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iPadがあれば誰でもリッチー・ブラックモアと思うな! ロックの殿堂Vol.5

2012年08月20日 14時30分更新

文● 藤本健 撮影●岡田清孝 編集●相川真由美

 全国FM放送系列JFN(JAPAN FM NETWORK)のラジオ番組でROLLYさんがパーソナリティーを務める『D.N.A.~ロックの殿堂~』。週アスコラボパートの第4回放送内容をお届けします。

ロックの殿堂Vol.5

 局によって放送日程は若干異なりますが、下記の放送局にて月に1度、第1週に放送しております。

ネット局予定:FM秋田、FM新潟、FM富山、岐阜FM、Kiss FM、FM OSAKA、FM山陰、FM香川、FM徳島、FM長崎、FM大分、FM宮崎
※放送局、放送時間などは変更の可能性があります。詳しくは各放送局のHPをご覧ください。

 IPサイマルラジオ『radiko』でも聴取可能です(一部地域限定)。また、auのスマートフォン用アプリ『LISMO WAVE』、ドコモのスマートフォン用アプリ『ドコデモFM』なら全国で聴取可能です。

ロックの殿堂vol.04 photo02

  今回、取り上げましたのは『Jammit』というiOS端末向けアプリです。

Jammit photo01

 iPad、iPhone両対応の無料アプリ(ユニバーサル仕様)ですが、これがなかなかスゴイ。ロックの名曲を、これまでにないカタチで聴いて楽しみ、弾いて楽しむことができるのです。

 ROLLYさんが選んだのは、Deep Purpleの『Smoke on the Water』。「私が子供のころにこんなものがあったら、どんだけ幸せだったか……」と、自分の世界に入り込んでギターを弾きまくっていました。Jammitがどんなソフトなのか、もう少し紹介いたしましょう。

 
 前述のとおり、Jammit自体は無料なのですが、このアプリを起動すると“Store”という項目があり、ここにさまざまなミュージシャンの楽曲が並んでいます。

jammit photo02

 Deep PurpleのほかKiss、Motley Crueといったところから、Chicago、Boston、Norah Jones……。何でもあるというわけではないのですが、それなりに有名な曲、誰でも知ってる曲がそろっていて、それぞれ2.99ドルでを購入して使える仕組みになっています(デモ曲が1曲オマケでついています)。

 
 そして、これらの音源データはコピーや打ち込みによるMIDIデータなどではなく、どの曲もホンモノ! オリジナルの演奏なのです。Deep Purpleだけでも何曲か入っているのですが、変わっているのは、そのうちの『Smork on the Water』だけを見ても5つのデータが販売されていること。VOCAL、BASS、DRUMS、GUITAR、KEYBOARDと書かれたデータになっています。たとえば、このうちのGUITARをダウンロード購入してみましょう。再生してみると、あの曲がオリジナルの通りに普通に鳴るわけで、とくに何の違和感もありません。ところが画面を見てみると、ちょっと普通のプレーヤーアプリではありません。そう、ここには5本のフェーダーが並んでいるのです。そして、左からGUITAR1、GUITAR2、BAND、CLICK、USERとなっています。

 「GUITAR1とGUITAR2の2本のフェーダーを下げると、おっ、ギターが消えますね。で、BANDにはギター以外のトラックがすべてまとまっているようですよ」とROLLYさん。そう、Smoke on the Waterをレコーディングした際のマルチトラックのテープを元に各パートごとに音を抽出し、データ化していたんですね。ただ、DTMソフトのように、全部のトラックを並べることができないので、ギターだけを分離させたデータ、ボーカルだけを分離させたデータ、ベースだけを分離させたデータなど、計5つのデータに分けて販売されているというわけです。

 「簡単にいえば、ギター用のカラオケということですね。でもすごいのは、それがオリジナルであるということ。しかも、こんな古い曲のカラオケ版が今入手できるというのはすごいですよ」とROLLYさんも興奮気味。

 フェーダー操作を逆にして、GUITARだけ音を出して、BANDを下げれば、ギター単独の音を聴き取ることも可能です。速弾きでなかなかコピーできなかったギターソロ、バンキングの音に埋もれて聴き取れなかった部分を、これでじっくりと確認できるのが面白いところです。

 BASSパート版、KEYBOARDパート版を購入すれば、同様に別の楽器の練習でも使えますね。さらに、このアプリがすごいのは、一番右のフェーダーにUSERというパートがあること。そう、ここは自分が演奏するギターやマイクを使って歌う音を入力することができてしまうのです。

jammit photo03

 その意味では、まさにiPadカラオケシステム。自分のパートを含め、ミキサーでバランスをとることが可能なのです。

 しかも、驚くのはiPadにLine 6のMobile Inというインターフェースを接続すると、Jammitの機能が拡張されるという点です。以前も紹介しましたMobile In自体はギター接続が可能なオーディオインターフェースなのですが、それを接続するとUSERパートにギターアンプシミュレータ機能が自動追加されるのです。

jammit photo05

 「おっ、私、接続しただけで何もしてないのに、ギターを弾くと、これはリッチー・ブラックモアの音そのものですよ!」と弾き出すROLLYさん。この状態でギターのソロパートをミュートすると、ROLLYさんによる演奏に完全に差し替わってしまうわけですね。

 ただ、ここでROLLYさんから釘を刺す発言が……。「こうやってみると、誰でも簡単にプロと同じ音の演奏ができるように思うでしょう? でも、そういうわけではないんですよ!」と副編ACCNにギターを手渡しました。「さっき、ちょっと練習したみたいにリフを弾いてみて」とROLLYさん。ギターはコードストロークのみというACCN、必死に弾くが、ん~ヨレヨレ……だけど、まあ、それっぽい音は鳴っている。さらに「じゃあ、このままソロのところにも挑戦しよう!」と追い討ちをかけます。実はJammitには、譜面やTAB譜を表示する機能もあるので(05)、それを頼りにACCN、果敢にチャレンジしてみますが……一小節もまともに弾けず断念。「みなさん、実際はこんな感じなんですよ。機材とともに、しっかり練習をして、初めてあんな感じの音になるわけなんです!」とニンマリ。

 まあ、JammitもMobile Inも魔法のツールというわけではありませんが、楽しく夢のあるシステムだとは思います。是非、お試しを!

AppStore アプリをダウンロード

●関連リンク
JFN『D.N.A.~ロックの殿堂~』

welcome to ROLLY net .com(ROLLY公式サイト)

藤本健の“DTMステーション”

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