ひと月ほど前、元週刊アスキー総編集長のF岡さんが、アカザーさんにこう言い放ったんだそうです。
「俺がやってるミクプロジェクト、見に来いよ!」
「8月21日~29日まで、ベルサール秋葉原でやってるからな」
「来ないとミックミクにすんぞ!」
そんなに初音ミクに詳しくないアカザーさんは“ミックミク”がどんなものなのかはよくわからなかったらしいんですが、なんとなく末恐ろしいものを感じたようで、ミズグチさんを連れて夜のベルサール秋葉原へ。
会場に到着すると、入口付近にはすでに大勢のお客さんが。そしてそこに掲げられた看板には、“ANGEL Project 旗揚げ公演 HATSUNE Appearance 夏祭初音鑑”の文字が。どうやらこれがF岡さんプロデュースのイベント名のようです。
会場前の物販コーナーや初音ミクとドミノ・ピザとのコラボピザなんかも気になるところではあったんですが、まずは受付を目指すことに。
ベルサール秋葉原B1の受付に到着すると、そこにはスタッフの松崎さんとF岡さん改め、F岡P(プロデューサー)の姿が。
開口一番、F岡Pは「よく来たなお前ら、入場料は4410円だ。90分でこの値段は安いだろ?たっぷり楽しんでいけよ!」と、上から目線の営業トーク。
アカザーさんが渋々払おうとすると、今度はそれを制し「待て待て、しょうがねぇなぁ、今回は特別に取材ってコトでタダで入れてやるから、しっかり感動して、そして泣いてけよ!」と、いきなりいつものようにF岡さんのペースに飲み込まれたとのこと。
開演まではまだ少し時間があったので、松崎さんの案内で少し会場の様子を見せてもらうことに。
ステージ上ではミクさんが最終リハーサル中だったらしく、透明スクリーンに映し出されるミクさんと、ステージ奥の壁面上の影絵のミクさんの動きがシンクロしている様子が見られたそうです。
この仕組みは、前面のミクさんの映像と背景の影の映像という2枚のレイヤー構造になっているんだそうで、こうすることでより立体的なミクさんを表現できるのだとか。
今回のライブは、いろいろな面でパワーアップしているそうで、フレームレートは秒間30フレームから60レームフレームに。これはアカザーさんに言わせると、バーチャファイター5ぐらいのヌルヌルした動きなんだそうです。
さらに音響面も充実。スピーカーをステージ正面に2系統、後方に2系統のほかに客席の椅子の下にも2系統という、6チャンネルサラウンドを実現。
演出のかなめである照明も、注目度急上昇のレーザーショーチーム“VenusLaser”が担当。F岡P曰く「先月の大阪公演のものより、レーザーの色をよりミクさんっぽい水色に調整した」とのこと。
また、「こういったスピーカーにしてもレーザーにしても、スタッフから次々とアイデアが湧き出してきて、オレはただ見守っているだけで、最高のステージが出来あがっていくんだよ」と、F岡Pもご満悦のリハーサル現場だったみたいです。
そうこうするうちに開場時間を迎え、続々とお客さんが入場してきました。気がつけば老若男女、カップル、親子連れと様々な客層で会場は満席状態だったそうです。
松崎さんからサイリウムを手渡され準備万端。いよいよ、F岡Pプロデュースの初音ミクライブの開演です!
冒頭の鑑賞マナーテロップで「サイリウムは前の人の後頭部をめがけ、ブッ刺すように振り下ろしましょう……嘘です」と、いきなりF岡節が炸裂!
ミクさんの降臨を待ち詫びる気持ちがMAXになったその時! 真っ暗なステージ上にミントグリーンに輝くミクさんが降臨!
大歓声をあげて盛り上がる観衆! あとはもう人それぞれという感じで、最前列で踊りまくる小学生がいるかと思えば、その隣では茫然自失で立ち尽くすカップル。
曲によってサイリウムの色を替えて振りまくる若者や、逆にサイリウムは一切使用せず、独特の手の動きでノリまくるナイスミドルと、楽しみ方は人それぞれ。
そしてミズグチさんは、そこに存在するのはあくまでも映像なのに、それにもかかわらず、そこにアイドルのミクさんが存在しているかのような盛り上がりをみせるライブ空間に感動! と同時に高度なエンターテインメント性も感じたそうです。
アカザーさんは、アンコールでミクさんが歌った松田聖子のカヴァー曲『スイートメモーリズ』が、もはやボカロの域を超え、人間の歌声のようでビビって感動したみたいです。
今回の公演は9日間で38回上演という、ミクライブとしてはかなり多めの上演回数だったそうなんですが、F岡Pとしては「誰もが気軽に観に来れるようにしたかったんだよ。昔の芝居小屋と一緒で、何日もやってて、空いた時間に来て、パッと観られるようにしたかったんだ」とのこと。
もし札幌でも公演することがあれば、シャクライも観に行ってみようと思います。
●ANGEL Project(外部リンク)
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