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インテル第11世代CoreでハイエンドゲーミングPCを自作する際の最適解

Core i9-11900Kでも余裕のOCが可能な最高の性能と至高の冷却を兼ね備えたゲーミングマザーボードMSI「MEG Z590 ACE」

2021年03月19日 11時00分更新

文● 石川ひさよし
提供: エムエスアイコンピュータージャパン

MSIのZ590準フラグシップ「MEG Z590 ACE」

 まずマザーボードの「MEG Z590 ACE」。MSIマザーボードでは「Z590」の前にMEGやMPG、MAGといった3文字が付くが、これはターゲットセグメントを意味している。MEGは最高の性能と至高の冷却を兼ね備えたゲーミングマザーボードといったところだ。

デザインは同社ゲーミングマザーボードのコンセプトを受け継ぎつつ、ハイエンドらしくヒートシンク面積も巨大

 MSIマザーボードのフラグシップは「GODLIKE」。Z590マザーボードの場合は「MEG Z590 GODLIKE」となるが、その次に位置するのが「ACE」であり今回の「MEG Z590 ACE」だ。これまでの世代でもGODLIKEはとても高価なモデルで、一般の方にとってはオーバースペック気味のところもありMSIの技術の粋を集めたデモ機に近い。これを手にすれば今後数年間は困らないくらいの付属品など魅力満載だ。

MEG Z590 ACEのパッケージ。バンドルパーツが豊富というわけではないためハイエンドでもアッパーミドル的なサイズ感。持ち帰りもラクだ

 一方、ACEもGODLIKEほどではないにせよ機能は豊富。VRMは20+1フェーズから16+2+1フェーズへと減らしているが最上位CPUをOCしても余裕の供給力であることは分かる。また、ネットワークが最大10GbEから2.5GbEへと変更されているが、これも現状のネットワーク機器を見れば10GbEは一般にはまだ過剰スペックであり多くのマザーボードが採用する2.5GbEのほうが現実的と言える。こうした具合で、ハイエンドにおける現実的な選択肢であるのが「MEG Z590 ACE」だ。

ずらり並んだチョーク。16+2+1フェーズという豪華なVRM回路

「MEG Z590 ACE」をさらにじっくり見ていこう。電源回路では、まずCPU電源端子がEPS12Vの8+8ピン構成である点に目がいく。Z590マザーボードでは8+4ピン辺りがスタンダードだろう。8+8ピン仕様はOC向けにさらなる余裕を持った電力供給を可能としている。

EPS12Vを2系統搭載

 そして16+2+1フェーズのVRM。VRM回路はCPUソケットの左と上という2カ所に分けレイアウトされるが、これだけの数となるとどちらも隙間なくチョークコイルが並んでかなり密だ。その上にかぶさるヒートシンクはミゾの間隔が通常のものよりも狭く、放熱面積を拡大している。I/Oシールドパネル部分までアルミ製ヒートシンクであるMSIマザーボードの特徴は受け継がれている。もちろん左と上のヒートシンクはヒートパイプによって結ばれ、トータルの面積はかなり大きい。

ヒートシンクを取り外した状態。よく見ると16フェーズ部分とそのほか2+1フェーズ部分でMOSFETが異なる

 もちろんこのクラスならデジタル電源回路を採用しており、それも高品質、高性能の部品で構成されている。PWMコントローラはRenesas(Intersil)「ISL69269」、MOSFETは16フェーズ部分は同じIntersilの「ISL99390」を組み合わせている。MOSFETの「ISL99390」は90A対応で、ドライバIC等を統合したSmart Power Stage。2+1フェーズ部分のMOSFETはRenesas「RAA220075」で、会社は異なるが同グループと見ることができる。相性の点で、まったく異なる会社の製品を組み合わせるよりはよさそうだ。

PWMコントローラはIntersil「ISL69269」

MOSFETはIntersil「ISL99390」が16基

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