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そもそもPVって何? PVだけが大きくても成功しているとは限らないワケ

2009年09月08日 02時21分更新

 このコラムは週刊アスキー9月22日号(9月8日発売)24ページに掲載されたコラムに加筆したものです。
週アスウェブ戦線まだ異常アリ!

  言葉としてはよく知られているPVですが、説明するには難しい単位です。そのため、言葉だけが一人歩きして「PV数の大きいサイトは成功している!」と思われがちです。ところがPV数が大きいからといって成功しているとは限りません。なぜかというと……。

 ウェブサイトによっては、PVの大小だけを目的としていない場合があるからです。そもそも、PVは“ウェブサイト内で何ページ閲覧されたか”だけを表わすもの。しかも、計測に使用するツールによって違う数字が出たり、プログラムで膨らませることができる「そのまま信用するにはとても頼りない数字」であることを忘れてはいけません。

 たとえば、企業向けに工場施工を手がける建築会社のサイトがあったとします。このウェブサイトでは、アクセスしてきたユーザーにオンラインで資料請求してもらうことが目的です。

 別の例も出してみましょう。戦闘機のプラモデルだけを扱うショッピングサイトがあります。常連さんに繰り返しアクセスしてもらい、少しでも売上をあげることが目的です。また、一見さんではない、新規の優良なお客さん(未来の常連さん)を少しずつ拡大したいと思っています。

 さて、これらのサイトはPVの大小で成功・失敗を評価するのでしょうか?

 答えはNOです。前者のサイトはいわば“法人営業の営業マン”。この場合、10億PVで資料請求数が5件のサイトより、1000PVで20件のほうが良いサイトと言えるでしょう。

 後者のサイトも同様です。こちらは“個人営業のホビーショップ”と言えます。品物を買わない一見さんが入れ替わりでひやかしに来るよりは、戦闘機のプラモデルが大好きな少数の常連さんが買ってくれれば良いのです。

 ウェブサイトはブラウザー上で表示されるため、どのサイトも同じ目的でつくられていると錯覚しそうになります。しかし、そうではありません。さまざまな目的でつくられたウェブサイトを、同じPVというモノサシではかること自体、無理があるのです。

 「いやあ~、ウチのサイトは10億PVもありまして!」なんて大きな声が聞こえてきても、成功しているかどうかはまた別の話。大きいのは“声”だけではなくて、案外“クチ”かもしれないのですから。

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