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DDR5メモリやPCI Express 5.0といった次世代インターフェースに対応しつつ、実売3万円台半ば

Intel第12世代Core自作でゲーミングだけでなく、映像編集にもおすすめのZ690搭載マザーボード、MSI「MAG Z690 TOMAHAWK WIFI」

2021年12月25日 11時00分更新

十分なフェーズ数で大型ヒートシンクがVRMの熱をキッチリ冷やす

ヒートシンクを外したMOSFETとチョーク部

 続いてはCPU電源回路部分を見ていこう。ミドルレンジモデルであるが、長時間プレイが想定されるゲーミングモデルだけにリッチな設計だ。まずCPU電源端子は8ピン×2基。ミドルレンジでは8+4ピンとするものが多かったが、MAG Z690 TOMAHAWK WIFIはより多くの電力を供給できることに加え、負荷も分散できるので安定性向上や発熱抑制が実現できる。

CPU電源端子はEPS12V×2

 フェーズ構成は16+1(GT)+1(AUX)。PWMコントローラとMOSFETの組み合わせは米Monolithic Power Systems製。PWMコントローラチップが「MP2960」、MOSFETが「MP87992」70A対応Smart Power Stageとされる。

PWMコントローラは米Monolithic Power Systemsの「MP2960」

MOSFETは同「MP87992」。最大70A対応のSmart Power Stage

 駆動方式はDuet Rail power systemだ。MSIのマザーボードで、PWMコントローラの1チャンネルあたり2つのMOSFETを接続する方式としてはMirrored Power Arrangement(フェーズダブラーを用いる)、Duet Rail power system(フェーズダブラーを用いない)という2つがあった。従来までは前者をより上位のモデルに採用していたが、少し前のモデルからはより効率が上がったDuet Rail power systemを上位モデルで採用するようになっている。それがMAGグレードまで降りてきた格好だ。もっとも、第12世代Coreでさらに電力要求が高くなり、最上位のMEGグレードだけでなくMPGグレードでも1チャンネル対1 MOSFETのダイレクト駆動を採用するようになったということもある。裏事情はあるにせよ、従来よりも一段効率がよい方式がMAG Z690 TOMAHAWK WIFIにも採用されているという点は安心材料だろう。

Core i5-12600Kと合わせてVRM設計&ヒートシンクの性能を検証

 ここでひとつ、MAG Z690 TOMAHAWK WIFIのVRM設計やVRMヒートシンクの動作を見てみよう。MAG Z690 TOMAHAWK WIFIをベースに検証環境を組み、ベンチマークで負荷をかけてVRM温度やCPUクロックのログを取得した。利用したベンチマークはCPUに負荷をかけるCINEBENCH R23で、マルチスレッドのMulti Coreテストを利用した。計測は10分間だ。

CINEBENCH R23単体テストのスコア。Multiが17493でSingleは1902

 組み合わせるCPUは「Core i5-12600K」。第12世代CoreでもコストパフォーマンスのよいCPUだ。従来のTDPに相当するProcessor Base Powerは125Wだが、Turbo Boost時のMaximum Turbo Power(MTP)は150Wとされる。MTPの値としては上位のCore i9-12900Kなどと比べればマイルドだ。また、CPUクーラーはMSI「MEG CORELIQUID S280」を利用している。28cmクラスのラジエータを搭載する簡易水冷モデルであり、ヘッド&ポンプ部に2.4インチディスプレイ、その内部に小型のファンを搭載しているのが特徴だ。バラック状態での検証なので、ケースファンはなく基本的にVRMの放熱は自然対流とこの小径ファンに頼ることになる。

 ではグラフを見てみよう。CPUパッケージ消費電力はMTPよりもやや低い130W前後で推移しているが、MOSFET温度は32.5℃でスタートし上昇を続け、10分後、最終的に45℃が最大だった。45℃という半導体の寿命や効率的になんら問題ない温度までしか上がらなかったことに加え、負荷が抜けた後、すみやかに冷えていくこともグラフから読み取れる。実際の運用では、ケースという熱がこもりやすい条件ではあるが、ケースファンによるエアフローが冷却の助けになると思われる。およそ60℃までに収まれば問題ないだろう。

 Core i5-12600Kは、現時点でコスパのよい第12世代Coreだ。実売価格が4万円前後であり、MAG Z690 TOMAHAWK WIFIも実売3万6,000円前後であるため、合わせても7万円台に収まる。DDR5メモリの入手が12月現在まだ少しムズカシイところがあるが、8GB×2枚なら2万円強に収まるようだ。合わせて10万円以内。そのほかのパーツ、SSDやビデオカード、電源などを流用できる方ならこの予算で第12世代Core環境へと移行できるわけだ。

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