第310回
RTX 2080 Ti、RTX 2080、GTX 1080のFEと徹底比較
Ampere世代のGeForce RTX 3080 FE速攻レビュー、GTX 1080の最大3倍
RTX 3080 FE通電時の外観をチェック
さて、ベンチマークテストの解禁に伴い、実際にシステムへ組み込んだ状態や通電時の写真も公開できるようになったので何点かお見せしよう。2スロット厚をフルに使った全長287mmのGeForce RTX 3080 FEは、上面のロゴ以外に3ヵ所発光するポイントがある。
さらに、GeForce RTX 3080 FEのファンはどちらも独立して回転数が制御され、さらに低温時はファンが停止する準ファンレス仕様になっている。ファンの停止と回転の境目は50度あたり(実測値)なので、アイドルかそれに近い状態であればファンはほぼ停止していると言っていいだろう。しかし、低温時でもファンが回転する時もあったが、条件は不明。
PCI Expressと電源ユニットの制限はあるのか?
GeForce RTX 30シリーズはカードのサイズも大きい。GeForce RTX 3080は“フラッグシップGPU”であるため、AICパートナー製カードも大型のものが主力だ。これは手持ち(あるいは使用予定の)PCケースの寸法とよく相談して決めよう。
それ以上に気になるのは拡張スロットの仕様と電源ユニットへの負担だ。GeForce RTX 30シリーズはPCI Express 4.0(Gen4)に対応しているが、これに正式対応するのはAMDのX570チップセットまたはB550チップセット、そしてTRX40チップセットの3種類のみとなる。
だが、Gen3止まりのIntel製チップセット(Z490など)や、AMDの旧世代チップセット(X470など)でも問題なく使えるどころか、ほとんど性能の低下は見られない(後述)。NVIDIAは「RTX IO」というSSDから直接データを読み込んでビデオカード上のVRAMに展開することでCPUボトルネックを解消する技術をアナウンスしているが、これが使えるのはずっと先になる見込みだし、Gen3でRTX IOを使ってもGen4との性能差は数%と、NVIDIAも「GeForce RTX 30 Series Tech Session」で語っている。ゆえに、現時点ではGen4にこだわる必要はないのだ。
次に電源ユニットだが、まずGeForce系カードが消費する電力は搭載GPUのTBP(Total Board Power:カード全体の消費電力)にほぼ等しく、GPU-Zで確認できるPower Limitともほぼ等しいことを知っておこう。これは既報の「ビデオカードの消費電力を正確に計測するNVIDIAの純正キット「PCAT」と「FrameView」を解説」で明らかにしている。
つまり、TDP320WのGeForce RTX 3080カードをVsync無効で普通に回した時の消費電力は、その時々で変動するものの平均320Wである。ただし、瞬間的にこの値を超えることもあるので、マージンは+40W(GeForce RTX 3080だけで最大360W)は見ておくと良いだろう。
現時点でメインストリームCPUで最も電力を食うCore i9-10900K環境のPL1無制限設定だと、CPUに超高負荷をかけるテストソフト「Prime95」でCPUをフルロードすると、システム全体で390W弱消費する(参考記事:Core i9-10900Kを筆頭に第10世代Core超徹底検証!Ryzenよりもゲームで強いって本当?)。うち20Wはアイドル状態のGPUが消費していることを計算に入れると、CPUもGPUもフルロードというワーストケースでは730W(390W-20W+320W+40W)となり、これはNVIDIAが推奨する電源容量(750W)とほぼ一致する。
この730Wという見積もりはシステムに高負荷をかけるテストソフト「FurMark」や「Prime95」を使って非現実的な処理を重ねた時に想定される消費電力なので、普通にPCゲームを楽しむなら750Wで十分運用できると言えるだろう。ただし、もっと心の余裕が欲しいなら、8コア以上のCPU環境では850~1000Wのものを選んでおきたい。
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