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匂わせありのアップルイベント雑感、最後の映像は次回への前振り!?(柴田文彦)

2022年09月11日 12時00分更新

Dynamic Islandは全モデル標準にして欲しい

 今回のiPhone 14シリーズに導入された機能の中で、いちばん気になったのは、やはりDynamic Islandだ。他社製品で標準的なパンチホールを横長にしたようなものだが、その部分の画像の「欠け」を逆手に取って、通知などの表示を最小化した状態のように見せかける。そして通知を拡大表示する際には、その額縁となってしまう(1:12:02)。これは、実にアップルらしい卓越したアイディアだと感じた。ちょっとデモを見ただけで、これはこうあるべき、どうして今までこうじゃなかったんだろう、と思わせるものだ。

 それだけに、これがProモデルにだけ限定的に採用されたのは残念だ。今回の14シリーズはもちろん、今後登場するiPhone全モデルに採用すべきものだろう。そうすれば、iPhoneの強烈なアイデンティティの1つとして認知されるに違いない。

 筆者としては、これを採用したminiが登場すれば、すぐにでも乗り換えたいところだが、もはやそれはかなわぬ望みとなってしまったようだ。実は、持ち歩くにはminiでも大きい(というより重い)と感じているくらいなのだが、もちろん大画面の使いやすさもわかっている。だったら逆にPlusでもいいかもしれない。いずれにしても、Dynamic IslandがスタンダードなiPhoneに採用される日を待つことにしよう。来年だろうか?

捨て置けない最後の謎

 正直に言うと、今回のイベントの配信でいちばん気になったのは、製品とは直接関係ないように見える部分だった。その映像は最後の最後、ティム・クックによるまとめのスピーチが終わって、アップルのロゴをバックにエンディングテーマが流れ始め、時間で言うと1:34:09から唐突に現れるシーンだ。地下鉄の駅に停まった電車のドアの横で、女性がドアの開くのを待っている。わずか4秒ほどのシーンだが、電車は停まったままドアは開かない。その間、中に座っている人の体はわずかに動き、外の女性はまばたきを3回する。そのシーンの後半では映像が乱れ、そのまま終わってしまう。

 何も意味のないシーンを、こんなところに埋め込むわけがないし、ましてや編集作業中の事故でもないだろう。これはいったい何を暗示しているのか。それが解明される日は、果たしてやってくるのだろうか。

 

筆者紹介――柴田文彦
 自称エンジニアリングライター。大学時代にApple IIに感化され、パソコンに目覚める。在学中から月刊ASCII誌などに自作プログラムの解説記事を書き始める。就職後は、カラーレーザープリンターなどの研究、技術開発に従事。退社後は、Macを中心としたパソコンの技術解説記事や書籍を執筆するライターとして活動。近著に『6502とApple II システムROMの秘密』(ラトルズ)などがある。時折、テレビ番組「開運!なんでも鑑定団」の鑑定士として、コンピューターや電子機器関連品の鑑定、解説を担当している。

 
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