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Geforce RTX 3060搭載ハイエンドOCモデルの実力は!? ゲーム&クリエイティブの性能を徹底検証

2021年04月28日 17時00分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集● ジサトラユージ/ASCII

ASUS「ROG-STRIX-RTX 3060-O12G-GAMING」で
RTX 3060のハイエンドカードの実力をチェックする

 NVIDIAのGeForce RTX 3060は、現状入手可能なRTX 30シリーズとしては最も安く、かつVRAM搭載量が12GBと多いことで話題を集めたGPUである。

 筆者は2月の末にRTX 3060を初めてレビューしたが、今回はASUS製のファクトリーOCモデル「ROG-STRIX-RTX 3060-O12G-GAMING」(以下、ROG-STRIX-RTX 3060)も比較対象に加え、最新ドライバー/BIOS環境におけるRTX 3060の魅力に再度迫ってみたい。前回は時間・体力的制約から限られたベンチマークしかできなかったが、今回は前回触れることのできなかったゲームタイトルでの検証も試みる。

 2021年4月時点でも、RTX 3060は新型コロナウィルスによる生産・物流面への影響や仮想通貨マイニングの需要などもあり、実際に手に入れるのは大変難しくなっている。それは今回注目するROG-STRIX-RTX 3060も同様である。

 本機はROG STRIXブランドを冠したカードが採用する、3連ファンの高性能クーラーを搭載したハイエンドモデル。ブーストクロックはデフォルトで1882MHz、OCモードにすれば1912MHzと、リファレンス仕様の1777MHzよりもかなり強めのOC設定になっている。

 RTX 3060は、DirectX Raytracing(DXR)やDeep Learning Super Sampling(DLSS)対応ゲームを楽しみたければぜひ手に入れておきたいGPUであり、それを使ったファクトリーOCの上位モデルとあれば、試してみたくなるのは当然だ。プレミアム感溢れるROG-STRIX-RTX 3060の実力をチェックしつつ、最新GeForce環境におけるRTX 3060の位置付けを再確認してみたい。

RTX 3060に3連ファン搭載の大型クーラーを組み合わせたASUS「ROG-STRIX-RTX 3060-O12G-GAMING」。入手は困難な状況だが、ハイエンドなRTX 3060カードを求めている人には最高の1枚になるはずだ

裏面を見るとバックプレートの一部が切り取られており、ファンの風が吹き抜けるFlow-Throughデザインになっていることがわかる

映像出力系はHDMI 2.1が2系統用意されており、HDMI主体のマルチディスプレーやVR環境で使いたい人には嬉しい設計。ただし、同時に出力できるのは合計4系統までとなる

消費電力の増えがちなファクトリーOCモデルだが、本機の補助電源は8ピン×1で収まっているのが嬉しい

基板上部のモード変更スイッチ。「P Mode」ならパフォーマンス重視、「Q Mode」なら静音重視となるが、P Modeのままでも十分静か。バックプレートの端がL字に折り曲げられており、剛性アップが図られていることも見て取れる

Resizable BAR環境で再度計測

 まずは検証環境を紹介しよう。前回のRTX 3060ファーストレビュー時からは大分時間が経過しており、比較対象であるGeForce RTX 3060 TiもResizable BAR対応となった。ROG-STRIX-RTX 3060を加えてRTX 3060を再度レビューするにあたり、Resizable BAR対応vBIOSと検証時点での最新ドライバー(GeForce 465.89)でデータを取り直し、最新GeForce環境における性能評価を試みる。

 その他の比較対象はGeForce RTX 2060 SUPER、さらにGeForce RTX 2060、そして前回レビューに使用したZOTAC製のRTX 3060搭載カード「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3060 Twin Edge OC」(以下、RTX 3060 Twin Edge OC)となる。ただし、前回比較に加えていたGTX系下位モデル(GTX 1660およびGTX 1060)は比較対象から除外している。また、ROG-STRIX-RTX 3060はOSとドライバー以外の余計なツールを入れず、Gamingモードのみで検証することとした。

検証環境
CPU AMD「Ryzen 9 5950X」
(16コア/32スレッド、3.4~4.9GHz)
CPUクーラー Corsair「iCUE H115i RGB PRO XT」(簡易水冷、280mmラジエーター)
マザーボード GIGABYTE「X570 AORUS MASTER」(AMD X570、BIOS F33i)
メモリー G.Skill「Trident Z RGB F4-3200C16D-32GTZRX」
(DDR4-3200、16GB×2)×2
ビデオカード NVIDIA「GeForce RTX 3060 Ti Founders Edition」、
ASUS「ROG-STRIX-RTX 3060-O12G-GAMING」、
ZOTAC「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3060 Twin Edge OC」、
NVIDIA「GeForce RTX 2060 SUPER Founders Edition」、
NVIDIA「GeForce RTX 2060 Founders Edition」
ストレージ GIGABYTE「AORUS GP-ASM2NE6200TTTD」(NVMe M.2 SSD、2TB)、
Western Digital「WDS100T2X0C」(NVMe M.2 SSD、1TB)
電源ユニット Super Flower「LEADEX Platinum 2000W」(80 PLUS PLATINUM、2000W)
OS Microsoft「Windows 10 Pro 64bit版」(October 2020 Update)

スコアー上昇は軽微だが、OC設定の違いは感じられた
「3DMark」

 まずは「3DMark」でスコアーを比較してみよう。前回3DMarkによる検証は済んでいるが、今回新カード(ROG-STRIX-RTX 3060)が追加されたので改めて検証することとする。RTX 3060は2種あるため、グラフ内ではROG-STRIX-RTX 3060は「RTX 3060(ASUS)」、RTX 3060 Twin Edge OCは「RTX 3060(ZOTAC)」と表記している。

「3DMark」のスコアー

 前回のスコアーと比較すると、RTX 3060 Twin Edge OCのスコアーがやや上昇している。ドライバー熟成などの効果が出ていると考えられるが、全体の序列を変えるほどのものではないようだ。そして今回追加したROG-STRIX-RTX 3060については、 RTX 3060 Twin Edge OCの1~3%程度上のスコアーを出している。

 RTX 3060 Twin Edge OCのブーストクロックは1807MHzなのに対し、ROG-STRIX-RTX 3060のそれは1882MHzとより高いOC設定になっているのがその理由だ。実売価格がかなり高めのカードなのにこの差は小さいと思う人もいるだろうが、ビデオカードのOCというものはそういうものだ。数fpsの違いを引き出したい人が使うためのカードといえるだろう。

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