2014年12月13日に行なわれた“全国スタートアップデイin九州”では、8社の九州スタートアップが登場して、ピッチでプレゼンを競った。前回の記事ではグランプリに輝いた500円からホームセキュリティーを展開するプリンシプルの“SMART ROOM SECURITY”など、ピッチの結果をお知らせしたが、今回はそのほかの注目スタートアップを紹介しよう。
■ジョイアス『痛すぽ』
登壇した中でも異彩を放っていたのが、トップバッターで登場した“抱き枕”にセンサーモジュールを入れて、“なでなで”すると声を出すというハードウェアベンチャーの株式会社ジョイアスの『痛すぽ』だ。ぜひ、「なでなでしないでください!」と言わせてみたい。
布の上からでも反応するセンサーは、ただタッチするだけでは反応せず、なでなでしないと反応しない特殊なセンサーモジュールを用いる。スマートフォンとブルートゥースで音声を転送し、キャラクターの音声が抱き枕から流れる仕組みとなっている。振動センサーなど、複数のセンサーを内蔵して揺らしても声が出るなど組み合わせも可能だ。
「布越しになでなでを検知できるセンサーはほかにはない」と自信をもつ、内村康一代表取締役が抱き枕をなでだしたプレゼン。2015年2月にクラウドファンディングを予定、さらにイベントでの継続的な販売など、練り込まれたビジネスプランを披露していた。内村氏いわく推計約30億円と言われる抱き枕カバー市場の新たな起爆剤になるだけではなく、アニメグッズ業界の新しいトレンドを生むのではないかとさえ思えるプロジェクトだ。
■イジゲン『Blessa』、『AIRPO』
ポイントカードの付いたオリジナルギフトカードを作成できるサービス『Blessa』、そのポイントで商品を引き換えられる専用カタログサイトを展開する。分厚いカタログ本の代わりになるサービス。ポイントはギフトだけではなく、『AIRPO(エアポ)』というiBeaconを利用した店舗向けのO2Oアプリでもためることができる。イジゲンの鶴岡英明代表は、2015年にAPIを公開を予定し、将来的には「IoTを利用し、たとえば対応歯ブラシで磨くとポイントが貯まる。日常生活の行動にポイントを取り込むこともできる」と、サービスの拡大を狙っている。
■キャンディ『電子書籍店頭販売システム』
リアル書店で電子書籍を購入するというスタイルの新しい電子書籍プラットフォーム。キャンディ代表の牧正造氏は、「日本はまだまだクレジットカードの普及率が低く、現金支払いが多い国。大好きな書店の売り場そのものをプラットフォームにしてしまおう。電子とリアル書店が共存するモデルをつくりたい」と説明する。
■ニューワールド『Guider』
『Guider』はテレビのドラマなどで出演者が実際に着ていた衣装や小物と同じモノが買えるファッションサイトを展開。ニューワールドの井手康博代表は「衣装協力を可視化して、購買につなげ、情報とダイレクトにつながれる世界観を実現」したいと語る。全国スタートアップデイ関西にも九州代表として参加した、いま注目の若手スタートアップだ。
■ユニマル『universions』
『universions』は、ウェブ制作チームのためのコラボレーションツール。フローの確認からファイルの共有・バージョン管理も行なえる。アドビ『Illustrator』などの特殊なファイルをプレビューできる機能をもつほか、同社がテストサーバーを提供し、本番サーバーへの移行も自動化している。現在、エンジニア向けのコラボレーションツールが盛り上がっていることもあり、永田司代表はuniversionsの特徴を「インフラとプラットフォームをシームレスにつなぐツールはほかにはない。エンジニアはGitHubは使えるが、ほかの会社やデザイナーに合わせるのは難しい。サービスをウェブツールだけじゃなく、ほかの業態への展開も考えられる」としていた。
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