというのが嬉しいところです。
アプリであるAmpliTubeにはAmpliTube Freeという無料版のほかに、1700円の有料版であるAmpliTube、さらにFenderのアンプシミュレータに特化した1700円のAmpliTube Fenderなど複数のラインナップがありますが、今回使ったのは標準的なAmpliTube。こちらは無料版と比較して、モデリングできるアンプの種類が豊富に揃っているのとともに、利用できるエフェクトの数も豊富なんです。
見た目は実物のアンプやエフェクタとソックリですから、初めて触るROLLYさんにとっても何の違和感もないようです。「使い方は分かりやすいし、いい感じの音だけど、全体的にちょっとリバーブが強いねぇ」とROLLYさん。
やや派手な演出をするためなのか、スタジオのスピーカーで鳴らすと確かに反響音が強めに感じます。REVERBの設定を小さめにし、いくつかのエフェクターを並べ替えながら、その音色に合った演奏を次々と繰り広げてくれるので、見ているだけでとっても楽しめます。そんななか、ROLLYさんが見つけたのは画面右下に表示されているマイク。そう、これをTAPすることによってマイクの形状がダイナミック型とコンデンサー型に切り替わるんです。
「これは、どういうマイクで拾うのかのシミュレーションまでやっているんですね。ダイナミックマイクというのは、カラオケでみんなが使うようなヤツ、コンデンサーマイクはレコーディングなどで使う、より繊細に音を拾うものですが、マイクによって音の雰囲気も変わるんです」と言いつつROLLYさん、実際に演奏して、その違いを聞かせてくれました。ちなみに、感覚的にダイナミックマイクはSHUREのSM57ふうですね。
そして、コンデンサーマイクはRODEのNT1ふうであり、音の雰囲気もそれっぽいものになっています。
そのほかにも、いろいろなエフェクターやアンプを設定でき、演奏し出すと、止まらなくなっちゃいます。Rollyさんも収録時間ギリギリまで演奏を楽しんでしまっていたので、ディレクターから「そろそろ終わりにしましょう!」と止められていましたが、ギタリストがこれを触ったら、やっぱりみんなこうなってしまうのではないでしょうか?
なお、アプリであるAmpliTubeは、これまでも徐々に進化してきて、いろいろな機能が追加されてきました。それに伴いオプションも増えてきており、アプリ内課金によって、利用可能なアンプモデリングやエフェクターを追加できるようになっています。
エフェクトひとつにつき250円、アンプモデリングは450円などとなっていますが、全部そろえると1万円を超えてしまうほど、その数は充実しています。それでも実物のアンプを買いそろえるのに比べたら圧倒的に安いですから、興味のある方は試してみてはいかがでしょうか?
『AmpliTube』
●無料(有料版1700円)
●IK Multimedia
『iRig STOMP』
●6380円
●IK Multimedia
●関連リンク
JFN『D.N.A.~ロックの殿堂~』
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