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第12世代Coreのラインアップが大幅拡充

ノートPC向けAlder Lakeは驚愕の14コア/20スレッド!デスクトップPC向けの廉価CPUも登場

2022年01月05日 03時10分更新

 2022年1月5日、インテルはテクノロジー展示会「CES 2022」にて、第12世代インテルCoreプロセッサー(以下、第12世代Core)を含むAlder Lake世代の新CPUを発表した。

 今回発表されたのは、ノートPC向けのHシリーズ、Pシリーズ、Uシリーズ。そしてデスクトップPC向けの、型番末尾にアルファベットのつかない無印モデルと、省電力のT付きモデル。また、Alder Lake世代のインテルPentiumプロセッサー、インテルCeleronプロセッサーの新モデルもあわせて発表している。

ノートPC向けで14コアを搭載するCPUが登場

H~Uまで、クラス別のノートPC向けCPUを発表

ノートPC向け最上位に当たるHシリーズは、最高でPコア6基、Eコア8基とデスクトップPCにも引けを取らないコア数を誇る

 インテルCoreプロセッサーでは、型番末尾のアルファベットによって、その特性が分別されている。例えば、2021年11月に第12世代Coreとして初めて発売したCore i9-12900K、Core i7-12700K、Core i5-12600Kのように型番に“K”がつく場合はオーバークロックに対応したモデルであり、Core i9-12900KF、Core i7-12700KF、Core i5-12600KFなど“F”がつくのはそれらの内蔵GPUが無効のモデルとなっている。

 今回のCESでは、第12世代Coreに新たにノートPC向けの新シリーズが登場。エンスージアスト向けのハイパフォーマンスモデルであるHシリーズ、パフォーマンスとモバイル性能を両立するPシリーズ、省電力でモバイル性重視のUシリーズのスペックが発表された。加えて、低価格PC向けのインテルPentiumプロセッサー、インテルCeleronプロセッサーも発表されている。

Hシリーズのラインアップ

Pシリーズのラインアップ。下位モデルはHシリーズと異なり、数字が4ケタになっている

PBPが15WのUシリーズのラインアップ。Pentium/Celeronも含む

PBPが9WのUシリーズのラインアップ。Pentium/Celeronも含む

 Hシリーズは、Core i9-12900HK、Core i9-12900H、Core i7-12800H、Core i7-12700H、Core i7-12650H、Core i5-12600H、Core i5-12500H、Core i5-12450Hの8モデル。

 PシリーズはCore i7-1280P、Core i7-1270P、Core i7-1260P、Core i5-1250P、Core i5-1240P、Core i3-1220Pの6モデル。

 Uシリーズは、PBPが15Wのモデルと9Wのモデルに分けられており、Core i7-1265U、Core i7-1255U、Core i5-1245U、Core i5-1235U、Core i3-1215Uの数字末尾が“5”になっているものが15W。Core i7-1260U、Core i7-1250U、Core i5-1240U、Core i5-1230U、Core i3-1210Uの数字末尾が“0”になっているものが9Wになる。

 PentiumとCeleronにも、それぞれPentium 8505(PBP15W)とPentium 8500(PBP9W)、Celeron 7305(PBP15W)とCeleron 7300(PBP9W)が発表されている。

Core i9-12900HKと各社のノートPC向けCPUのパフォーマンス比較。AppleのM1 Maxとも比較している

Thunderbolt 4などにも対応

 「Intel 7」プロセスを採用するAlder Lake世代のCPUでは、パフォーマンスに優れるPコアと、電力効率のいいEコアという2つのコアを搭載する構成が大きな特徴となっており、それはノートPC向けのCPUでも同様だ。これによって、ノートPC向けCPUでもデスクトップPC向けCPUとあまり変わらないコア数を実現している。

 最上位のCore i9-12900HKにおいては、ノートPCながら14コア/20スレッドとなっており、前世代のCore i9-11900Hが8コア/16スレッドだったのと比べると大きく増加している。

 なお、今回の発表では主にHシリーズについて言及しており、ゲーミング性能やクリエイティブ性能におけるパフォーマンスの高さを強調した。

人気ゲームタイトルにおいて、Ryzen 9 5900HXよりも高いパフォーマンスを発揮するとアピール

クリエイティブアプリのパフォーマンスも向上しているという

デスクトップ向けのより安価なCPUも登場

 デスクトップPC向けCPUには、2021年11月に発売したK付きモデルの下位モデルに当たるSKUが発表された。11月発売のものはi9/i7/i5のみだったが、今回はi3を含めたより安価な価格帯までをカバーするラインアップを発表している。

型番末尾にアルファベットが付かない無印モデルのラインアップ

末尾にTがつく省電力モデルのラインアップ

 型番末尾にCPU性能の分別を表すアルファベット(F以外)が付かない無印のSKUは、Core i9-12900、Core i9-12900F、Core i7-12700、Core i7-12700F、Core i5-12600、Core i5-12500、Core i5-12400、Core i5-12400F、Core i3-12300、Core i3-12100、Core i3-12100F、Pentium Gold G7400、Celeron G6900の13モデル。

 省電力のTシリーズは、Core i9-12900T、Core i7-12700T、Core i5-12600T、Core i5-12500T、Core i5-12400T、Core i3-12300T、Core i3-12100T、Pentium Gold G7400T、Celeron G6900Tの9モデルとなる。

新チップセットも発表

 なお、今回の新CPUの発表に伴い、デスクトップPC向けの新たなチップセットについても発表を行った。先に発売したZ690チップセット搭載のマザーボードはコンシューマー向けのハイエンドに当たる位置づけだったが、今回H670、B660、H610という下位モデルが登場している。よりコストを抑えたい自作ユーザーにとっては朗報と言える。

 なお、ASCII.jpでは、本稿と同時にCore i5-12400/Core i3-12100のファーストレビュー記事を掲載しているので、パフォーマンスが気になる人はぜひそちらも参照してみてほしい。

 ちなみに、パッケージに付属する新たなリテールCPUクーラーについても発表されている。最上位のCore i9に付属するものは、インテル純正としては初めてのaRGB対応のLEDを備えたモデルになっている。

リテールクーラーのデザインも刷新

Intel Evoプラットフォームもバージョンアップ

 そのほか、インテルが定めているノートPC向けの認証、「Intel Evoプラットフォーム」の要件が改訂されることも発表された。同社では、その時代ごとに求められるノートPCのスペック要件を策定しており、それを満たす製品にはIntel Evoプラットフォーム準拠のモデルであることを示すシールを張ることが許される。

 つまり、PCに詳しくない人が見ても、このシールが貼られているモデルならビジネスなどでも十分に活用できることを示すものとなる。2019年にインテルが提唱した「Project Athena」から数えて3世代目となる今回は、第12世代Coreプロセッサーの採用のほか、ノイズキャンセリングやフルHDの内蔵カメラなど、テレワークを意識した要件が加えられているのが印象的だ。

Intel EvoプラットフォームとIntel vProプラットフォームの新しいマークのデザイン

 また、セキュリティーに関する要件を策定している「Intel vProプラットフォーム」においても、新たなレベルを追加している。

最大5.5GHzのKSシリーズをチラ見せ
インテルのdGPU「Intel Arc」の特徴も紹介

第12世代CoreのKSシリーズをチラ見せ

 さらに今回のCES内で、最大5.5GHzというクロック数を誇る「KSシリーズ」についてもスライドで紹介した。型番などの詳細については明かされなかったが、スライドには「Shipping by the end of this quarter」と書かれており、第1四半期中には詳細が判明するとみられる。

 また、同じく2022年第1四半期に出荷を予定しているインテルのdGPUブランド「Intel Arc」に関する話題にも触れられた。イベント内で、Intel Arcの大きな特徴である「intel Deep Link」について解説した。

インテルが展開するdGPUブランドIntel Arc

インテルCPUとIntel Arcの組み合わせで、dGPU単体よりも高速なエンコード速度を実現するという「intel Deep Link」

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