Facebookがなぜ楽しいかご存知だろうか? 私も、ずっと知らなかったのだが、Facebookというシステムが“大富豪”そっくりだからだ。私の世代では“大貧民”と呼んでいたのがいつの間にか、 真逆な“大富豪”という名前になってしまったあのトランプゲームと、Facebookがよく見るととても似ている。
私の友人で米国と日本を往復するソーシャルメディア・プロデューサーの立入勝義氏は、今年、“日本大富豪連盟”なる組織を立ち上げた。“大富豪”にはきちんとしたルールがないので、その国際 ルールを策定すべく活動しているのだそうな。勝間和代さんも参加したその日本大富豪連盟主催“第一回天下 一大富豪大会”で、なんとか予選通過したときに見えたのだ。
「大富豪=Facebookじゃん」
なにしろテーブルを囲んでいる中には、Facebookで承認した“友達”もいたりしますからね。トランプゲームの“大富豪”では、自分が出したカードに誰も手を出せずにいる状態が続くと勝ちとなる。一方、Facebookでは、自分の書き込みに“いいね!”や“コメント”がつき続けるのがよい状態。みんなの反応が絵札やジョーカーやその他のカードといえる。“シェ ア”されたときには、ある種、わが子が巣立つような気分におそわれることもある。
要するに、“Facebook”と“大富豪”、まるで逆の構造をしているのだが、裏を返せばとても似ているともいえるわけだ。どこまでも夜通しでもグルグル回り続ける“大富豪”と同じ構造のものが楽しくないはずがない。
もちろん、誰にだって“革命”が起こせるし、“革命返し”だってできる情報民主主義的な爽やかさもある。誰にでも人を感動されるチャンスがある。「ザッカーバーグって、天才!」。もし、 これからソーシャルメディアで成功したいと思うなら、“UNO”でも、“七並べ”でもいいから、カードゲームにインスピレーションを受けて設計するのがよいのではないでしょうか?
さて、そんな“FacebookとTwitterの日々”を送っていて、せっかく週刊アスキーPLUSにもらった“遠藤諭の東京カレー日記ii” の連載もサボリがちになっていたら編集部から連絡あり。「エンドウさん、Facebookに噂サイトのリンク貼ってるヒマがあったらちゃんとPCの話を書いてくださいよ」というのだ。
そうして、なんと紙の『週刊アスキー』で連載を始めさせてもらうことになった。
本日発売の『週刊アスキー』(11/27号)から始まったのが“神は雲の中にあられる”という日本語的にあっているのかどうか大変にあやしい題名のコラム記事。裏表紙の裏側対抗なので、「週刊アスキーを後ろから開かせる男」と呼ばれるよう精進していきたいと思っている。
とりあえず、いま計画・構想中のネタを10個ほどチラリ。
a) 釘師サブやん v.s. バラバシ。いまどき日本のITのほうが進んでいる分野があるそうな……。
b) 人間はちょっと先の未来なら予測できる……という真面目な研究が米国でされているらしい。
c) 世界で知られる日本人トップ50 by Wikipedia。1位は三船敏郎(107言語)、2位は葛飾北斎(96言語)、3位は?
d) 卒論"モバイルによる恋愛行動の変化"の相談に乗ってわかったいまどきの女子大生のソーシャルメディア術。
e) なぜ孫さんはスプリント・ネクステル買収に走ったのか?
f) IT業界で人間関係をうまくやるには。アロハでも平気なIT業界、他業界に比べると自由だが、1つだけ外せないことがある。
g) Androidは、テクノロジーが意志を持ったようなものではないか?
h) “洗濯機にスマートフォンでタッチ”、私は素晴らしいと思う。日本企業は号令一下のほうがうまくいくことがある。
i) 無線LANでご近所さんと仲良くなる方法。
j) ジョブズの最初のヒーロー。
ちなみに、第1回は「Amazonにはソーシャルメディア分析はいらない」(今回だけはWebにも転載することになった=今後も不定期にはあるかもしれないのだが、基本紙でしか読めないのですね)。駅売店、書店でお見かけのさいはパラリと開いてみていただけるとうれしいです。Facebookが日本ドメスティックなトランプ遊びだとすると、書店で週刊を買うのは一種のゲーミフィケーション?
【筆者近況】
遠藤諭(えんどう さとし)
角川アスキー総合研究所ゼネラルマネジャー。同研究所の「メディア&コンテンツサーベイ」の2012年版の販売を開始。その調査結果をもとに書いた「戦後最大のメディアの椅子取りゲームが始まっている」が業界で話題になっている。TOKYO MX TV 毎週月曜日18:00からのTOKYO MX NEWS内「よくわかるIT」でコメンテータをつとめている。
■関連サイト
・Twitter:@hortense667
・Facebook:遠藤諭
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