全国のFM放送系列であるJFN(JAPAN FM NETWORK)の番組でROLLYさんがパーソナリティーを務める『D.N.A.~ロックの殿堂~』。同番組内で展開している週刊アスキーコラボコーナー第2回の収録が終了しました。
放送局によって放送日程は若干異なりますが、下記の放送局にて月に1度、第1週に放送しており、5月ぶんは7日から順次開始しております。
ネット局予定:FM秋田、FM新潟、FM富山、岐阜FM、Kiss FM、FM OSAKA、FM山陰、FM香川、FM徳島、FM長崎、FM大分、FM宮崎
※放送局、放送時間などは変更の可能性があります。詳しくは各放送局のHPをご覧ください。
また、IPサイマルラジオ『radiko』でも聴取可能です(一部地域限定)。また、auのスマートフォン用アプリ『LISMO WAVE』、ドコモのスマートフォン用アプリ『ドコデモFM』なら全国で聴取可能です。
今回の題材は『GarageBand』のiPad版。Mac版はROLLYさんも活用されてるそうですが、iPad版は初めて。番組収録中に曲をつくるという、無謀なチャレンジです。所要時間、約15分。このごく短い間で番組を進行しつつ、曲を完成させるのです。
ご存じない方のために簡単に紹介しておくと、iPad版のGarageBandはアップルがApp Storeでダウンロード販売している音楽制作ソフト(450円)。この価格でこの機能、性能はズルイと思うほど強力な内容になっており、レコーディングはもちろん、シンセサイザー音源機能、エフェクト、打ち込み機能と本格DTMの要素をすべて備えたオールマイティーなアプリとなっています。
中でも面白いのが“スマート機能”と呼ばれる、誰でも簡単に使える楽器演奏機能です。具体的にはSmart Guitar、Smart Keyboard、Smart Bass、Smart Strings、Smart Drumsという5種類があり、これらを使うと、まったく楽器が弾けない人でもプロっぽい演奏ができ、しかも楽器を弾いているような感覚を味わえてしまいます。
もちろんROLLYさんはスーパーギタープレーヤーですが、あえて本物のギターではなく、Smart Guitarを使ってもらいます。
「結構いろいろなギターの音色がありますな。これなんかいいんじゃない?」と、ROLLYさんが選んだのがHard Rockというディストーションの効いたサウンド。数種類あるアルペジオから2番を選び、コード名をタップすると、イイ感じのギターリフ演奏ができます。
録音したのがこのサウンド。あらかじめキーをEメジャーに設定、コード進行はE-A-C#m-E-D#dimとなっています。レコーディングが終わるとギタートラックに、Smart Guitarで演奏した結果が音符として記録されます。
ROLLY×週刊アスキー『iPadのGarageBandで演奏!』音源1【ギターのみ】
次に入力したのはドラム。もちろん、これもSmart Drumsで簡単に入れられるのですが、Garage Bandでは画面にドラムキットを表示させ、指で叩くという奏法もできます。
ドラムは一気にすべて叩くのではなくループレコーディングにして、まず1周めはキックとスネアだけ、2周めはハイハットを入れて、次にシンバル……というように重ねていくこともできます。今回はこの方法で入力しました。画面を叩く強さによって音量の強弱をつけられるというのも面白いところ。ROLLYさん、慣れないこともあって微妙にタイミングがズレたりしましたが、そこは高性能なGarageBand、クオンタイズという機能により、自動でタイミングを補正して録音できるのです。
「ん~、とはいえ1ヵ所だけキックがズレちゃったな」とROLLYさん。その辺は編集機能を用い手動で修正します。
ROLLY×週刊アスキー『iPadのGarageBandで演奏!』音源2【ギター+ドラム&ピアノ】
この修正機能は前バージョンのGarageBandにはなかったのですが、バージョン1.2からできるようになったものです。続いてキーボードパートを入力。キーボードも画面に鍵盤を表示させて弾くことができますが、鍵盤は得意じゃないというROLLYさん、Smart Keyboradを使って演奏しました。音色はシンプルにデフォルトのGrand Pianoです。
これで3トラックが完成。それなりに作品っぽくなってきました。
DTMによる曲づくりは、まずドラムトラック、ベーストラックを入力してリズムパートを構成、その後、ギターやキーボードなどの上モノをかぶせていくというのが定石です。しかし、ROLLYさんは、いつもギターから入るのだそう。「曲づくりの手順は人それぞれですよ。私はギターから。フレーズ次第では、ベースはなくても結構いいカンジになりますよ」なるほど、これを聴いてもギターの低音とドラムのキックによって、低音が物足りないとは感じません。
ラジオ収録中は、さらにボーカルを入れ、それに合わせて本物のギターを使ってリードも披露。しかし、番組収録終了後、「もうちょっと音を重ねて仕上げてみたい」とROLLYさんが提案。8小節はあっという間ということで、最後のD#dimを1小節ぶん繰り返して9小節にしたものをコピーでリピートさせ、18小節に構成を変更しました。
ボーカルも歌詞を変えて入れ直します。「コーラスも入れてみよう」と、ステキなハーモニーで3パートのボーカルに仕上げてくれました。ちなみにボーカルはiPad内蔵のマイクに向かって歌ったものをそのまま録音しています。内蔵マイクなんて……とは思うものの、これを聴く限り、そうバカにしたものでもないですよね。このコーラス3パートともにSmall Roomという軽いリバーブだけをかけています。
これで完成! と思いきや、ギターをおもむろに取り出してきたROLLYさん。「やはり弾きたくなるね!」と、予定にはなかったリードギターを追加録音。前回はLine 6のMobile InとMobile PODを使いましたが、今回はGarageBand内蔵アンプシミュレータを使っています。プリセットのModern Metalという音色を利用してのレコーディングです。もっとも、iPadには直接ギターを接続することができないため、ここではTASCAMのiPhone/iPad用オーディオインターフェース『iU2』というものを利用してギターをつないでいます。
ついに完成。短い曲ではありますが、しっかりとROLLY節(かつお節ともいう)の効いた音楽に仕上がっていると思いませんか?
ROLLY×週刊アスキー『iPadのGarageBandで演奏!』音源3【生ギター+ボーカルを追加】
感想など、ぜひROLLYさんのツイッター(@RollyBocchan)まで。ROLLYさんのiPadレビューは週刊アスキー本誌にも掲載中です。次回以降もどうぞお楽しみに!
『GarageBand』
App Store価格:450円 (価格は記事作成時のものです)
●関連リンク
JFN『D.N.A.~ロックの殿堂~』
welcome to ROLLY net .com(ROLLY公式サイト)
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