'12年4月28日、29日、ニコニコ動画の一大イベント“ニコニコ超会議”にあわせて、ライブの“ニコニコ超パーティー”が開催された。1日目に引き続き、2日目もたっぷりこってり濃密に振り返ってみよう。
超パーティーは、1日目でも4時間30分と長丁場だったが、2日目はそれをゆうに超える6時間30分で実施。ライブの大まかな構成は1日目と同じで、音楽パートの合間に休憩しながら観られるエンタメパートを挟んだものだった。それでも長時間を考慮してか、東方ProjectとボーカロイドMMDの間に10分のトイレ休憩が設けられていた。
1.製品発表パート
2.降臨してみた&演奏してみた&ラップしてみた
3.ユーザ生放送&ゲーム実況
4.東方Project
5.ボーカロイドMMD
6.降臨してみた&ニコニコ技術部&エンターテインメント
7.降臨してみた&歌ってみた&踊ってみた&演奏してみた
要するに1日の4分の1をこのライブに捧げるわけだが、それでもほぼ1演目ごとに出演者とジャンルがめまぐるしく変わるのでまったく飽きさせない。ニコ動が始まって5年の間に、こんなにも広いカテゴリーでおもしろい才能が大勢出てきたのかと驚きを隠せなかった。
■実は超パでも「来年も会場を予約した」発言が出ていた!
まず最初の新要素の発表パートからして衝撃的だ。最も盛り上がったのは、今夏、日本各地の“町”でイベントを開く“ニコニコ町会議 全国ツアー2012”を実施すると明らかにしたこと。この時点では、スタートが北海道の長万部町で、ファイナルが東京都の八丈島(八丈町)と発表し、残りの開催地をユーザーから募集していた。しかし、先日の発表会で夏祭りのスケジュールと調整した結果、7月29日に鳥取県の八頭町、8月5日に佐賀県の呼子町、8月11日に北海道の長万部町、8月16日に福島県の三春町、8月30日に東京都の八丈島(八丈町)というスケジュールに落ち着いたようだ。
さらにドワンゴの川上量生会長から、超会議(または超パーティー)の来年開催を思わせる発言も飛び出した。冒頭でドワンゴの夏野剛取締役が「この超パーティーで超会議は終わりです、だってすごく赤字なんだもん」と発言。西村博之(ひろゆき)氏が「詳細は出てないけど、だいたい4億円の赤字」と付け足すと、そこに川上氏が「でも一応、来年も会場を予約してるんですよね」とポロリ。会場から大喝采が上がり、ネットの生放送でも「まじかwwwww」と驚きのコメントが流れていた。
↑川上会長のポロリに全会場が驚いた!(多分、ドワンゴの社員はもっと驚いた!!)
発表パート2日目のゲストは、何と第85、86代の内閣総理大臣をつとめた森喜朗氏。実はニコ動とのつながりも深く、ほかの政治家や政党に先駆けて'08年12月に公式の“森喜朗チャンネル”を開設。ニコニコ大会議2009-2010全国ツアーでは、金沢会場にゲストとして出演していた。
会場では、夏野氏が「ITを一番最初に推進した内閣の総理大臣」と紹介したことに対して、西村氏が「森さんはITを知らないのに推進した」とツッコミ。森氏は「そんなことないよ。大事なことやるよ、選挙前だから。あんまりいい加減なこといっちゃいけない」と反論していた。ちなみに夏野氏は学生時代に森氏の事務所にかよっていたとのこと。森氏が当時の写真をステージで見せるという予想外の出来事に、夏野氏も焦っていた。
■いきなりMADでスタート MC田村淳をうならせた声まねも
ライブパートの前には、スペシャルMCであるお笑いタレントの田村淳さんが、スーツなのに下はパンツ一丁という謎の格好で登場。「大事な大事な超パーティーのMCに、ズボンを脱いで登場してみた。田村淳ですー」と語りかけ、さらに「盛り上がる準備できてるかー!!」と煽ると、リアルとネットのテンションが一気に跳ね上がっていた。
ちなみにこの後、ユーザー生放送出身のMC、百花繚乱さんに「田村さん」と呼ばれたことがきっかけで、終止、コメントで「田村さん」と書かれる流れが生まれる。手痛い(!?)ニコ厨の歓迎を受けた“田村さん”だが、ネットに呼びかけてコメントが重なって表示される“弾幕”を巻き起こして、気持ちいいと語るなど、ニコ動の魅力を十分に味わっていたようだ。
ここからいよいよライブパートへの突入だ。オープニングムービーとして流れたのはアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の声MAD。主人公の碇シンジが初号機に初めて乗るシーンの映像を使い、その父親・碇ゲンドウ役の立木文彦さんがライブ中の注意やネットチケットの購入を促すという内容だ。ネットの生中継はこのあとのライブパートから有料でチケットを買った人のみが観られるわけだが、立木さんの渋い声質で「ここからはネチケを持っているもののみが観られる世界だ。持ってない者は帰れ、でなければ買え」と促されれば、買わざるを得ない。
ちなみに立木さんは、長年、ニコニコ大会議のオープニングムービーでずっとナレーションを務めてきた人物で、この2日目にも歌い手としてのちに降臨する。まさかのライブでの“公式MAD”という先制パンチで、客席のテンションは上がりまくり。
↑そこからエヴァつながりで、“降臨してみた”枠の高橋洋子さんが登場。『新世紀エヴァンゲリオン 劇場版 シト新生』の主題歌である『魂のルフラン』を力強く歌い上げて大喝采を浴びていた。
↑続けて“演奏してみた”枠にバトンタッチして、さまざまな楽器のスゴ腕プレーヤーがテンポの速い曲をメドレーで演奏していた。まず町屋さんがギターで『ナイト・オブ・ナイツ』の早弾き。
↑てっぺい先生がバイオリンで『チルノのパーフェクトさんすう教室』を演奏。情熱的なアレンジはまさに“プロの犯行”だっ!
↑『千本桜』では、三味線のshamimaruさん、沖縄三味線の530さんから……。
↑物差しを使って音を出す“モノサシスト”ことRAZOさんにつなぐというまさかの展開に。やろうと思えば何でも楽器になるんですね、スゲェ!!
↑ぽんじゅーすさんが音符の形をした電子楽器“オタマトーン”で、BPM240という超スピードの『初音ミクの消失』を見事に演奏したかと思えば……。
↑事務員Gさんがピアノや木琴などを操って『一人で同時に情熱大陸を演奏してみた』をステージで再現。
↑そのまま全員で『情熱大陸』を弾いてる最中に、ニコ生のお騒がせ担当(!?)片桐えりりかさんが突然現れて“素股ギター”をかます。まだライブ開始から30分も経ってないのにこの人数で、このボリュームとは。アツすぎるぞ超パーティー!
↑1日目も出演したGeroさん、鋼兵さんの熱血コンビによる『エアーマンが倒せない』。ダンスユニット“TEAM BLACK STARZ”のキレッキレの踊りが半端ない!!
↑“降臨してみた”の2組目、fripSideは、アニメ『とある科学の超電磁砲』のオープニング曲『Only my railgun』を熱唱。ミュージックビデオに出演していたマギー審司が脳内補完されるのは筆者だけでしょうか。
↑ここから“ラップしてみた”枠にスイッチして、らっぷびとさんとタイツォンさんが『テクノブレイク』を熱唱。
↑“ラップしてみた”枠では、八王子PがDJを担当。
↑バックダンサーは、農萌さん、けいたんさん、あきら様さん、マフィンさん、ムラトミさんの5人。
↑アリレムさんと、はしやんさんによる『あぁあぁあぁああぁあぁああぁ』。
↑ytrさん、loli.comさんの『イカサマライフゲイム』。
↑ラップしてみたの締めは、ill.bellさん、雨天決行さん、AOさんによる『Sweet Devil』。バックダンサーがTEAM BLACK STARZに加えて、にゃんたろProjectと、かなりの大所帯に。スクリーンには、わかむらPがつくった『Sweet Devil』のMMDPVが映し出されていたりして、もうどこ観たらいいのかわからない豪華さ(笑)。
↑続けて“降臨してみた”3人目の、きゃりーぱみゅぱみゅさん。『PONPONPON』と『CANDY CANDY』を熱唱。バックダンサーは“きゃりーキッズ”。ひとりだけ男の子がいることが明かされると、会場やネットから驚きの声が上がっていた。
↑最初のクールダウンにあたるユーザー生放送枠は、バラエティー感にあふれる内容だ。段ボールを頭にかぶった箱人間こと浅井さんは、箱工作の作品を見せびらかしていた。きちんと薬莢が出る銃など、謎のできのよさで、大いにユーザーを楽しませる。
↑ものまね頂上決戦と題したパートでは、じゅん☆じゅんさん、おーくまねこ。さん、ナオキ兄さん、志麻さんという“ニコ生声まね四天王”が、それぞれ持ちネタのメドレーを披露。
↑じゅん☆じゅんさん、おーくまねこ。さん。
↑ナオキ兄さん、志麻さん。
↑ネットのアンケートで最下位だったナオキ兄さんが、okailoveさんにローキックされるという罰ゲームに遭う。「テレビで観る物まね芸人よりすごいじゃん」と淳さんをうならせるほどすごく似ていておもしろい!! このパートだけでも観た価値アリだ。
↑さらにがらっと雰囲気が変わって、ゆうこりんさんが衣袋聖志さんの琴、神永大輔さんの尺八、DJの音をバックに詩吟を歌い上げる。同じユーザー生放送でも、これほどジャンルの違う才能が集まっているのかと、この流れに驚きを隠せない。
↑“ゲーム実況”枠は、演出がおもしろい。センターステージでイス取りゲームをやったうえ、負けた2人がテレビゲームで対戦。さらに負けると罰ゲームを受けるという流れだ。
↑出演者は、“最終兵器俺達”のメンバー4人、ドグマ風見さん、せんとすさん、ガッチマンさんという7人。ゲーム実況は実は女子人気が高く、特に最終兵器俺達に対してファンからの黄色い声援が飛んでいた。
再び音楽に戻って、東方Projectのパートだ。東方Projectは、ZUN氏の同人サークル“上海アリス幻樂団”が生み出したシューティングゲームがオリジナルで、別のサークルによってイラストやマンガ、CD、グッズといった“同人の同人”が数多く生み出されている。気軽に作品を観てもらえるニコ動が登場してからその勢いが加速。ニコ動内では、ボーカロイドやアイドルマスターと並んで“御三家”と呼ばれるほどの人気を確立した。
↑最初は『【邦楽Bad Apple!!】傷林果』。佳館杏ノ助さんをボーカルに、三味線や尺八などの和楽器で構成された杵家七三社中が演奏し、沢村菊乃助が舞うという和のステージを実現していた。
↑左が佳館杏ノ助さん。右の三味線の杵家七三さんは、何と50代。「この年でこの舞台に立つとは思わなかった」と話す一方で、「BBAはやめてください」と自分の動画の視聴者に釘を刺していたのがお茶目。
↑そこからはSilverForestにバトンタッチして『sweet little sister』と『ケロ(9)destiny』。途中から恐怖。さん、kuu.さんの2人が踊り手として登場。
↑さらにmiko&IOSYSの『チルノのパーフェクトさんすう教室』。生放送ではそこまで聞こえなかったが、会場では全体から野太い大きな声で沸き上がる「バーカ!バーカ!」の合いの手がすごかった! 恐怖。さん、kuu.さんの踊りも映える。
↑『レッツゴー!陰陽師』と並んで、ニコ動初期にはやった『魔理沙は大変なものを盗んでいきました』もしっかり押さえております。
↑まだまだ東方のターンは終わらない!! タイツォンさん&らっぷびとさんの『オーディエンスを沸かす程度の能力』。東方パートはすべて関連動画がニコ動で100万再生を達成している有名曲ばかり。
↑さらにビートまりおさんの『Help me, ERINNNNNN!!』につながる。曲中、かなり長い時間を観客とのコール&レスポンスに割いて、会場もネットもいっしょに「( ゚∀゚)o彡゜えーりん!えーりん!」と叫んで一体感を生み出していた。
↑ビートまりお母&ビートまりおさんによる『林檎華憐歌』。親子の美声で観客を魅了し、生放送では画面がまったく見えなくなるほど「88888888」(拍手の意味)のコメントが投稿されていた。これでようやく前半戦終了って、盛りだくさん過ぎるだろう!!
■全11キャラ 史上最大のボカロライブが実現
後半の最初はボーカロイドMMD枠で、13曲連続で11人のキャラクターが横長の透明ボードに現われて、歌や踊りを披露していた。今までボカロのライブというと、初音ミク/鏡音リン・レン/巡音ルカ/KAITO/MEIKOといったクリプトン・フューチャーメディアのキャラクターしか登場しないのがほとんどだった。今回はそこにインターネットのGUMI/神威がくぽ/Lily/CULが加わり、さらにユーザーが生み出した合成歌声ツール“UTAU”の“重音テト”(かさねてと)まで登場するという、かつてない規模だった。
そのモデルやアニメーションは、すべて樋口M氏の3D作成ツール『MikuMikuDance』(MMD)を使ってユーザーが生み出したものだ。MMDは音楽における初音ミクのように、3DCGがニコ動ではやるきっかけをつくった神ソフトで、ここ1年ほどで急激に知名度を上げてきた。さすがにボカロは御三家のひとつで、ふだんから聴いてる人が多いこともあってか、盛り上がり方が半端ない。会場ではキャラクターが切り替わるたびに驚きの声が上がり、ネットでは各キャラのテーマ色でコメントを打っていた。
↑メーカーの壁を超えて、ボカロキャラが一夜限り(!?)で同じ舞台に立つという奇跡が実現。これ、ほんとうにスゴいことで、会場でも筆者は「うぉー!! マジか!!」と叫びながらなぜかガッツポーズをしてました。
↑途中、GUMIがメンバーを紹介して、自分の名前をみんなに呼んでもらうという演出も入る。
↑ボーカロイドではないが、合成歌声ソフト“UTAU”の“重音テト”までステージに。ボカロファンなら、この夢のステージを観ないという選択肢は考えられない!
↑最後はやっぱり初音ミク。'07年にニコ動の中で初音ミク人気を押し上げた『メルト』と、'11年にGoogleのテレビCMで使われて一般にそのムーブメントを知らしめた『Tell Your World』という記念すべき2曲を続けて歌い上げる。古参のボカロファンなら心をつかまれた瞬間だろう。最後に全員が並んで、深々とお辞儀をしてステージの奥に消えていった。
2度目のクールダウンは、“降臨してみた”枠から兄貴ことビリー・へリントンの登場だ。昼間の超会議でも、ユーザーから募集した20名ほどの隊員を連れて会場を練り歩く“ビリークルーズ”を敢行して、大混乱をもたらしていたビリー。
↑会場を左右に分けて「歪みねぇな!」とコールさせたり、お客をセンターステージに上げてスパンキング(お尻ペンペンですな)したりとフリーダムな振る舞いで、まったく休ませてくれない。
↑ニコニコ技術部枠では、人の動きを拡張するスーツ“スケルトニクス”が登場。舞台で手を広げて威嚇する姿を見せて、観客の驚きと笑いを誘う。
↑降臨してみたに戻り、向谷実さんが“ミノロイド1号”と名付けたボーカロイドキーボードを操り、世界初というライブ演奏に挑む。ボーカロイドを開発したヤマハの試作品で、左手で16個のボタンを押して歌詞を、右手で音程を入力して、歌声合成できるハードウェアだ。
↑続けてエンターテインメント枠で、ニッポン放送の吉田尚記アナウンサーが“十三代目冷奴”としてセンターステージに上がり、落語『マギカ調べ』を演じる。落語の古典『大工調べ』とアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』の話を掛け合わせた二次創作で、映像化したものが超会議の専用ブースでも流れていた。吉田さんのしゃべりのうまさに引き込まれ、会場は大きな笑いに包まれる。
■ラストに向けてガチで魅せます 最後はみんなで『粉雪』
再び音楽のパートに戻って、ラストまで一気に駆け抜ける。PE'Zや東京事変のキーボーディストとして活躍するH ZETT Mさんに、まらしぃさん、紅い流星さんという“演奏してみた”出身の2人が加わって、アニソンメドレーを演奏。
↑“降臨してみた”では、柴咲コウさん、ボーカロイドPのDeco*27さん、DJのTeddyLoidさんによるユニット“galaxias!”が、踊り手ユニットのDANCEROIDとともに『galaxias!』を披露していた。
↑ボーカロイドPのOSTER projectと、踊ってみたのにゃんたろProjectの“Wプロジェクト”による『狐ノ嫁入リ』。
↑歌う絵師こと“秋赤音”さんによる『ローリンガール』。踊り手は、みうめさん、先生さんで、演奏に[Mint]が入る。顔出ししないように大きな紙の幕をステージ中央に立てて、裏からライトを当ててシルエット状態で熱唱。最後に幕を突き破って、お面で出てきた。
↑『神曲』を歌うのは、Da-littleさん、halyosyさん、白服さんの3人。バックダンサーは、あぷりこっと*さん、暴徒さん、めろちんさん、まころんさんの4人。
↑Geroさんが歌う『シザーハンズ』に、みうめさん、気まぐれプリンスさんの“踊ってみた”。
↑人気の歌い手5人が組んだユニット“√5”(ルートファイブ)による『MERRY GO ROUND』。ここまで当然、女子の声援がスゴいわけです。なんだかんだ言っても、イケメン&イケボが強いのは仕方がない!!
↑Da-littleさんが歌う『Fire◎Flower』では、踊り手が上半身裸でUO(ウルトラオレンジ)のケミカルライトを持ちステージでオタ芸を打っていた。花火をテーマにした歌詞に合わせて、生放送のコメントがメインスクリーンに花火のように打ち上がる。
↑このへんからいよいよラストスパート!! 降臨してみたのLiaさんが登場し、ニコ動でも国家と呼ばれている『鳥の詩』で美声を存分に見せつける。
↑エンディング前では、冒頭の公式MADで声を当てた立木文彦さんが登場して、きわどい歌詞の『脱げばいいってもんじゃない』を熱唱。「大御所にそんな歌詞いわせて大丈夫なんですかっ!!」とちょっとハラハラしてしまったのは秘密だ。
↑エンディングは、メインステージに出演者全員が上がって、ニコ動でも非常に人気が高いダンスナンバー『女々しくて』を歌って踊りまくる。2日間MCをつとめていた百花繚乱さんも含めて、ワンフレーズごとに歌い手が切り替わるというめまぐるしい展開だ。
↑メインステージの上下段に出演者が並んだ様は圧倒的!
↑終了後、淳さんの「まだ帰れないだろ」というかけ声でアンコールが起こり、たかびさんが登場。アコギ弾き語りで『時報を歌にしてみたら原形がなくなった的な感じ風のノリみたいなアレ』をしっとりと歌い上げる。楽しかったこの2日間の宴も、もうすぐ終わり……。楽しかった体験が思い起こされて、心がちょっと締め付けられる。
↑そのままニコ動初期に大流行した『思い出はおっくせんまん』になだれこむ。しかも、psychoさんがアレンジしたメタルバージョン!!! 古参ユーザーなら「おおおおおおお」と思わず叫んでしまったはず。
↑アンコール3曲目、正真正銘ラストの前には、ニコ動の運営とエンジニアがステージに呼び込まれた。
↑代表してニコ動の中野真運営長が「素晴らしいユーザーと、素晴らしい仲間に囲われて本当に幸せだと思います。今日のニコニコ超会議とニコニコ超パーティーの成功を糧にして、いちから原点回帰ということでがんばっていきたい」と熱弁。「なのでみんなもいっしょに合唱できる曲が原点にあると思ったので、それをいっしょに歌いましょう」と、全員でレミオロメンの『粉雪』を歌い始める。
↑「なぜ『粉雪』?」と思われる方もいるかもしれないが、実はこちらもニコ動初期に大流行した曲で、「こなああああああゆきいいいいいい」のコメントが弾幕で流れるのが定番だ。
↑途中、超パーティーのあべちゃんプロデューサーが号泣しながら「ニコニコ動画が好きです、ユーザーのみなさんが好きです、これからもいっしょにニコニコしてくれますか」と呼びかける。大合唱でネットと会場、ステージ、そして運営が一体になったことを実感して、2日間に渡るお祭りに終止符が打たれた。
超パーティーでは、カオスな空間をつくりたい──。そう語っていたあべちゃんの言葉どおり、さまざまなカテゴリーを同じ舞台に上げて混ぜることで、ほかのイベントでは得難い空気が醸成されていた。特にエンタメパートの多くは、ニコ動をまったく知らない人が観ても楽しめるという仕上がりだ(ビリーなどの例外はあるものの)。
もしかしたらブースを自分で観に行かなければ何があるかわからない超会議より、強制的にニコ動のほぼすべてを観ることになる超パーティーのほうが、タコツボを抜け出して、カテゴリーの壁を越える気になったかもしれない。
次は7月29日、鳥取県の八頭町から始まる“ニコニコ町会議”だ。お近くにお住まいの方は、ニコ動を媒介に着実にファンを増やしつつあるエンターテインメントをぜひ自分の肌で体験してほしい。
■セットリスト
カテゴリー | 演目 | 出演者 | |
---|---|---|---|
1 | 発表パート | 川上量生、夏野剛、西村博之 | |
2 | スペシャルゲスト、MC | 森喜朗、田村淳 | |
3 | OpeningMovie | 超エヴァンゲリオン | 立木文彦 |
4 | 降臨してみた | 魂のルフラン | 高橋洋子 |
5 | 演奏してみた | ナイト・オブ・ナイツ | 町屋(ギター)、超バンド |
6 | チルノのパーフェクトさんすう教室 | てっぺい先生(バイオリン)、超バンド | |
7 | 千本桜 | shamimaru(三味線)、530(沖縄三味線)、RAZO(モノサシ)、超バンド | |
8 | 初音ミクの消失 | ぽんじゅーす(オタマトーン)、超バンド | |
9 | 情熱大陸 | 事務員G(ピアノ)、RAZO(モノサシスト)、片桐えりりか(ギター)、てっぺい先生(バイオリン)shamimaru(三味線)、530(沖縄三味線)、ぽんじゅーす(オタマトーン)、町屋(ギター)、超バンド | |
10 | 歌ってみた | エアーマンが倒せない | Gero、鋼兵、TEAM BLACK STARZ、箱バンド |
11 | 降臨してみた | Only my railgun | fripSide |
12 | ラップしてみた | テクノブレイク | らっぷびと、タイツォン、農萌、けいたん、あきら様、マフィン、ムラトミ、八王子P |
13 | あぁあぁあぁああぁあぁああぁ | アリレム、はしやん、八王子P | |
14 | イカサマライフゲイム | ytr、loli.com、八王子P | |
15 | Swee Devil | lill.bell、雨天決行、AO、にゃんたろProject、TEAM BLACK STARZ、八王子P | |
16 | 降臨してみた | PONPONPON | きゃりーぱみゅぱみゅ、キッズダンサー |
17 | CANDY CANDY | ||
18 | ユーザー生放送 | ダンボール工作 | 浅井さん |
19 | ものまね頂上決定戦 | じゅん☆じゅん、おおくまねこ。、ナオキ兄さん、志麻 | |
20 | 詩吟~華風月~ | ゆうこりん、神永大輔、衣袋聖志、浅井さん、DJ | |
21 | ゲーム実況 | ぷよぷよ!!20th anniversary | 最終兵器俺達、ドグマ風見、せんとす、ガッチマン |
22 | ダウンタウン熱血行進曲 | ||
23 | 東方Project | Bad Apple!! | 杵家七三社中、藤山晃太郎、沢村菊乃助@枕屋、佳館杏ノ助 |
24 | sweet little sister | SilverForest | |
25 | ケロ⑨destiny | SilverForest、恐怖。、kuu. | |
26 | チルノのパーフェクトさんすう教室 | miko&IOSYS、恐怖。、kuu. | |
27 | 魔理沙は大変なものを盗んでいきました | miko&IOSYS | |
28 | オーディエンスを沸かす程度の能力 | タイツォン、らっぷびと、踊り手 | |
29 | Help me, ERINNNNNN!! | ビートまりお(COOL&CREATE) | |
30 | 林檎華憐歌 | ビートまりお母、ビートまりお(COOL&CREATE) | |
31 | VOCALOID MMDライブ | Alice in Musicland | 初音ミク、鏡音レン、鏡音リン、巡音ルカ、MEIKO、KAITO、超バンド |
32 | Bad ∞ End ∞ Night | 初音ミク、鏡音リン、鏡音レン、巡音ルカ、MEIKO、KAITO、神威がくぽ、GUMI、超バンド | |
33 | メグメグ★ファイヤーエンドレスナイト | GUMI、神威がくぽ、Lily、超バンド | |
34 | リリリリ★バーニングナイト | Lily、GUMI、神威がくぽ、超バンド | |
35 | ルカルカ★ナイトフィーバー | 巡音ルカ、鏡音リン、鏡音レン、初音ミク、超バンド | |
36 | ダンシング☆サムライ | 神威がくぽ、超バンド | |
37 | ぽっぴっぽー | 初音ミク、超バンド | |
38 | おちゃめ機能 | 重音テト、超バンド | |
39 | 東京テディベア | 鏡音リン、鏡音レン、超バンド | |
40 | パンダヒーロー | GUMI、Lily、超バンド | |
41 | ポーカーフェイス | GUMI、神威がくぽ、Lily、CUL、超バンド | |
42 | メルト | 初音ミク、鏡音リン、鏡音レン、巡音ルカ、MEIKO、KAITO、超バンド | |
43 | Tell Your World | 初音ミク、超バンド | |
44 | 降臨してみた | ビリー・ヘリントン | ビリー・ヘリントン、齋藤P(通訳)、BIG JUN(ボディーガード) |
45 | ニコニコ技術部 | スケルトニクス | スケルトニクス製作委員会 |
46 | 降臨してみた | ボーカロイドリアルプレイキーボード | 向谷実 |
47 | エンターテインメント | 落語:マギカ調べ | 十三代目冷奴(ニッポン放送アナウンサー 吉田尚記) |
48 | 演奏してみた | キーボードアニソンメドレー | H ZETT M/まらしぃ/紅い流星 |
49 | 降臨してみた&踊ってみた | galaxias! | galaxias!(柴咲コウ+Deco*27+TeddyLoid)、DANCEROID |
50 | 歌ってみた&踊ってみた | 狐ノ嫁入リ | にゃんたろProject、OSTER project |
51 | ローリンガール | 秋 赤音/みうめ/先生/[Mint] | |
52 | 歌ってみた&踊ってみた&演奏してみた | 神曲 | Da-little、halyosy、白服、あぷりこっと*、暴徒、めろちん、まころん、[Mint] |
53 | シザーハンズ | Gero、みうめ、気まぐれプリンス、[Mint] | |
54 | 歌ってみた&演奏してみた | MERRY GO ROUND | √5/doriko/[Mint] |
55 | 歌ってみた&踊ってみた | Fire◎Flower | Da-little、Shooters |
56 | 降臨してみた | 鳥の詩 | Lia、超バンド |
57 | 脱げばいいってもんじゃない | 立木文彦、超バンド | |
58 | エンディング | 女々しくて | 出演者全員 |
59 | アンコール | 時報を歌にしてみたら原形がなくなった的な感じ風のノリみたいなアレ | たかび(アコギ弾語り) |
60 | 思い出はおっくせんまん | 出演者全員 | |
61 | 粉雪 | 出演者全員、ニコニコ動画運営、Zeroエンジニア、Team Zero |
撮影:上飯坂一、後藤淳、marco
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1,500円
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