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RTX 2080 Ti、RTX 2080、GTX 1080のFEと徹底比較

Ampere世代のGeForce RTX 3080 FE速攻レビュー、GTX 1080の最大3倍

2020年09月16日 22時00分更新

RTX 2080 Ti/2080とGTX 1080のFEと比較

 では今回の検証環境を紹介しよう。GeForce RTX 3080 FEのパフォーマンスを知るために、Turing世代GeForceのフラッグシップであるGeForce RTX 2080 TiにGeForce RTX 2080、そして4年前のGeForce GTX 1080をすべてFEで準備した。ドライバーのバージョンはGeForce RTX 3080 FEのみ評価用β版(456.16)、それ以外はすべて452.22 Hotfixを使用している。

 果たしてGeForce RTX 3080はGeForce RTX 2080の“最大2倍の性能”に到達できるのか? そして、それはどういう条件なのか? さらに、GeForce RTX 3080は本当に4Kゲーミング用GPUとして使えるものなのかを検証していきたい。

検証環境
CPU AMD「Ryzen 9 3950X」(16C/32T、3.5~4.7GHz)
CPUクーラー Corsair「iCUE H115i RGB PRO XT」(簡易水冷、280mmラジエーター)
マザーボード GIGABYTE「X570 AORUS MASTER」(AMD X570、BIOS F22)
メモリー G.Skill「Trident Z RGB F4-3200C16D-32GTZRX」(DDR4-3200、16GB×2)×2
グラフィックス NVIDIA「GeForce RTX 3080 Founders Edition」、NVIDIA「GeForce RTX 2080 Ti Founders Edition」、NVIDIA「GeForce RTX 2080 Founders Edition」、NVIDIA「GeForce GTX 1080 Founders Edition」
ストレージ GIGABYTE「AORUS GP-ASM2NE6200TTTD」(NVMe M.2 SSD、2TB)、Corsair「Force Series MP600 CSSD-F1000GBMP600」(NVMe M.2 SSD、1TB)
電源ユニット Super Flower「LEADEX Platinum 2000W」(80PLUS PLATINUM、2000W)
OS Microsoft「Windows 10 Pro 64bit版」(May 2020 Update)

「Fire Strike」はもう役に立たない?

 まずは何はなくとも「3DMark」を回さなくては始まらない。今回はすべてDXR(DirectX Raytracing)に対応しているGPUなので、レイトレーシング対応の「Port Royal」でどの程度GeForce RTX 3080がほかを引き離すかにも注目したい。

「3DMark」のスコアー

 GeForce RTX 3080 FEはTuring/Pascal世代のGeForceを見事に突き放した。新世代GeForceのフラッグシップモデルと認めざるを得ないハッキリとした勝ち方だ。その一方で、各GPUに対してどの程度伸びているかを考えてみると、テストによって勝ちのレベルが変わってくる点に注目したい。

 最もGeForce RTX 3080 FEのアドバンテージが感じられないのはFire Strikeだ。RTX 2080 Ti FEに対してはわずか15%、対GeForce RTX 2080 FEでも34%しかスコアーが伸びていない。2013年当時に設定されたハイエンドフルHDゲーミング環境を想定したFire Strikeでは、正しくGeForce RTX 3080 FEの性能を把握することはできないのだ。

 だが描画負荷が高くなるほど旧世代GeForceとの差は開く。Time Spy(WQHD想定)では、GeForce RTX 2080 Ti FEに対し約22%、GeForce RTX 2080 FEに対しては約52%上昇。レイトレーシング処理を使うPort Royalではそれぞれ約31%、約74%のゲインとなった。描画処理が複雑かつ重いゲームでこそ、GeForce RTX 3080 FEは輝く可能性があることを示した。

 続いて、システム全体の消費電力をチェックする。消費電力計はラトックシステムのワットチェッカー「RS-WFWATTCH1」を使用し、システム起動10分後を「アイドル時」、3DMarkのTime Spyデモ実行中の最大値を「高負荷時」、ゲーム「Control」をプレイ状態で放置した時の安定値を「ゲーム中」とした。また、Time Spyのスコアーを高負荷時の消費電力で割った(かなり雑な)ワットパフォーマンスを「Time Spy/W」として算出。なお、高負荷時及びゲーム中は小数点以下の値は切り捨てている。

システム全体の消費電力+ワットパフォーマンス

 さすがにTBP320Wのカードだけあって、GeForce RTX 3080 FEの消費電力はそれなりに高かった。OCをしていない状態でGeForce RTX 2080 Ti FEの71~76W増はかなり高いと言えるだろう。ただし、1WあたりのTime Spyスコアーも伸びているので“高い性能なりの消費電力”とも言える。ゲーム中でもシステム全体で480W弱消費なので、電源ユニットの推奨容量750Wという数字には十分な妥当性があると言える。

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