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GarageBandでミックス&リミックス!ROLLY×週アス Vol.23

2014年01月07日 16時00分更新

文● 藤本健 編集●週アス編集部 撮影●福田栄美子

 前々回前回と、iPad版の新しい『GarageBand』を使って、ROLLYさんに曲のレコーディングをしてもらいました。本当にその場での作詞・作曲で、約30分ほどで曲ができあがってしまいました。

ROLLY×週アス Vol.23

 改めてその手順を振り返ると、まず最初に曲の“骨格”をループ素材で組み立てました。具体的には、GarageBandに標準で同梱されているドラム素材とベース素材を1トラック目、2トラック目と並べ、8小節ぶん繰り返し演奏されるようにしたものです。次に、“Inter-App Audio”機能を用い、Lightning端子接続が可能なオーディオインターフェイス『iRig PRO』とアンプシミュレータアプリ『AmpliTube』を使ってリズムギター、そしてリードギターをレコーディングして、3トラック目、4トラック目も完成しました。さらに、iPadの内蔵マイクでボーカルをレコーディング。5トラック目にメインボーカル、6トラック目にコーラスパートという具合になりました。

ROLLY×週アス Vol.23

ROLLY×週アス『GarageBand』セッション音源3

※取材日時点での情報を元に、ROLLYさんに「1億5000万冊~♪」と歌っていただきましたが、正しくは「1億6000万冊」です。

 これで、レコーディング自体は完了なのですが、ここから曲としての完成度をより高めるためにミックス作業を行なっていきます。このミックスというのは、各トラックの音量のバランスを調整したり、左右に音を振ったり、場合によってはエフェクトをかけて、音を整えていく作業です。GarageBandでも、そうしたミックスが可能になっているのです。

 まずは音量ですが、ベースとドラムが大きすぎるので、これをちょっと抑えます。またリードギターとリズムギターを比較した際、リズムギターが前に出すぎているので、これも少し小さくします。一方、メインボーカルとコーラスをそれぞれ左右に少しずつ振ってみます。極端に左右に振ると妙になってしまうので、メインボーカルをやや右、コーラスをやや左に振る感じです。さらに、この2つのボーカルに“リバーブ”をかけてみましょう。リバーブとは、反響音のことで、カラオケでいうところのエコーですね。深くかけすぎると、遠くで歌っているような感じになってしまうので、やはりそれぞれ軽くかけてみます。そうした結果を聴いてみるとどうでしょうか? 何の処理もせずに鳴らしたときと比較すると、だいぶまとまった感じが出てくるのではないでしょうか?

ROLLY×週アス Vol.23
ROLLY×週アス Vol.23

 と、ここでROLLYさんから「ギターは弾けないという人もいると思うから、GarageBandの“スマートギター”の機能を使って、別のギタートラックを作ってみよう」との提案が。さっそくスマートギターで新たなトラックを作成するとともに、ROLLYさんはレスポールギター風の“Roots Rock”というギターを選択。ここでAUTOPLAY=自動アルペジオの機能をオンにしてAのコードだけで8小節ぶんをレコーディングしていき、それだけで完成。「さっき、せっかくギターをレコーディングしたけど、ここでは弾いたギタートラックをミュートして、いまのレスポールのアルペジオを鳴らしてみよう」と、ROLLYさん。こうして鳴らしてみると、だいぶ雰囲気は変わってきます。

ROLLY×週アス Vol.23

ROLLY×週アス『GarageBand』セッション音源4

 音を聴いてみてもわかるとおり、ここで鳴っているのはループ素材のドラムとベース、ROLLYさんのメインボーカルとコーラス、それにいま作ったギターのアルペジオですから、人間が弾く楽器パートはゼロです。録っているのはボーカルだけですから、これなら楽器ができない人でも、できそうな気がしてきますよね!

ROLLY×週アス Vol.23
ROLLY×週アス Vol.23

 ROLLYさんからは、さらに「じゃあ、このスマートギターでもうちょっと違う雰囲気に仕立ててみよう」との提案。いったん、いま作ったレスポールのパートはミュートした上で新たにスマートギターのトラックを作成し、今度は“Hard Rock”というギターを選択します。ここでROLLYさん、AUTOPLAYの3番を選び「これでいい!」と即完成。それを鳴らしたものがこちらです。

ROLLY×週アス『GarageBand』セッション音源5

 やはり全体を通してAのコードで弾いているだけですが、最初のROLLYさんによるギターとはまた違った感じでいいですよね。こんな感じで、曲が完成してからもどんどんとトラックを追加し、差し替えていくことで、簡単にリミックスができてしまいます。いろいろなミュージシャンが“リミックスバージョン”というものを出していますが、基本的にはこんな感じで別トラックを利用してミックスして作っているわけなのです。「没テイクにしたトラックが結構よかったので、あれを復活したミックスを作りたい」とか「友達のミュージシャンが来たので、あとで別トラックにレコーディングしたものを出したい」など、シチュエーションは違うでしょうが、基本的な考え方は同じです。そうした“リミックスごっこ”が簡単にできてしまうのも、GarageBandのおもしろいところなのです。

 実は、その後もおもしろくなって、キーボードトラックとか、ちょっとコードを変更したトラック、アコースティックギターのトラックを作って、いろいろなリミックスバージョンを作ってROLLYさんといっしょに遊んでいました。何かの機会があれば、こうしたリミックスバージョンについても紹介したいと思っています。

 記事の感想はROLLYさんのツイッター(@RollyBocchan)まで。週刊アスキー本誌にも掲載中です。次回もどうぞお楽しみに。

『GarageBand』
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welcome to ROLLY net .com(ROLLY公式サイト)

藤本健の“DTMステーション”
 

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