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軍艦島のGoogleストリートビューどうやって撮影している?

2013年07月28日 14時30分更新

文● 広田稔 編集●菊地等

 ネットで話題のサービスや事件、ツイートしている中の人を直撃する週アスの好評連載『中の人特捜部』──今回はGoogleストリートビューに注目。最近では軍艦島や富士山など、撮影に骨が折れそうなエリアへも積極的に足を踏み入れている。実際、撮影ではどんな苦労があるのか。

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軍艦島を散策できることに海外からも喜びの声

 軍艦島といえば、廃墟好きなら知らない人はない“聖地”のひとつ。20世紀の中盤までは炭鉱町として栄え、人口が5000人を超え、世界一の人口密度といわれた島だ。だが、原油輸入の自由化に押されて'74年に閉山。同年、住民全員が離島し、ずっと無人島状態にあった。

 6月28日、グーグルはその軍艦島のストリートビューを公開。一般ツアーで入れない場所を収めていたこともあり、公開直後からネットで注目を集め、ツイッターでも「見はじめると仕事が中断してしまうので要注意」、「ほかのゲームなんか当分する気ないくらい楽しい」と絶賛の声が広がった。

新機材“トレッカー”がストリートビュー撮影で活躍

 軍艦島での撮影のようすをうかがうべく、グーグルストリートビューのプログラムマネージャー、大倉若葉さんをたずねると、「軍艦島の撮影については、長崎市から、デジタルアーカイブすることは意義があると許可をいただき、撮影当日、市の方も同行して、2時間ほど撮影した」とのこと。その撮影で活躍したのが、“トレッカー”と呼ばれるカメラ機材だ。人が背負って一定の速度で歩いていると、頭上のカメラが2.5秒ごとに周囲の風景を撮影し続けるという。

 日本では今年に入ってからトレッカーの運用を始め、4月に屋久島、6月に鳥取砂丘のストリートビューを公開。さらに6月28日からは軍艦島を、7月23日からは富士山も公開している。

 

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Googleストリートビュー プログラムマネージャー
大倉若葉さん(左写真)。
大倉さんは、屋久島(右写真)のストリートビュー撮影時にも同行した。

 

●軍艦島に上陸した“トレッカー”!

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 上部の球体に組み込まれた15個のレンズで360度を撮影。Android端末で操作し、撮影者が歩くと2.5秒ごとに撮影を繰り返す。

 トレッカーの重さは18キロほどで、上部にカメラが付いているのでバランスをとるのが難しい。さらに、ストリートビューに適した素材を撮るためには、カメラを傾けないように姿勢を正して歩く必要がある。実際にトレッカーをかついで撮影を担当した人たちによれば、「軍艦島では海際を歩くときバランスをとるのに苦労し、屋久島では低い位置にある枝に出くわしたとき腰を落として歩くのが大変だった」という。

 

●軍艦島の海際も歩いて撮影してみた

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 軍艦島の北東部ではトレッカーをかつぎ、海際ギリギリを歩いて撮影。少しでもバランスを崩したら海へドボン!? 大変な撮影だ。

 

●屋内撮影には“おみせふぉと”技術を駆使

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 軍艦島では建物内を歩くことも可能だが、トレッカーはGPSで現在位置を拾いながら撮影しているため、屋外でこそ機能が生きる。そのため屋内では、魚眼レンズを付けた一眼レフを90度ずつ回して撮る“おみせフォト”技術を利用している。

 

●YouTube『軍艦島をストリートビュー』 メイキングビデオ(関連サイト)

 

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