ニコニコ動画を運営する株式会社ドワンゴ。その出自はゲームを中心とした技術開発にある。学生やいわゆるゲーマーなどが集まってできた不思議な会社だ。ニコニコ超会議での“超エンジニアミーティング”や“超ハッカソン(ハッキングマラソン)”は、そのことをリアルな場で思い起こさせるイベントとなった。
超会議の開始から1時間遅れの午前11時。「エンジニアの朝は遅い」――超エンジニアミーティングは、ニコニコ事業本部長千野裕司氏のそんな挨拶からスタートした。
150人ぶんの座席とプレゼンテーション用のスクリーンが用意された会場では、東京大学大学院の五十嵐健夫教授による基調講演を皮切りに、はまちや2氏、サイボウズ・ラボの竹迫良範氏、小飼弾氏、小泉守義氏ら、国内を代表するエンジニアが“エンジニア100連発”と銘打ってプレゼンテーションを行なった。
ビデオでの参加となった竹迫氏は、「ゲームによる生産性ダウンをITの力で解決」として、“画像解析+Perlスクリプト”で『マインスイーパ』をちゃんと自動クリアーする技術“MineChan”を披露。
小飼弾氏は、「2分でできれば採用試験合格らしい」と冗談を飛ばしながら、“iPhone+音声認識”による“FizzBuzzライブコーディング”に挑戦。周囲の騒音や通信環境の問題もあり、惜しくも時間内の完成はならなかったが、会場は大いに盛り上がった。ネット上でも話題となることの多いエンジニア達の妙技を生で見られるということもあって、会場は立ち見もでる盛況ぶりだった。
同じころ、ホール脇の会議室では“超ハッカソン”が静かにスタート。“1-Click”をテーマに、16時半からの発表に向け急ピッチでコーディングが進む。Facebookで知り合った加川さん(写真左)、中村さん(右)も誘い合って超ハッカソンに参加。それぞれ、東京電機大学、東京工科大学に通う現役大学生プログラマーだ。超エンジニアミーティングをはじめ、さまざまな催しが行なわれている会場が気にならないのだろうか? と、記者がそんな質問を向けてみると、「今日はハッカソンのために来たので、がんばります」とニコニコと答えてくれた。
超エンジニアミーティング会場ではこの間、日本Rubyの会・java-jaによる発表(2日目はNode.js日本ユーザーグループ・日本Scalaユーザーズグループ)が続き、あっという間に発表の場である“LT(ライトニングトーク)とハッカソン成果発表”の時間がやってきた。
ハッカソンに参加した中村さんは、Chromeの拡張機能を開発。ニコニコ動画の画面を“ゆっくり”が覆い尽くし、コメント内容に応じてその反応が変化する様子を披露した。加川さんは、お気に入りやマイリストへの登録状況から推奨動画を表示するJavaプログラムを紹介し、「内定ください!(笑)」とプレゼンを締めくくった。
ライトニングトークを締めくくったのは、“(」・ω・)」うー!(/・ω・)/にゃー!”でプログラミングができるプログラミング言語『Nyaruko』を生み出したまさらっき氏。
ドワンゴ社員である氏が徹夜明けにつくったものだが、翌日ニュースサイトで大きく取り上げられビックリしたという。いわゆるブレインフ○ックと呼ばれる手法で、プログラムがどのようにつくられたのか、また前身となったプログラミング言語『Louise』からどんな改良が加えられたのか解説していた。ちなみに、仕事とはまったく関係ないそうだ。
(5月4日17:00 初出時、東京電機大学の加川さんの肩書きに誤りがありました。お詫びして訂正させていただきます)
■関連サイト
ニコニコ超会議公式サイト
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1,500円
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