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Turing〜Ampere世代GPUを一斉検証!

Cyberpunk 2077に最適なGeForceはどれ?レイトレーシング最高画質で比較してみた

2021年01月21日 17時05分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集● ジサトラユージ

「Cyberpunk 2077」を最高の画質で遊ぶための
GeForceを徹底比較しながら考察する

 CD PROJECT REDの「Cyberpunk 2077」は、色々な意味でゲーム業界の話題をかっさらっていったAAAタイトルといえるだろう。大作にはつきものの様々なバグや一部プラットフォームにおけるパフォーマンス不足などの話題はあったものの、オープンワールド探索やアイテム集めが好きなゲーマーにはやり応えのあるタイトルであることは間違いない。

 そこで気になるのがCyberpunk 2077の描画負荷の高さだ。動作用件(下図)を見ると推奨設定でGTX 1660 SUPER、DXR(DirectX Raytracing。表中でRTと表記された部分のこと)を追加するならRTX 2060以上、最大でRTX 3080が必要と書いてある。

CD PROJECT REDのサポートページから引用したCyberpunk 2077の動作環境。CPUの要求スペックは4コア~6コアのものでOKとマイルドだが、最高画質設定で遊ぼうとすると、RTX 3080が必要になってくる

 本稿は以前Ryzen+Radeon環境で検証した「Cyberpunk 2077最高画質プレイに必要なRyzenとRadeonの組み合わせについて考える」のGeForce版といえる記事である。この記事における検証で、CPUの選択に関しては6コア/12スレッドのRyzen 5 5600X以上であれば“どのRyzenでも大差ない”ことが判明している。

 そこで今回は現行GeForceで最高画質プレイを考えた場合、どの程度のGeForceを狙えばよいのか、そして各GeForceではどの程度のパフォーマンス差が存在するのかを考えてみたい。

ナイトシティの“煌めき”は
「レイトレーシング:ウルトラ」で堪能したい

 パフォーマンスの話をする前に、Cyberpunk 2077の画質設定について簡単に触れておきたい。Cyberpunk 2077はDXRを利用したレイトレーシングが実装されているが、2021年1月初旬時点(Hotfix 1.0.6)ではGeForce環境のみが対応している。DXR対応ゲームの場合、レイトレーシングを使って何を表現するかが重要になってくるが、Cyberpunk 2077ではライティングと反射、影の3種類の表現それぞれに対して有効/無効化が可能になる。

 もちろんDXR系は全部無効でも十分美しいのだが、Cyberpunk 2077の舞台である退廃的なナイトシティの光と影の表現はぜひとも一番重い「レイトレーシング:ウルトラ」設定で堪能したい。

 そしてレイトレーシング周りの設定を最大にすると描画はかなり重くなってしまう。そのため、プリセットの「レイトレーシング:ウルトラ」ではDLSSも同時に有効になる。

2021年1月上旬時点においては、Cyberpunk 2077のDXRはGeForce環境のみ。レイトレーシング入りのプリセット設定に最初からDLSSがセットになっているのだ

プリセットの「ウルトラ」設定での1シーン。レイトレーシングがなくても十分美しく見えるように描き込まれている。床面に反射する光は予め計算しておいた(ベイクした)データを貼り付けただけのものだ

同じシーンを「レイトレーシング:ウルトラ」設定にするとこうなる。床面や右のガラスに反射した光がさらに細密になり、天井に映りこむ照明もさらにリアルに。ストーリーや操作性などには関係のない要素だが、Cyberpunk 2077の世界に浸るにはレイトレーシングは欠かせない

同様に別のシーンをプリセットの「ウルトラ」設定で撮影。カウンター席のすぐ後ろにある床面の表現に注目

「レイトレーシング:ウルトラ」ではしっかり映り込むようになる

VRAM使用量はDLSSの有無で大きく変化

 ここまで描画が濃いゲームの場合、VRAM使用量がネックになることもあるので、VRAM使用量もざっくりと調べてみた。GPUはVRAM搭載量の最も多い「GeForce RTX 3090 Founders Edition」を使用し、画質設定は画像のキャプションで解説している。

 今回はCyberpunk 2077の中でもオブジェクトが最大級に多いシーンで測定した。もちろんVRAMの使用量はそのシーンに映っている物体の多さなどでも変化するので、ワーストケースに近い状態での目安程度に考えてもらえるとよいだろう。

VRAM使用量チェックに使ったシーン。画質設定を変えてロードし、視点をぐるりと回してからVRAM使用量(GPU Mem Used)をチェックした 。VRAM使用量のチェックには「CapFrameX」+「Riva Tuner Statistics Server」を利用した

解像度フルHD、画質「ウルトラ」におけるVRAM使用量。6GBをやや下回る程度。フルHDならVRAM 6GBのビデオカードでも問題なく動くことになる

解像度フルHD、画質「レイトレーシング:ウルトラ」をベースにDLSS「なし」設定にした時のVRAM使用量。7GBをやや上回る

解像度フルHD、画質「レイトレーシング:ウルトラ」+DLSS「クオリティ」設定時のVRAM使用量。DLSSなしの時よりも低い解像度でレンダリング処理し、それをAIでフルHDにアップスケールしているため、VRAM消費量はDLSSなし時よりも若干減る

解像度フルHD、画質「レイトレーシング:ウルトラ」+DLSS「パフォーマンス」設定時のVRAM使用量。DLSS「クオリティ」時よりもさらにレンダリング解像度が下がるのでVRAM消費量も減るが、元がフルHDなので劇的な節約効果は得られない

解像度4K、画質「ウルトラ」だと8.6GB弱といったところ。Cyberpunk 2077でも屈指のモブ密度を誇るシーンだけあって、DXRなしでもフレームレートがかなり厳しい……

解像度4K、画質「レイトレーシング:ウルトラ」をベースにDLSS「なし」設定にした時のVRAM使用量。VRAM使用量は10GBを超えている

解像度4K、画質「レイトレーシング:ウルトラ」+DLSS「クオリティ」設定時のVRAM使用量。レンダリング解像度が下がった結果、VRAM使用量は8.7GB程度まで下がった

解像度4K、画質「レイトレーシング:ウルトラ」+DLSS「パフォーマンス」設定時のVRAM使用量。内部的なレンダリング解像度がさらに下がり、DLSSなしから2GB以上VRAM使用量が抑えられている

 このように、DLSSは上手く利用することでVRAM消費量を大幅に抑えることができる。DLSSを使うことで若干ジャギー感が目立つ場合もあるが、最高画質プレイを狙うのであればDLSSを積極的に使って内部負荷を下げなければ、フレームレートの安定は期待できなそうだ。

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