第359回
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第12世代Coreはゲーム最強!? 12900K/12700K/12600Kのゲーミング&クリエイティブ性能を徹底検証
Game Kingの座も奪還か!?
第12世代Coreの性能を徹底的に検証する
2種類の性質の異なるコアを混ぜるハイブリッドデザインを、メインストリームCPUとして世界で初めて採用したAlder Lake-Sこと第12世代インテルCoreプロセッサー(以下、第12世代Core)。本稿はアーキテクチャーの概要解説やCINEBENCH R23を中心とした性能検証を行った速報記事の続報にあたる。
今回は前回触れられなかったクリエイティブ系アプリやゲームでの性能評価を試みる。前世代まではどちらもコアの処理性能や物理コア数で勝る第4世代Ryzenがインテル製CPUに対して優位を保ってきたジャンルだが、果たして第12世代Coreではどうなるのか? 様々なベンチマークを通じて検証してみた。
コア間レイテンシーは意外に大きい
本題の検証に入る前に、CPUのコア間レイテンシーは第12世代Coreでどのような状態なのか確認しておきたい。第4世代Ryzenの時は「Sandra」の出力を細々とExcelで整えていたが、今回は「MicroBenchX」を使用して計測した。
第4世代RyzenはCCX(ダイ)をまたぐ時にレイテンシーがかなり遅くなることが確認できているが、第12世代CoreのPコアとEコアのレイテンシーはどうだろうか?
まず表の見方だが、縦軸も横軸もコア番号であり、そこから他のコアにアクセスした時のレイテンシーがナノ秒単位で記録されている。Core i9-12900Kの場合、コア0〜コア23となり、同じコア番号同士は計測できないので「X」が入っている。Xの隣のマスで非常に数値が低い場合があるが、これはある物理コアと、ハイパースレッディング(以下、HT)で増えたそのコアの分身(論理コア)とのレイテンシーなので非常に小さくなる。
結果を概観してみると、Pコア-Pコア間は30ナノ秒前後の値が多く、時々40ナノ秒を超えるところもある(当然だがこの値は毎回変動する)。そしてEコア-Eコア間は50ナノ秒前後の非常に大きなレイテンシーとなるが、Core i9-12900Kの場合、コア16〜19同士やコア20〜23同士のレイテンシーは大きいのに、コア16〜19とコア20〜23それぞれの間は40ナノ秒強で収まっている。
第12世代CoreではEコアは4基で1つのクラスターを構成しており、このクラスター内のレイテンシーが大きく、クラスターをまたぐと逆に小さくなる。つまり、Core i9-12900KのEコア間レイテンシーに差があるのはこのためだ。Eコアのクラスターが1つしかないCore i5-12600KやCore i7-12700Kのヒートマップと比較すると構造の違いがよくわかる。
今回テストしたCPU全部に対するコア間レイテンシーも計測したが、全部貼ると冗長になるので、代表的なものだけお見せしよう。
Ryzenはチップレットが1基か2基かで結果の傾向が大きく変わるので2例を提示している。基本的に第4世代Ryzenのコア間レイテンシーは第11/第12世代Core(Pコア)のコア間レイテンシーよりも小さいが、Ryzen 9 5950XのようにCCXをまたぐアクセスになると今度は圧倒的に大きくなる。コア間レイテンシーが性能に直結するわけではないが、CPUの特徴の1つとして知っておくとよいかもしれない。
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