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フィロソフィーがないと「5Gの先」は読めない?

謎の学術「プラットフォーム学」を始める京都大学、求む「世界でかませる人」

2021年03月26日 21時00分更新

京大が持つ知の資産を活用、41機関95名の先生が参画

── 最後にプラットフォーム学のプログラムについて教えてください。

 6つの力を付けさせようとしています。これが「中核卓越専門力」「深化専門力」「文理融合力」「構築力」「推進力」「持続力」です。専門性と視野の広さを備えた人材をT型人材と呼びますが、これに対して2つの専門領域を持ち独創性のある発想を持てる人を2本足で支えるπ(パイ)型人材と呼ぶ場合もあります。

6つの力

 中核卓越専門力とは、自分の体幹をつくる専門力であり、最後に自分の寄るべき大樹でもあります。プラットフォーム学卓越大学院では、少し駆け足になりますが修士課程の2年生(最初の1年半)まではこの力を修得していただきます。そして残りの3年半で少しずつ別の領域の専門力をつけ、複数専攻分野における研究を行っていただきます。

 プラットフォーム学卓越大学院では、情報学のリベラルアーツ化を目指しプラットフォーム構築に関する文理融合した広範な知識、経験を修得していただくプログラムを作っています。履修の負担を減らすため、修得単位の数はできるだけ減らしたシンプルな仕組みにする代わりに、目線を広げられるためのセミナーやコロッセオと呼ばれる対話の場といった取り組みなどを通じて、見識を広げられる場を用意します。

 このプログラムには、京都大学内外から41機関95名の先生に参画いただきます。普段なかなか会うことができない方々ばかりです。情報学だけでなく、農学、医学、防災の分野の先生にも参加いただきます。また、京都大学には様々な資産があり、われわれの研究室でも5Gの設備を持っていますし、ビッグデータひとつとっても様々なデータが蓄積されています。農学だけも園芸・作物・砂防まで入ったあらゆる領域がカバーされていますし、リアルタイムセンシングデータも非常に豊富です。「これとこれを足せば行ける」といったオーケストレーションができるのもこのプログラムの魅力です。

 会えない人に会える、見られないものを見る。実学から座学までいろいろできるプログラムがプラットフォーム学です。

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