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iPadOS 16は設定変更で劇的に機能が変化する(ただしiPad ProとiPad Airに限る)

画面上部の3つのドットをタップして、Split ViewやSlide Overを呼び出せる

従来のSplit ViewやSlide Overより扱いやすいのも美点

 従来のSplit ViewやSlide Overの欠点は、その機能が分かりにくかったことだろう。

 iPadOS 15からは、中央上部に3つのドットが現われ、そこをタップするとこれらの機能が使えるようになったので、まだマシだったが、それでも使いやすい機能とはいえなかった。マルチタスク機能は、かなりiPadを使いこなしている人しか使わない機能だった。しかし、新しいステージマネージャ機能は、コーナー部分を掴んで操作できるので、かなり使い勝手がよくなっている。

 従来のSplit Viewのように半々に分割することも、Slide OverのようにiPhoneと同様に少しシンプルになった画面を表示したりすることもできる。いわばSplit ViewとSlide Overの正常進化だ。

 Macに詳しい方はご存じかもしれないが、今年秋ローンチのmacOS VenturaからMacにも同名のステージマネージャという機能が搭載されている(こちらもオンにしないと動作しない)。

似ているようで、使い勝手が違う、Mac版のステージマネージャ

 この機能が似ているようで、iPadのステージマネージャと少しインターフェイスが違うところがややこしいが、同名の機能をiPadとMacに搭載してきたということは、いずれ両者が融合していくことを示唆しているのかもしれない。

 しかし、現時点では若干インターフェイスが違うことで、かえって混乱を呼びそうだという最終判断になったのだろう。iPadでもMacでも、ステージマネージャの機能はオプションとなっており、デフォルトでは動作しないようになっているということにもアップルの迷いが表われているように思う。

利用できるのは、2018年以降のProと、最新のAirのみ

 この機能、ごく一部のiPadでは、年内にさらにアップデートする。追加される機能は、ステージマネージャの外部ディスプレイのサポートだ。

外部ディスプレイを接続すると、各画面4つ、合計8つのアプリを動作させられる。大画面ではマルチタスクも扱いやすい

 夏にパブリックベータで試したところでは、本体と外部ディスプレイそれぞれに4つのアプリ、つまり合計8つのアプリが動作する。

 素晴らしいことに、外部ディスプレイは、その外部ディスプレイなりの解像度で動作するので、iPadではじめて非常に高い解像度でアプリを扱うことができる。

 細かいメニューを同時に表示することができるし、グラフィックも高解像度で表示できるので、非常に作業性がいい。こうなってくると、Macがなくてもできる作業がさらに増えるし、いよいよiPadだけで仕事ができるという人も増えてくることだろう。クリップスタジオなどメニューの細かいアプリが対応すれば、非常に利便性が高いに違いない。また、複数アプリを使っていても、画面が広ければ利便性は段違いだ。

 ちょっと試してみたが、衝撃的な作業性の高さだった。

 しかしながら、この機能を使えるiPadはさらに限られており、現在のところM1もしくはM2プロセッサー搭載モデルのみと報じられている。Mシリーズのプロセッサーはそもそも、無制限にアプリを立上げることができるMacで使われているのだから、8つぐらいのアプリを動作させられるのは当然ともいえるが。

 ステージマネージャで外部ディスプレイを活用するには、キーボードとマウス、またはトラックパッドの接続が必須となっている。外部ディスプレイ側はマルチタッチ操作ができないのだから当然ことだが、使ってみるとやはり少々混乱する。iPad側はマルチタッチ操作も可能なので、つい外部ディスプレイも触って操作しようとしてしまうのだ。

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