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最大30%のパフォーマンス向上!?

「Resizable BAR」の効果をGeForce RTX 30シリーズまとめて検証!人気ゲーム13本でフレームレートを計ってみた

2021年05月01日 18時00分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集● ジサトラユージ/ASCII

GeForce RTX 30シリーズの「Resizable BAR」で
パフォーマンスはどう変わる?

 AMDがRadeon RX 6800シリーズ発表と同時に存在を明らかにした「Smart Access Memory(SAM)」とは、PCI Expressの規格に昔から存在していた「Resizable BAR」を利用し、GPUの描画パフォーマンスを大幅に引き上げた技術だ。CPU→VRAMへのデータ転送におけるボトルネックを減らすことで、転送する描画データが大きいゲームに恩恵がある。

 実際、RX 6800シリーズのレビュー前編および後編では、いくつかのゲームにおいてフレームレートの劇的な向上を確認できた。

AMDがRX 6800シリーズ発表時に出したSAMの構成図。当初はRyzen 5000シリーズ+AMD 500シリーズチップセット+RX 6800シリーズの3つがないと動かないような印象を与えたが、PCI Express規格にあった機能を使っているだけなので、そこまで縛りの厳しい機能ではなかった

 Resizable BARをWindows環境で使うには、マザーボード側のBIOSに加えて、GPUそのものもResizable BARに対応している必要がある。

 AMDがRX 6800シリーズを発売した当初はチップセットも対応CPUもAMD製の最新モデルに限定されてきたが、その後対応範囲は拡大し、昨年はインテルZ490マザーボードでも対応した(もちろん最新のZ590でも対応済)。つまり、昨年の段階でインテル製CPU+Radeonの組み合わせでもResizable BARは効くようになっていた(参照記事:Intel環境でもRadeon RX 6000シリーズのSmart Access Memoryが使えるのか検証してみた)。

 一方NVIDIAだが、この状況を静観していた訳ではない。GeForce RTX 30シリーズでも、Resizable BAR対応video BIOS(vBIOS)に更新することでパフォーマンス向上が期待できるのだ。すでに3月末には、各GPUメーカーからRTX 30シリーズ向けのResizable BAR対応vBIOS配布が始まっている。なお、RTX 3060は出荷時点から対応済みなのでvBIOS更新は必要ない。

NVIDIAも3月30日にRTX 30シリーズがResizable BARに対応するという内容のニュースをアップした

NVIDIAの発表後、各GPUメーカーが自社製RTX 30シリーズ搭載ビデオカードでResizable BARに対応するvBIOSの提供を開始した。画像はASUS製「ROG-STRIX-RTX 3080-O11G-GAMING」用のvBIOSアップデーターのDL画面。言うまでもないが、異なるメーカーや異なる製品向けのアップデーターを利用するのは絶対に止めておこう

マザーボードのBIOSもResizable BAR対応BIOSに更新しておこう。図はGIGABYTE「X570 AORUS MASTER」のBIOSだが、バージョンF32でResizable BAR(ここではRe-Size barと表記)対応となる。USB周りの不具合を解消したF33iはF32の内容も含まれているので、適用するならF33iの方が好ましい

図はRTX 30シリーズのFounders Edition向けのvBIOS書き換えツール。アプリを開くとコマンドプロンプトが出現するが、テキストを読み進めていくだけで更新そのものはすぐ終わる。ただ、更新作業中にPCの電源を切ったり、停電したりするとそのビデオカードは高確率で故障するので十分注意しよう

Resizable BARを利用するには、GeForce 465.89以降のドライバーも組み込んでおこう。NVIDIAコントロールパネルの“システム情報”もしくは「GPU-Z」の画面上でResizable BARの項目(赤枠で囲んだ部分)が「はい」または「Enabled」になればOKだ

 そこで今回は、RTX 30シリーズでResizable BARを利用すると、ゲームのパフォーマンスはどのように変化するか検証してみた。RTX 3060のファーストレビューでは精彩を欠く印象しかなかったGeForceのResizable BARだが、上位GeForceでは様子が違う可能性がある。Resizable BARはRTX 30シリーズに新たな覚醒をもたらすのだろうか? 様々なゲームで検証してみたい。

発売当初からその性能の高さ(&消費電力も)が話題になったRTX 30シリーズだが、Resizable BAR対応にすることで、さらに覚醒ステージに入る可能性を秘めている。ただし、どんな状況でも有効、という訳ではなさそうだが……

Resizable BARの利用要件と対応ゲームは?

 ここで改めてRTX 30シリーズのResizable BARを利用するための要件をまとめておこう。若干の例外はあるものの、概ね以下の通りになっている。

RTX 30シリーズのResizable BARを利用するための要件。CPUとマザーボードの要件はRX 6000シリーズと同じだ

 2021年4月時点では上の通りとなっている。ただしRyzen 3000シリーズのうち、GPUを内蔵したRyzen 3000Gシリーズは中身がZen+世代なのでResizable BARには対応しない。

 AMDの300シリーズチップセット用にResizable BAR対応BIOSが出ているマザーボードもあるが、旧世代チップセットということで全メーカーで対応している訳ではない。Resizable BARはPCI Expressの仕様を利用した機能だが、ある程度新しいCPUやチップセットである必要がある。

 そして、本稿のテーマであるRTX 30シリーズのResizable BAR対応によってゲームの性能向上があるかないかに関しては、既にNVIDIAが検証を行ない、効果のあるゲームのリストを挙げている。下のリストは2021年3月末の時点で、NVIDIAによって確認されたResizable BAR対応ゲームである。

  • Assassin's Creed Valhalla
  • Battlefield V
  • Borderlands 3
  • Control
  • Cyberpunk 2077
  • Death Stranding
  • DIRT 5
  • F1 2020
  • Forza Horizon 4
  • Gears 5
  • Godfall
  • HITMAN 2
  • HITMAN 3
  • Horizon Zero Dawn
  • Metro Exodus
  • Red Dead Redemption 2
  • Watch Dogs: Legion

 「Battlefield V」や「Watch Dogs: Legion」はNVIDIA肝いりのゲームだが、「Assassin's Creed Valhalla」や「DIRT 5」のように、起動時にAMDロゴが出るようなゲームもある。ゲームの設計上でより効く・効かないが分かれているのであって、特にゲームの“派閥”的なものとは関係ないようだ。

 また、NVIDIAによれば、Resizable BARによって逆効果になるゲームも中には存在するという。ただ、そういうゲームの場合はドライバー側でResizable BARは無効化されるとのこと(ただし、そのゲームが何か、までは教えてくれなかった)。とりあえずはマザーボードのBIOSでResizable BARを有効化し、RTX 30シリーズもvBIOS更新しておけばいい、程度の考えで良さそうだ。

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