第317回
GeForce RTX 30シリーズの大本命がいよいよ降臨
GeForce RTX 3070 FEレビュー!Ampere世代最強の電力性能比とRTX 2080 Ti超えを確認
「MONSTER HUNTER WORLD: ICEBORNE」でも
RTX 3070はRTX 2080 Tiと同等の性能を発揮
描画の重さで言えば、「MONSTER HUNTER WORLD: ICEBORNE」も無視できない。APIはDirectX 12を選択、画質は“最高”をベースに、High Resolution Textureを導入。集会エリアにおける一定のコースを移動した時のフレームレートを「CapFrameX」で測定した。縦1440ドット以上の解像度ではDLSSが利用できるため、その際のデータも測定している。
ここでもRTX 3070 FEがRTX 2080 Ti FEを上回ったが、その差はまたもや2fps程度と小さかった。RTX 2080 TiよりもRTX 3070が速いのは間違いないが、決定的な差は見られないと考えるべきだろう。ちなみに、RTX 3070のVRAMは8GBなのでHigh Resolution Textureを有効にするとWQHD以上で警告が出る。このとき設定画面上では7.2GB使用と予想され、「GPU-Z」で集会エリア時の実際の消費量を見てみると6.4GB使用となっていたので、プレイする上で特に問題は出ない。
しかしながら、4Kで安定したプレイ環境を期待するならRTX 3080が好適だ。それ未満の場合ならRTX 3070で良いだろう。また、RTX 2070 SUPER FEでもDLSSを使わずともWQHDで60fps以上がキープできる点を考えると、RTX 3070 FEはオーバースペックにも見える。しかし、実際の狩りで安定したフレームレートを確保したいなら、余裕のあるRTX 3070 FEのほうが安心だろう。
「Bright Memory Infinite Ray Tracing Benchmark」に見る
GeForce RTX 30シリーズ世代RTコアのパワー
ここまではDXR(DirectX Raytracing)を使わないゲームだけを追ってきたので、そろそろDXR利用時のパフォーマンスもチェックしよう。まずは最近リリースされた「Bright Memory Infinite Ray Tracing Benchmark」で試してみる。これは文字通りベンチマーク“だけ”を行なうソフトだが、この描画エンジンを利用したゲームタイトル「Bright Memory: Infinite」が開発中である。
このベンチマークの画質設定はレイトレーシングとDLSSの設定のみに絞られている。レイトレーシングは“Very High”、DLSSは“Quality”設定とした。最低フレームレートの下位1パーセンタイル点は、テスト終了後に出力されるCSVファイルから算出している。なお、GTX 1070はDXRのソフトウェア処理を実行できるが、DLSSには対応できないので、このベンチマークでは除外している。
全体の序列はこれまでのテストと同じだが、RTX 2080 Ti FEはRTX 3070 FEに対し、フルHD時で平均/最低ともに10fps以上下回っている点に注目してほしい。CUDAコアだけを使う従来型のシェーダー中心のゲームよりも、RTコアやTensorコアを動員するゲームのほうが、RTX 3070の強さが際立つと考えられる。NVIDIAの「RTX 2080 Tiより高速」と言い切る謳い文句は、嘘ではないと言えるだろう。
ただし、RTX 3080 FEのパフォーマンスはRTX 3070 FEを24~30%上回っている。今後登場するであろうゴリゴリのDXR対応ゲームを最高の状態でプレイしたいなら、RTX 3080のほうが向いているのではないだろうか。
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