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次世代の最強ゲーミングノートPCを検証

ノートPC向けGeForce RTX 4090の実力を検証!Razer Blade 16レビュー

2023年02月07日 23時00分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集● ジサトラユージ/ASCII

RTX 4090 Laptop GPUのゲーム性能はいかほどか?

 今回のレビューでは、時間の制約もありRazer Blade 16と比較する機材を設けず、シンプルに「Razer Blade 16ではこういった性能が出た」という感じでレポートしていきたい。Razer以外のメーカーからもRTX 4090 Laptop GPUを搭載したノートと比較したいという方は、以下に示す解像度WQHDのデータを中心に見るとよいだろう。

 ゲームを使ったベンチマークでの解像度はフルHD/WQHD/UHD+の3パターンでテストしているが、4KではなくUHD+な理由は仕様上の制約(ゲーム側の解像度設定で16:9の4Kは選択できなかった)によるものだ。

ここから先の検証においては、Sypapse上でCPUとGPUの動作モードを「ブースト」および「高」に設定している。「HWiNFO Pro」によると、この状態でのCPUのPL1は110W、PL2は130Wとなる

 まず実ゲーム検証の前に「3DMark」を試しておこう。

3DMark:スコアー

 比較対象がないと困るという方は、デスクトップPC用Core i9-13900K+RTX 4080 FEのレビュー(https://ascii.jp/elem/000/004/113/4113139/2/)と比較してみるとよいだろう。電力制限が厳しいノートだけあって、概ねデスクトップPCの75%程度の性能といったところ。

 ノートPCはデスクトップPCを超えられないのは残念と考えるかもしれないが、360mmAIO水冷や巨大クーラー等を備えたビデオカードで構成された自作PCの3/4程度の性能が、重さ約2.5kgのノートPCに凝縮されていると考えたら評価は変わってくるはずだ。

 ここからは実ゲーム検証といこう。まずは軽めの「Overwatch 2」で試してみよう。画質“エピック”、レンダースケール100%+フレームレート上限600fps、さらにFSR 1はオフに設定。マップ“Eichenwalde”におけるBotマッチを観戦中のフレームレートを計測した。

Overwatch 2:解像度別のフレームレート

 今回のようなゲーミングノートPCではPower Limit制限などでフレームレートが落ち込みやすい。いつものように最低フレームレート(正確には下位1%以下の平均値)だけだと“どの程度落ち込むのか”が把握しにくくなる。そこで今回は、最低と平均フレームレートの他に下位5%点の値もグラフに追加した。Razer Blade 16の場合フルHDの下位5%(5パーセンタイル)点が○○fpsとなっているが、言い換えればベンチマーク中のフレームレートの95%は、この5%点より高いフレームレートを出しているという意味になる。

 続いては「Forza Horizon 5」だ。画質“エクストリーム”、MSAAはx2に設定するが、DLSS SR(Super Resolution:従来のDLSS)の“パフォーマンス”設定での結果もチェックする。ゲーム内ベンチマーク再生中のフレームレートを計測した。ここから先は解像度別にグラフをまとめている。

Forza Horizon 5:1920x1080ドット時のフレームレート

Forza Horizon 5:2560x1440ドット時のフレームレート

Forza Horizon 5:3840x2160ドット時のフレームレート

 面白いことにForza Horizon 5ではDLSS SRを使った方がフレームレートが落ちるケースが見られた。DLSS SRでフレームレートが伸びるのはUHD+解像度時のみ、という点に注目したい。以前の検証でもForza Horizon 5のDLSSは効果が薄いことは把握していたが、Razer Blade 16のような環境ではDLSSが逆効果になることもあるようだ。

 続いては先日DLSS FGに正式対応した「Cyberpunk 2077」で試す。群衆密度は最高、画質は“レイトレーシング:ウルトラ”としたうえで“ネイティブでは”DLSSをオフに設定。DLSS SRは“パフォーマンス”設定とした(以降同様)。ゲーム内ベンチマーク再生中のフレームレートを計測した。

Cyberpunk 2077:1920x1080ドット時のフレームレート

Cyberpunk 2077:2560x1440ドット時のフレームレート

Cyberpunk 2077:3840x2160ドット時のフレームレート

 DLSS FGの威力が高いことはデスクトップ向けRTX 40シリーズのレビューで散々見てきたことだが、PC向けRTX 40シリーズにおいても、DLSS FGはフレームレート向上に絶大な威力を発揮する。

 ネイティブ解像度によるレンダリングではフルHDでようやく平均60fps、WQHDでは60fpsを大きく割り込む状態だが、DLSS SR+FGの組み合わせになるとフルHDでは約2倍、WQHDで約3倍、UHD+では約4倍(いずれもネイティブ基準)と劇的に上昇する。流石にUHD+だと60fpsキープが難しいが、WQHDならRazer Blade 16に搭載されているデュアルモード液晶のポテンシャルを十分に利用できるだろう。

 続く「F1 22」では画質“超高”をベースに異方性フィルタリング16x、アンチエイリアス“TAA+FidelityFX”もしくはDLSS“パフォーマンス”に設定。ゲーム内ベンチマーク(条件は“モナコ”+“ウエット”)再生中のフレームレートを計測した。

F1 22:1920x1080ドット時のフレームレート

F1 22:2560x1440ドット時のフレームレート

F1 22:3840x2160ドット時のフレームレート

 このゲームもDLSS FGの効果が感じられるが、Forza Horizon 5と同様に単なるDLSS SRでは逆効果になり得ることが確認できた。入力解像度が低すぎてTensorコア側がボトルネックになっている可能性が考えられる。ただ、WQHDより上だとDLSS SRも十分な効果を発揮する。だがRazer Blade 16でDLSSを使うなら、DLSS FGも併用した方が良いことは言うまでもない。

 WQHDならDLSS SRだけを使った時よりも約2倍のフレームレートが期待できる。UHD+だと伸びは急激に悪くなるが、それでも平均110fps弱と高フレームレートでプレイは可能だ。デスクトップ向けのRTX 4080等と比べると電力や熱の制限があるぶん、最低フレームレートの落ち込みは激しいが、下位5%点のフレームレートが示す通り、DLSS SRやFGを利用することで大半のフレームは高速に処理できているようだ。

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