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宇宙ネギ振り衛星“はちゅね”と民間ロケット“ゆきあかり”【ニコニコ超会議】

2012年05月02日 14時00分更新

文● KONOSU 撮影●高橋智

 ニコニコ超会議ではいくつものロケット模型が展示されているとのことで、かけつけたのが『未来の超宇宙展』ブースです。

ニコニコ超会議 宇宙

 出迎えてくれたのは、はやぶさ擬人化こと“第20号科学衛星MUSES-C小惑星探査機はやぶさ”コスプレで有名な“秋の『』(あきの)”さん。

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↑JAXAの6分の1サイズはやぶさ模型の前で。擬獣化した小惑星イトカワに捕まる姿が非常にお美しい。
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↑JAXA提供の6分の1『はやぶさ』模型。お隣にはLEGO CUUSOOで3月1日に発売に至った、レゴ版『HAYABUSA』(実売4118円)もちょこんと展示されておりました。
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↑ソユーズ宇宙船用の宇宙服“Sokol-KV-2”。重量約10キロ。古川さんの名前が入ってるので、twitterのアイコンで着てるやつかな?と思ったのですが、ネームプレートがこちらはイニシャルですね。

(訂正:ソコル宇宙服は実物と同じ素材で作った模型とのことです。)

 こちらは、ホリエモンが創業者となる民間組織SNS株式会社、なつのロケット団が製作している小型液体燃料ロケット『ゆきあかり』(実物)。

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↑本誌連載『樋口真嗣の暮らしの手帖』でおなじみ、あさりよしとお先生は、なつのロケット団の主要メンバー。ロケットにはあさり先生のSNSロゴイラストが描かれているのです。

 公式サイトには、機載カメラ映像やロケットエンジンの燃焼実験映像などが公開されていて必見です。

 そのほか、JAXAの次世代宇宙輸送システムとして世界から注目されている固体燃料ロケット“イプシロンロケット(2013年度に初号機打ち上げ予定)”や、現在の日本の主力ロケットである“H-II Aロケット”、今年打ち上げが予定されている第一期水循環変動観測衛星GCOM-W1“しずく”(5月18日)と、宇宙ステーション補給機HTV“こうのとり”(7月21日)の模型も。

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↑イプシロンロケット。
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↑H-ll Aロケット。
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↑もうすぐ打ち上げ予定の“しずく”。しずくはH-II Aロケットで宇宙に旅立ちます。

 JAXA、SNS、ときましたが、ニコニコ超会議での要注目展示は、なんといって初音ミクを搭載したミニ衛星を打ち上げて宇宙ネギ振りをしようというプロジェクト、SOMESAT(SOcial MEdia SATellite)の『ネギ振り衛星』!!
 一辺が10センチメートルで重さ1キロ以下となる超小型人工衛星“キューブサット”です。

ニコニコ超会議 宇宙
↑宇宙に出された時は正方形を維持。側面のソーラーパネルでエネルギーを集めて動力を得ると、はちゅねがパカッと起き上がり、わっせわっせと右手のネギを振り出すしくみ。4~6年くらいで宇宙へ旅立てるように頑張りたい、と中の人。

 もちろん、太陽の影になってしまって動力を得られない時期は止まりますが、現在飛んでいるキューブベース型の衛星の状況から想定すると、5年くらいはネギを降り続けられるだろうとのこと。地球のまわりをぐるぐると周りながら、はちゅねがネギを振り続けているなんて胸熱です。

打ち上げ方式について(作者:つうなさんからの補足
「宇宙でネギを振るためには宇宙へ行く方法を考えなくてはなりません。今あるものだと“無料だけど審査が厳しいH-2Aロケット相乗り”、“設計条件はゆるいけど宇宙に約100日しかいられないISS放出”、“目的は自由だけどお金がかかる海外ロケット打ち上げ”が現実的です。どの方法も一長一短なので、いろいろな方法を調べて比べてミクに一番良いものを選びます。」

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↑実際の宇宙空間は-196度~200度の間の熱が加わります。はちゅねの印刷部分が熱で溶けないよう、しっかりした耐熱素材を用意。

 技術的にはものすごいんですが、目的が“ネギを振らせたい”ってところがニコニコらしくてステキです。

 銀河の中心でネギを振る際、温度に耐えられるか実験するため液体窒素につかってネギを振り続けた、はちゅね109号さんも展示。

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↑液体窒素をかけられたり、真空に放り込まれたり、液体窒素に耐えたりしたはちゅね。彼女はもうネギを振ることはないそうです。実験動画でのがんばりは胸打たれるものがあります。
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↑会場には宇宙に行くための謎パーツが大量に展示。こちらは400×400×300ミリの『超小型衛星追尾用小型アンテナ』(改良版)です。

■謎アンテナについて(作者:つうなさんからの補足
「SOMESATが開発中の『ネギ振り衛星』からの電波を誰でもどこでも簡単に受信してもらえるように、小型で簡単なアンテナを開発しました。このアンテナは4つの八木アンテナを組み合わせて空全体をカバーし、衛星にアンテナを向けなくても電波を受信できます。さらに、構造を簡単にすることで材料費を1500円程度に抑えています。とはいえ開発費はその数十倍かかってしまいました。」


 空が広くみえる場所(公園とか屋上とか)に置くだけで、衛星からの電波をキャッチすることができるとのことです!

 以上、ガイアに囁かれっぱなしの未来の超宇宙展からお伝えしました。

全然関係ないけど楽しかったのでおまけ
ニコニコ超会議 宇宙
↑“つくってみた”で展示されていたレアレアさん制作の大剣“ジェノサイドレイザー”を持って大興奮のノス。はしゃぎすぎてこの後、14時間も同じポーズで気絶していました。

(5月2日19:16 秋の『』(あきの)さんのお名前、しずくの記述ほかについて事実誤認がありましたので修正致しました。お詫びして訂正させていただきます。ゆきあかりは実物展示、ネギ振り衛星は、ISSから放出することで軌道に乗せるタイプのものではありません。つうな様、すばる様、武田誠様、ご指摘、感謝致します。)
(5月4日2:00 一部誤字の修正を致しました。)

■関連サイト
ニコニコ超会議公式サイト 
つくってみた ソーシャル・メディア衛星開発プロジェクト SOMESAT
【HAXA】こちら要素技術開発室【支援動画】  
JAXA|宇宙航空研究開発機構
SNS株式会社公式サイト
秋の『』さんのサイト『秋のうぇぶサイト』
ジェノサイドレイザーを作ってしまった

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