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われらのハッシーが負けた! 声優・岡本信彦氏が魅せた将棋の強さ【ニコニコ超会議】

2012年05月01日 17時00分更新

 超会議に到着するやいなや、将棋好きな私、編集部・いーじまは、まぁ、そんなに人が集まりそうにないマイナーな囲碁・将棋ブースを目指した。「米長永世棋聖に勝ったボンクラーズと対局できる」だとか、「プロ5段クラスの実力があるコンピューター囲碁Zenと対局できる」だとか、「プロ棋士による指導対局ができる」だとか、ふだんなかなかできないことができる……という目的ではなく、「はっしーvs.岡本信彦氏の特別対局」が観たかったから。

 もちろん、私が会いたかったのはハッシーこと橋本崇載八段。

ハッシーこと橋本崇載八段
ハッシーvs岡本信彦
いまの髪型はそんなに派手ではないが、ノーネクタイというところが普通の棋士とはちょっと違う。

 説明しよう。ハッシーは3月3日生まれの29歳。渡辺明竜王と奨励会入会同期なのだが、注目されたのがその奇抜ともいえる髪型と衣装。NHK杯では金髪姿でテレビに出演。「マジやべぇ」などの言動もあり、一躍有名に。こんな風体だが、先日、順位戦A級に昇級し(A級とは名人戦に挑戦できる10人のひとり。毎年順位戦によって昇級・降級がある)、実力も兼ね備えているのだ。

 ということで、ブースに到着すると……女性が多いこと多いこと。もちろん、ハッシー……ではなく、岡本信彦氏のファンの方々だ。岡本氏は、『とある魔術の禁書目録』のアクセラレータや『しゅごキャラ!』のムサシ、『明日のよいち!』の烏丸与一などを演じる声優で、2009年第3回声優アワードにて新人男優賞を受賞。2011年第5回声優アワードにて助演男優賞を受賞した、注目の声優だ。

声優・岡本信彦
ハッシーvs岡本信彦
声優にならずに、プロの棋士になっていたら、将棋も女性ファンが多くなっていたのだろうか?

 なんで、この2人が……と首をひねってしまうところだが、実は岡本氏は子供の頃、プロを目指して将棋スクールに通っていたほど将棋が好きで、アマ3段ほどの腕前なのだそうだ。とはいえ、プロ八段のハッシーに平手で勝負を挑むのは無謀なので、飛車落ちで持ち時間はハッシー5分、岡本氏は20分というハンデ戦となった。

大半は岡本さんのファン
ハッシーvs岡本信彦
対局中、「ハッシーのファンの人」と質問したところ、ぼちぼちと手が上がったのでハッシーも胸をなで下ろす?

 序盤は早指しのように両者駒組みをしていったが、中盤から一気に攻め合いに。ハッシーの厳しい攻めをかいくぐりながら、寄せきった岡本氏は、もちろんハッシーが多少手を抜いたのかもしれないが、解説を行なっていた佐々木慎六段と竹部さゆり女流三段の予想とほぼ同じ指し手だったので、かなりの腕前だ。

ちょっとだけ本気モード?
ハッシーvs岡本信彦
中盤以降、ちっと分が悪くなってきたところで、本気モード突入……したようなしないような。
勝ったのは岡本さん
ハッシーvs岡本信彦
しっかり指しきった岡本さんの勝利。勝ちが決まったあと、足がしびれてなかなか立てなかった。

 話はそれるが、解説の2人の掛け合いもおもしろかった。佐々木六段が橋本八段とプロ入り同期ということもあるが、対局中「この中に橋本八段のファンっているの?」とか、「目から上はいいんだけど」とか、2人で言いたい放題言って観客を笑わせていた。将棋って堅苦しそうというイメージを払拭してくれる、いい解説でした。

解説は結構楽しくハッシーをけなす
ハッシーvs岡本信彦
左端が竹部女流三段、右端が佐々木六段。ボケ突っ込み的なノリで観客を沸かせ、対局中の両者も笑わせていた。

 ハッシーは対局後、「運が悪かった」と言っていたが、ミスも少なく指し回した岡本氏をたたえるべきでしょう。最後にハッシーが岡本氏に「弟子にしましょう」というぐらい意気投合していた2人、今後もこのようなイベントなどで出てほしいですね。そして将棋文化をもっと広めましょう。

岡本さんがはっしーの弟子になる!?
ハッシーvs岡本信彦
対局後、強さを認めてハッシーが弟子にすると申し出て、両者固く握手をした。

 ちなみに、囲碁のほうは元AKB48であり元SDN48の戸島花さんが囲碁指導や聞き手役を行なっていたり、吉原(旧姓・梅沢)由香里五段による指導対局など、きれいどころがいて女性も多く訪れ、意外と華やかだったのが印象的だった。

囲碁の聞き手に元AKB48の戸島花さん
ハッシーvs岡本信彦
2012年NHKの新春特別囲碁対局に出演するなど、中学2年のときから囲碁を始めた、囲碁のできるアイドル。目指すは初段だそうだ。

■関連サイト
ニコニコ超会議

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