週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

語彙量とコミュ力、トーク力を駆使して謎を解く協力ADV「We Were Here Too」:Steam

2018年05月25日 18時00分更新

 ボイスチャットはゲームの時代を変えた。20年前はSkypeどころかボイスチャット(VC)の概念もなく、ICQ(SNSの先駆け)で「アッオー(通知音)」とかやってた頃が懐かしいものである。当時はオフィスチャットで業務であればインターネット通話をいち早く用いていた企業もあったが、パーソナル(個人)にボイスチャットを実現・普及させたSkypeやMumble、TeamSpeakの登場はライフスタイルやゲームの遊び方を大きく変えたといっても良い。

 今であればスマホゲーマーでも、PC向けの定番「Discord」のスマホ用アプリやLINE通話、ゲーム内のボイスチャットを使用しているフレンドも筆者の知り合いにいるが、FPSやMOBAなどのコミュニケーションが必要なゲームであれば、VCはもうなくてはならない存在になっている。

 第76回はそんなボイスチャットを利用した謎解きADV「We Were Here Too」を紹介する。

 

 本作品は日本語が存在しているが、言語に大きく頼らないゲームデザインとなっているため英語であっても困ることはないだろう。日本語字幕が必要な場合はOptionからGamePlayingの項目へ進み、Languageを日本語に変えれば日本語字幕は使用可能だ。

 重要な点として本作品はストアページにも記載があるように、マイクで通話できることが前提のゲームデザインとなっている。更にいえばゲームを始めるには必ず相方となるプレイヤーも必要となるため、今回の紹介作品は一緒にプレイしてくれるフレンドが必ず必要になるのも注意しよう。

必要なのは伝える力

 吹雪を避けるために偶然発見した城の中に逃げ込んだプレイヤー二人は城の中に閉じ込められてしまう。分かれて進めと言わんばかりに分かれた二つの通路を向かった先はギミックだらけのダンジョンとなっていた。このギミックに溢れた城から脱出するのが目的のゲームだ。

 ゲームを始めるにはフレンドと遊ぶステージを選ぶ所から始める。この際、農民か皇帝というポジションを選択できるが、農民側であれば謎を解くのがメインのポジションで、皇帝側ならその答えを伝えるポジションがメインとなる。ただしどちらも謎を解く必要はあるのでどちらが難しすぎるということも特にはない。

操作はWASDで移動、マウスの左クリックでオブジェクトを調べたり持ったりできる。右クリックを押し続けることで持っている通信機を使って相方と会話できる。

 さて、今この文章を読んでいる読者の方にお聞きしたいことがある。上の画像の模様をあなたならなんと説明するだろうか?本作品の言語に大きく頼らないデザインと最初に書いたのもこれが理由となっている。

 ちなみに私は「Uの字の上に三角が二つくっついていて、真ん中に目玉の親父がついていて、ひらがなのしに三角が付いている模様」とプレイしているフレンドに説明したが・・・・・・

 この画面がフレンドの見ている画面だ。私の画面では模様が見えているが、相方には完成すべき模様は分からない。私の説明だけでこの模様を組み立てるのがこのパズルの解法なのだが、似たような模様が並んでいるのに加えて、組み立てる順番も決まっている。相方からも「波線がちょろっとあるだけなんですけど?」と言う答えが返ってくるため全く話もかみあわない。そう、見えている物が見えていないというのは非常にもどかしいのである。

 ちなみに、この場合フレンドの画面がどういうパズルになっているかも私には分からない。パズルを解く側もどういうパズルなのかを模様を伝える側に説明しなければならないのだ。

480

 更に一例を挙げるなら、左が私の伝えるポジションでの画面で、右が伝えられて謎を解いたポジションである。ぱっと見れば合っているように見えるが実は違っている。このように似たような模様も散りばめられており、混乱をきたすデザインが最初から最後まで保たれているのだ。

 ただし謎を解くのも悠長にしているのは危険だ。一部の謎解きには命の危険をはらんでいる。チェックポイントも多く何度もリトライが可能だが、命の危険がある謎解きは非常に焦る。伝える側も相当慌ててしまうが、解く側もどうしても焦ってしまうのだ。

謎を解いていけば何時かは合流できる。脱出できるかは分からないが。

俺たちは確かにここにいた。

 タイトルでもある「We Were Here Too」は直訳すれば“私たちもここにいた”となる。ちなみにこれは前作でもある「We were here」にもかけたタイトルにもなっているのだ。オランダの専門学校生であった開発陣の処女作が前作で、全く同じゲームデザインとなっているので本作品をプレイする前に無料タイトルでもある前作をプレイしてみるのも良いだろう。

 最大の難所はプレイにフレンドが必須な点かもしれない。一応野良で相手を見つけることも可能ではあるのだが、執筆期間中は部屋を見かけなかったのでプレイする際はフレンドを確保してから購入するべきだろう。

 今回紹介したパズルパートもランダムで内容が変わるためネタバレにはならない。自身の語彙力とフレンドとのコミュ力を実践するのにはちょうど良いだろう。そういう意味では同時配信実況も面白いという点でも良いタイトルではないだろうか。流行のVTuberと呼ばれる方にもオススメしてみたいところだ。

「We Were Here Too」の推奨動作環境は?

 最低動作環境のグラフィックの要件がGeForce GTX460以上で、推奨でもGTX750Tiと負荷は低い。画質設定が低くても構わなければ、CPU内蔵GPUでも動くレベルだ。また、冒頭でも何度か触れているとおりマイクが必須のタイトルとなるためゲーム内VCや外部VCは必須であるので注意だ。

『We Were Here Too』
●Total Mayhem Games
●1010円(2018年2月2日リリース) ※価格は記事掲載時点のものです
対応OS Windows MAC Linux
ジャンル アドベンチャー、オンラインCo-Op、パズル、雰囲気、独立系開発会社

■著者:rate-dat
・Steamのプロフィールページ:Steam コミュニティ :: ratedat
・Twitter:@rate_dat

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この特集の記事