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新感覚デバイス『iRing』をDTMで使いこなす秘訣とは? ROLLY×週アス Vol.29

2014年07月10日 09時00分更新

文● 藤本健 編集●週アス編集部 撮影●岡田清孝

 前回の記事では、イタリアのIK Multimedia社が「史上初のiOS対応モーションコントロールデバイス」と謳う『iRing』を使って、ROLLYさんと遊んでみました。

IK Multimedia『iRing』

ROLLY×週アス Vol.28

 いくつかあるiRing対応アプリのなかでも、音楽制作の面で扱えそうなのは『iRing FX/Controller』(以下、iRing FX)だろうと考え、これを使ってROLLYさんの歌声にエフェクトをかけながらiRingで音を変化させるという実験をしてみたのです。

ROLLY×週アス Vol.29

 最初は、これをどう使えばいいのか……と試行錯誤していたのですが、せっかくならギターを絡めてみようと、セッティングを変えながら引き続きiRing FXを使い、音を出してみました。さすがにギターを弾きながらiRingの操作は無理だということで、まずは私がROLLYさんのギターを借りて、コードを弾きながら音を出してみます。

ROLLY×週アス Vol.29

 その際、ROLLYさんがiRing FXを操作して、音を変化させていたんですよね。あらかじめアプリ内課金でエフェクトを追加していたので、フィルター、ディレイ、リバーブ、コンプ……といった全10種類のエフェクトの中から、2つを選んで使えるようになっていました。ROLLYさんが選んだのはフランジャーとフィルターの組み合わせ。確かに、これでiRingを操作すると、けっこう派手に音色が変化してくれます。iRing FXにはカメラ表示機能もあり、自分を映し出しながらiRingの操作ができるのも面白いところ。ROLLYさんもノリノリで操作していたわけです。

ROLLY×週アス Vol.29
ROLLY×週アス Vol.29

 が、やっぱり私がポロン、ポロンとギターを弾いていてもちっとも面白くないので、演奏はROLLYさんに交代。エフェクト設定はそのままに、私がiRingの操作を担当します。そしてiPadからのオーディオ出力をアンプに接続し、その出音を拾ってみたのが、コレです。

 演奏に合わせてエフェクト設定をいじるのってなかなか難しいものだと実感しましたが、音が変化していくことはわかりますよね。このようにiPadをエフェクトとして使い、その操作をiRingで行なうという従来の楽器にはなかったユニークな使い方ができるわけですが、せっかくiPadを使っているのですから、もう一歩進んだ使い方をしてみたいものです。

 そんなときに便利なのが『Audiobus』というアプリです。

『Audiobus』

ROLLY×週アス Vol.29

 Audiobusは有料(500円)ですが、iOS上のDTMアプリどうしを有機的に接続するというユニークなもの。たとえば、ソフトシンセで演奏をして、別のエフェクトアプリで加工し、それをDAW(Digital Audio Workstation)にレコーディングする……なんてことが自在にできるのです。現在、数多くのDTMアプリがAudiobus対応となっているのですが、iRing FXもそのひとつです。ROLLYさんと使っていたときには、このAudiobusを試さなかったのですが、簡単に使い方を紹介してみましょう。

 Audiobusは基本的に“入力”、“エフェクト”、“出力”の3つのモジュールを接続できるようになっています。ここで試してみたいのは、ギターを弾いた音をiRing FXで加工し、DAWへそのままレコーディングする……という流れです。したがって、入力はマイク端子、エフェクトはiRing FXで、出力のDAWにまずは『Cubasis』を設定してみました。

ROLLY×週アス Vol.29

 操作自体はいたって簡単ですね。その後、iRing FXの画面に移動すると、そこには小さくAudiobusの操作ボタンが表示されていて、その中にはAudiobusで設定したCubasisのアイコンも見えます。

ROLLY×週アス Vol.29

 ここで録音ボタンを押してみると、そのままCubasisが動き出し、iRing FXで出力される音がCubasisのトラックへとレコーディングされていきます。この際、iRing FXとCubasisは内部的にデジタル接続されているため、外部からのノイズなどが乗る心配はなく、キレイに録れるんですね。

ROLLY×週アス Vol.29

 もちろん、使用できるDAWはCubasisだけではありません。アップル純正の『GarageBand』も使えるし、iOS上のDAWとして最高峰とも言われる『Auria』などでも使うことができます。

『Auria』

ROLLY×週アス Vol.29

 どのDAWを使うにせよ、DAW側でとくに設定することなく、自動でiRing FX専用のトラックが作成され、そこにレコーディングされていくのがポイント。操作も簡単であり、かつ効率的です。iRingとiRing FXを使うのなら、Audiobusもセットで使ってみることをオススメしますよ!

 記事の感想はROLLYさんのツイッター(@RollyBocchan)まで。週刊アスキー本誌にも掲載中です。

『iRing』
●実売価格 3780円前後(記事作成時の価格です)
IK Multimedia

●関連リンク
welcome to ROLLY net .com(ROLLY公式サイト)

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