“ニコニコ大会議”といえば、ニコ動出身の歌い手や踊り手、演奏者が出演するライブイベント。今年2月に東京のJCBホールで開かれた“ニコニコ大会議2010-2011全国ツアーFINAL ~ありがとう100万人~”では、2日間で5000人を超える観客と、累計28万人ものネット視聴者が集まるほどの盛況ぶりを見せた。そして5月22日、初めての海外イベントとなる“ニコニコ大会議 in 台湾 2011”が開かれる。
リハーサルを見つめるプロデューサーの齋藤P。 |
どういう意図で、どこが見所なのか、プロデューサーの齋藤P氏を直撃して話を聞いたぞ!
── 台湾での開催はいつ決まったんですか?
齋藤P JCBホールでのイベントをやる前に、台湾での開催も決まりました。実は“大会議”というフォーマットのイベントは、この台湾が最後なんですよ。ラストなので、ベストな布陣で有終の美を飾りたい。
── '08年から続けていたのに、これが最後なんですね。
齋藤P 大会議は、もともとはニコ動のサービス発表でした。でも、そのときのニコ動を体現するようなユーザーに出演してもらった方がアピール度が高いという流れも加わって、今のようなライブに発展してきた経緯があります。そのいろいろなニコ動ユーザーが出演するフェス形式のライブもある程度やり尽くしてきたし、出口を用意する起爆剤的な役割も果たしてきたのではと感じています。
ニコニコ動画は常に最先端にいるサービスなので、同じことをずっとやり続けるというのは性質に合わない。だから、今後は大会議を超える何かを考えていければと思います。
── 台湾におけるチケットの売れ具合はどうでした?
齋藤P 1分間で売切れました。大会議のチケットは、今まで日本でも10倍くらいの競争率がありましたけど、あんなに即、販売終了ってことはないですよ(笑)。しかも台湾の物価は日本に比べると3分の1といわれるように安い。その中で、2000台湾ドル(約5800円)のチケットを買ってくれるというのは、かなり期待してくれているんだと感じています。
── 楽曲や出演者の選出に当たって重視したことは?
齋藤P 楽曲的については、「この定番曲がライブで聴きたい!」という期待に応えつつも、いい意味で裏切らなきゃいけない。その辺は、出演者からもリクエストを出してもらってきっちり考えています。出演者に関しては、台湾での人気も考えていますし、ステージに上がるのは日本人だけじゃない。アジアのニコ動ユーザーを集結させようとして、香港から“ほんこーん”さん、韓国から“わたあめ”さん、台湾から5人を呼んでいます。
── 台湾のユーザーに声をかけた反応は?
齋藤P 結構、喜んでくれた人も多かったです。実は台湾のユーザーには、古参の方が多かったりします。今回出演してくれる“がいらく”さんや“委員長”さんは、'07年投稿の「組曲『ニコニコ動画』」を当時から普通に歌ってるレベルだったりしますし。
── そんな時代によくニコ動を見つけてましたね!
齋藤P そうですよね。ほんこーんさんは、香港から台湾の掲示板にアクセスしてニコ動の存在を知ったそうです。台湾の人は日本のアニメやゲームが大好きで、その情報を交換するためにネットサービスを活用しています。その流れでニコ動が知られていったんでしょう。ホールを借り切って“組曲 ニコニコ動画”を歌うって動画もありますし。ちょうど、ハリウッドの映画や洋楽が好きな日本人が、集まってオフ会をするような感覚なんでしょうか。
── 日本の大会議とは違う、現地向けの特殊な演出はありますか?
齋藤P いろいろ考えてます。ただ、台湾のユーザーは、日本のニコ動をそのまま受け入れてくれている傾向です。コンテンツに限らず、日本のものを海外で展開する際にはローカライズすることも多いですが、ニコ動の台湾に関してはそのままでもいいところが大きい。だから、変に現地向けに加工した演出は入れたりはしません。
── 最後に日本のユーザーに向けて「ここに注目!」という部分をアピールしてください。
齋藤P 日本でつくられたボカロ曲や人気ユーザーさんを、台湾のお客さんがどれくらいの熱狂で受け入れてくれるのか、ぜひ見ていてください。やっぱり同じ日本人として、そういうシチュエーションを見るのは嬉しいですよね。
それに今回の東日本大震災でも、台湾では桁違いの募金が集まっています。それだけそれだけ日本のことを友人として心配してくれていたという。この好意に対して「ありがとう」と言いに行くという意味合いもあると思っています。台湾の人がどれくらい親日なのか、ぜひネット越しに体感してみてください!
台湾の大会議は日本でも1500ポイント(1500円)のネットチケットで視聴できる。ニコ動初の海外イベントがどこまで盛り上がるのか、ぜひ自分の目で確かめてみよう!
(※2011年5月21日23:00追記:日本でのチケット価格を当初500ポイントとしておりましたが、1500ポイントの誤りです。お詫びして訂正いたします)
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