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SONIC PORTでギターをiPhone/iPadにつなごう!ROLLY×週アス Vol.19

2013年10月04日 16時00分更新

文● 藤本健 編集●週アス編集部 撮影●岡田清孝

 前回に続き、LINE 6製品を組み合わせてiPadでギタープレイを楽しんでみる企画。第2回は、iPhone/iPad用のオーディオインターフェース『SONIC PORT』という機材を使ってみたいと思います。

ROLLY×週アス Vol.19

 ご存じのとおり、iPadやiPhoneはマイクを内蔵しているし、スピーカーも内蔵しているので、iPadやiPhone単体でも録音や再生を行なうことは可能です。でも、それなりにキレイに音を捉えることが可能なマイクではあるものの、やはり内蔵マイクの音質には限界があります。また、ギターを録音したり、iPadをギターのエフェクターとして使うためには、ギターと直結させる必要があるのですが、本体だけではどうにもつなぐことができません。そこで、“オーディオインターフェース”と呼ばれるものが必要となってきます。

「iPadで使えるオーディオインターフェースは、これまでいくつかの製品を使ってきましたが、どれも一長一短がありましたよね」と話すROLLYさん。確かに、従来から複数のメーカーがiPadやiPhoneにギターを接続するための機器を発売しています。ヘッドセット用のマイク入力をギター入力に変換するアナログ接続タイプ、30ピンDock端子に接続して使うA/D内蔵のタイプなどがありましたが、今回使うSONIC PORTは、最新のiPhone5s/5cやiPhone5、またiPad miniを含む第4世代iPadに搭載されているLightning端子と接続できるタイプのオーディオインターフェースです。

ROLLY×週アス Vol.19

↑SONIC PORTは24bit/48kHzでの入出力に対応し、Dock端子との接続も可能。iOS端末から電源供給できる。

 とりあえず、これにギターのシールドを接続してまだ音も出さない段階で、「おや、これはなかなか使いやすいですよ」とROLLYさん。「これまでのDock端子接続タイプのものだと、シールドをちょっと動かしたりすると、Dock端子から外れやすかったけれど、これはLightningケーブルでiPad本体とつながっているため、シールド側が揺れてもトラブルが起こりにくいですね。しかも機材としてもコンパクトながらガッチリしたボディーだからよさそうですよ」と。

 もうひとつ、従来の機器との大きな違いがあります。それはギターと接続し、『GarageBand』のエフェクト機能やLine 6の『Mobile POD』のようなエフェクトアプリを起動しても、すぐに音が出ないところ。そう、これまでの多くのギター接続用オーディオインターフェースは入力専用であったため、出力はiPadやiPhone内蔵のスピーカーで鳴らすことができました。確かに、すぐに音が出せるという面では便利でよかったのですが、やはり内蔵スピーカーでは音質的にも低く、音量も小さくなってしまいます。また内蔵スピーカーはモノラルであるため、リバーブやコーラスなどをかけた際の音の広がりもわかりにくくなってしまいます。もちろん、iPadやiPhoneにヘッドホンを接続して鳴らせば、そうした問題は解決できたわけですが、外部機器に接続して音を出すといった場合、ヘッドホンジャックからの出力では心もとなかったのも事実。そこで、このSONIC PORTは入力のみならず、出力機能も備えた本格的なオーディオインターフェースとなっているのです。

ROLLY×週アス Vol.19

↑上がステレオのライン出力で、下がギター入力。右のミニ端子はステレオライン入力、左がヘッドホン出力。

 ここで、SONIC PORTの入出力端子部分を見てみましょう。よく見ると、ここには4つの端子があることがわかります。ギターからのシールドケーブルは下の標準ジャックに入力するのですが、ほかは何の端子なのでしょうか? まず上の標準ジャックは、ステレオ端子のライン出力です。ここを通じて、外部のアンプやオーディオ機器、さらにはレコーディング機器に接続することが可能で、高音質での信号を出力することが可能です。左側にあるミニジャックはヘッドホン出力。iPadやiPhoneからの出力が止まる代わりに、ここから音が出てくるのですね。試しに高品位なヘッドホンで聞き比べてみると、本体の出力とは少し音質が違うのがわかります。このへんは、ある程度好みの問題ではありますが、かなり解像度の高い、クッキリとした音に感じられます。本来、SONIC PORTはギターなどと接続するための機材ではありますが、iPadやiPhoneの出力音の違いを楽しむ機器としても使えそうですね。

 もう一方の右にあるミニジャックは、ステレオのライン入力用。つまりギター以外のオーディオ機器の出力をここに接続して、iPadやiPhoneへと取り込むことができるのです。お気づきの方もいると思いますが、ギターの場合はモノラルですが、一般のオーディオ機器はステレオです。しかし、iPadやiPhoneに搭載のマイクはモノラルだし、ヘッドセット用の端子を使って入力するにしてもモノラルでしか取り込むことができません。しかし、SONIC PORTを使えばステレオでの入力が可能になるわけで、ステレオのまま各種アプリで録音することもできます。これはiPadやiPhoneの機能を拡張するという意味でも、大きなポイントだと思います。

 さて、今回はギターをつなぐのが目的なので、このライン入力は使用しません。またヘッドホンも接続せず、ライン出力を取材場所にあったステレオコンポへと接続してみました。これで音を出してみると……ROLLYさんは「ん〜、これはなかなかギターアンプっぽいサウンドが出せますね」とのこと。そう、ギターはその電気的特性上、そのまま民生用のオーディオ機器へは接続することはできません。まあ、無理やりつなぐことはできるし、つないだからといって機器が壊れる心配はないのですが、なんとも貧弱な音になってしまうのです。専門的な言い方をすれば“インピーダンスのミスマッチング”ということが起こり、本来のギターサウンドで鳴らすことができないのです。

 でも、SONIC PORTからの出力はギターの生の信号ではなく、ラインレベルに変換されたものであるため、問題が起こらないのです。もちろん、ギターからの音だけでなく、iPadやiPhoneのライブラリとして入っている曲を再生するのに利用してもいいし、シンセサイザーアプリなどの出力を出すのに使えます。専用のギターアンプを用意することなく、手持ちのオーディオ機器をモニタースピーカーとして使えてしまうというのは、やはり便利ですね。

 次回、詳しく紹介しますが、ここではSONIC PORTを通じて入った音を、Mobile PODというアンプシミュレーターアプリを利用して加工し、いろいろな演奏をROLLYさんにしてもらったわけです。しかし、SONIC PORTの利用法はこれにとどまりません。たとえば、GarageBandなどのDAW(Digital Audio Workstation)アプリを起動し、レコーディングしていくこともできるし、そのほかに数多くの録音ソフトがあるので、それで取り込んでいくことも可能です。いろいろな活用ができそうですね。なお、ここではiPad miniにLightningケーブルで接続しましたが、製品には30ピンDockケーブルも付属しているので、30ピンDock端子搭載のiPhoneや第3世代以前のiPadとも接続が可能になっています。

 次回は、このSONIC PORT経由で入力したギターのサウンドを加工し、好みのギターサウンドを作り上げる方法を紹介していきます。

 記事の感想はROLLYさんのツイッター(@RollyBocchan)まで。週刊アスキー本誌にも掲載中です。次回もどうぞお楽しみに。

『SONIC PORT』
●実売価格 1万1000円前後
Line 6(関連サイト)

●関連リンク
welcome to ROLLY net .com(ROLLY公式サイト)

藤本健の“DTMステーション”
 

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