カメラは文句ナシ、アプリは!? 「HUAWEI Mate 30 Pro 5G」をクイックレビュー!
Googleサービスは非搭載
ファーウェイアプリストアの使い勝手は?
高性能なハードウェアスペックを誇るHUAWEI Mate 30 Pro 5Gだが、日本で利用する際に注意したいのがソフトウェア面だ。OSは最新のAndroid 10でファーウェイ独自のUIを搭載したEMUI 10を搭載する。一方、Google系のサービス(GMS)は搭載せず、ファーウェイ独自のサービス(HMS)を採用している。そのため一般的なAndroidスマートフォンに標準搭載されている、GmailやYouTube、Googleマップ、そしてGoogle PlayといったGoogle系のサービスは搭載されていない。
HUAWEI Mate 30 Pro 5Gには、Googleの代わりにファーウェイ開発のブラウザーや独自のアプリストア「AppGallery」が搭載されている。このAppGalleryは現在メジャーアプリの対応が進んでいる状況ではあるものの、日本で日常的に利用しているアプリはまだすべてが対応している状況ではない。特にSNS系は現時点ではまだ多くが未対応のようだ。
とはいえ、検索でFacebookと入れると、ブラウザーに飛びFacebookから直接APKファイルを落としてインストールするという、ちょっとトリッキーな方法だがこれで公式にFacebokを入れることができた。しかし、このようなAPKを配布しているサービスはあまり多くないだろう。
そこで別の方法でアプリをインストールできないか試してみることにした。ファーウェイは他のスマートフォンから設定やアプリ、データをコピーできる「Phone Clone」というアプリを配布している(Google Playからもダウンロードできるため、ファーウェイ以外のスマートフォンでも利用できる)。そこで手持ちのHUAWEI P30 Proを使い、Phone Cloneでアプリをコピーしてみた。
HUAWEI P30 Proから試しにMessengerとLineをPhone Cloneでコピーしてみたが、Lineはエラーでコピーできなかった。一方、ほかのスマートフォンに入れていたLINE lite(日本のGoogle Playでは落とせないLINEの簡易版)はPhone Cloneでコピーできるなど、Phone Cloneを使っても必ずしもすべてのアプリがコピーできるわけではないようだ。
ところでHUAWEI P30 ProにもAppGalleryは入っているが、その中にはLINEが入っている。すなわちすでにLINEはAppGalleryに対応しており、今後HUAWEI Mate 30 Pro 5GのAppGalleryにも対応する可能性は期待できるのかもしれない。LINE(またはLINE lite)のAppGalleryへの早期登録をお願いしたいものだ。
なおアプリではなくとも、標準ブラウザーを使ってGoogle検索やGoogleマップの利用は可能だった。メールの送受信も標準のメールアプリで対応は可能だ。ウェブ版サービスも用意されているアプリは、AppGallery対応前は多少不便だがブラウザーからの利用である程度対応できるだろう。
このようにアプリの利用に関して、現時点ではまだ制限が多いが、3月28日の先行発売までにAppGalleryもアップデートされていくだろう。なお、一般販売は4月中旬とのことだが、そのころにはメジャーアプリ、キラーアプリがAppGalleryに登録されることを期待したい。
5Gスマートフォンはグローバル市場を見ても通信キャリアの5G開始に合わせ、メーカーとキャリアが手を組んで販売する例が多い。それに対して、これから立ち上がる日本の5G市場に、SIMフリー5G端末を投入したファーウェイは英断と言えるかもしれない。今後どこまでHMSを拡充し、AppGalleryから不自由なくアプリをダウロードできるようになるのか。ハードウェアでは世界の頂点クラスの製品を開発できる力を持ったファーウェイが、今後ソフトウェアでユーザーニーズをどう満たしていくのか、注目していきたい。
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