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ワンコインで実現するホームセキュリティー 全国スタートアップデイin九州に高レベルのベンチャー集結

2014年12月15日 20時30分更新

「地方からの起業を促進する」

 全国各地の有力なスタートアップ企業とベンチャーキャピタル、投資家などを結び付けるイベント“全国スタートアップデイin九州”が福岡・博多のスタートアップカフェで2014年12月13日に開催。主催はトーマツベンチャーサポートとサムライインキュベート。地方から成長ベンチャーを生み出すためにベンチャーキャピタリストが語るパネルディスカッションと、九州の有力スタートアップ企業8社による自社サービスのプレゼン大会が行なわれた。

全国スタートアップデイin九州

 福岡市といえば創業と雇用を創出する国家戦略特区にも選ばれ、スタートアップ企業が注目されており、会場にもなった起業家が気軽にビジネス相談できる常駐スペース“スタートアップカフェ”を福岡市が開設するなど、行政も強力にバックアップしている。だが、特区に認定される前から福岡はベンチャー気質が高く、ピッチに参加した8社はどこも興味深いビジネスモデルを構築、考案していた。ピッチはアイデア、実現可能性、成長可能性、プレゼンのうまさを基準に審査された。

全国スタートアップデイin九州

 グランプリに輝いたのは、月額500円~980円(税別)で、女性向けルームセキュリティー“SMART ROOM SECURITY”を提供するプリンシプルだ。「大切な人を守るため」と、この日いちばんパワフルにプレゼンを行なった原田宏人代表取締役は現在、普及率3%ホームセキュリティーが広がらない理由について、価格面が原因と説明する。そのため、ワンコインから利用でき、九州に強いセキュリティー会社“にしけい”協力のもと、大手と比べて10分の1という低価格を実現して提供する。

全国スタートアップデイin九州

 親機のセンサーと、小型サイズの子機を室内に設置。“就寝中にドアが開く”など設定した内容を感知すると、センサーが反応し、最大5名まで登録できるスマートフォンに向けてアラームが飛ぶ仕組みになっている。犯罪だけでなく、ひとり暮らしの老人のケアのため“ドアが1日開かなかったらアラーム”というような設定も想定している。提携するセキュリティー会社から人が駆けつけると、1回5000円が発生する仕組みだ。

全国スタートアップデイin九州

 2位のトーマツ賞は、予測とシミュレーションで農業経営を改善する“テラスマイル”が受賞。農業とITといえば技術系と思いがちだが、同社のシステムは予測と分析で戦略を立てて、売上を向上させること。最終的に集めたデータやノウハウをシステム化していきたいという。生駒祐一代表取締役は、「宮崎から世界を変えていきたい。10年後の姿を期待してください」と、企業名そのままの笑顔いっぱいに語った。

全国スタートアップデイin九州

 無料登山地図アプリ『YAMAP』を提供するセフリが3位のサムライ賞に輝いた。「日本の自然には価値がある。それを伝えるツールとして、滞在型の観光地図に発展させる」と、説明するのはセフリの春山慶彦代表。YAMAPは、スマホのGPSを使った山登りや、スキー、スノボ、釣りなどのアクティビティーに利用できる。紙で使えるハイブリッドな地図、観光地の情報共有プラットフォーム、“山のWikipedia”になるようなサービスを目指している。

全国スタートアップデイin九州

■関連サイト
トーマツ ベンチャーサポート
Samurai Incubate.inc

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