ニコニコ“動画”とある意味対極をなすニコニコ静画。イラスト投稿から始まったサービスだが、角川グループとドワンゴが提携したことをきっかけに、電子書籍にも力を入れている。そんなニコニコ静画を、ニコニコ超会議でリアルに再現したらどうなるのか、ということで足を運んでみた。
↑ん?メイドさん。メイドカフェですか、ここは?
ブース内に並べられたテーブルには、メニューのようなカタログとパソコンが配置され、その間をメイドさん達が、忙しく動き回っている。会場を歩いて疲れたお客さんたちが、しばし休息――するわけではない。このブースでは、ニコニコ静画に投稿された人気イラストをその場でTシャツにプリントしてもらい、持って帰ることができるのだ。ブースを訪れた人達は貼り出された一覧やメニューからお気に入りの1枚を選び、メイドさんに注文する。
Tシャツは1枚1500円。ニコニコ静画に投稿されたイラストの内、ドワンゴによる販売が許諾された作品から絵柄を選ぶことになる。1日に約1000枚を、ブース内に設けられた“超Tシャツ工房”でオンデマンドプリント。工房内では印刷を担当する大英グループのスタッフの皆さんが休む暇なく制作に追われていた。
1500円×2日で2000枚=300万円、ということで、さぞやもうかるのかと思いきや、ニコニコ静画の中の人に話を聞くと、1枚1枚手づくりなので全然赤字とのこと。ニコニコ静画の素敵な作品を、超会議の思い出として持って帰ってほしい、という思いから生まれた企画だということだ。
一般的なネット販売と異なり、ブース内では作品選びから申し込み書の記入までメイドさん達が優しくサポート。会場内を歩き回って疲れた来場者の癒やしの空間にもなっていた。
またニコニコ静画ブースで行なわれたのは、Tシャツ販売だけではない。ニコニコ超会議の広報キャラクター“ニコニコ超会金”の実物大(約160センチ)ペーパークラフトの組み立てのほか、あのイラストレーター天野喜孝氏によるライブペインティングも行なわれたのだ。ニコニコ超会金のイラストと絵の具を片手に、下書きもなく一気に“ニコニコ超会金”描き上げる氏の技巧を、観客は息をのんで見守った。
完成した作品には、来場者が次々と筆を加えていくことができたのもニコニコらしい趣向だ。絵師、作品の頒布、ライブ感あふれる創作、そしてそこへの加工、そんなニコニコ静画のエッセンスが体現された空間は終日にぎわいを見せていた。
■関連サイト
ニコニコ超会議公式サイト
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1,500円
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