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弱者を切るか、共に生きるか 極寒の決断サバイバルシミュ「Frostpunk」:Steam

2018年07月28日 18時00分更新

 地球の変動を大きな区切りで分けたとき、氷河期と呼ばれた一つの時代があるといわれる。火山活動や巨大隕石の衝突だとかいわれているが今でも定かではない。

 そんな氷河期に思いを馳せる第80回で紹介するのは「Frostpunk」、火山の噴火が原因といわれる謎の氷河期の訪れとスチームパンクをテーマにしたサバイバルタウンビルドシミュレーションを紹介しよう。

 

 本作には日本語化MODが存在しているいるため、本記事はMODを導入して執筆した。なお、公式による日本語字幕の導入も予定されているが、待ちきれない人はGoogleで検索してみるといいだろう。操作はキーボードとマウスを使用するが詳細は後述する。

指導者として民衆を導け

 原因不明のマイナス40度を超える環境下に陥った人類は北へと向かう。長い時間をかけて辿り着いた先に設置されていた“ジェネレーター”を軸に生き残った人類は再び繁栄を目指す……というのが簡単な導入となっている。

 このジェネレーターは必ず街の中心となり、街の温度管理の全てを担っている。停止したままであれば、街は凍結して全滅してしまう。街を暖める大型のヒーターのようなものだと思っていただければいいだろう。ジェネレーターの稼働には“石炭”が必要で、人々が生活するには暖かい住処、食糧、医療施設が必要になってくる。そして、全てが揃っていても民衆の支持も一定以上キープしなければ街から追放されゲームオーバーとなる。それだけ書くと非常に難しく感じるかもしれないが、一つ一つ説明していこう。

 キーボードのWASDやマウスを画面端に持って行くことで画面の移動、ホイールボタンをクリックすることで画面の回転も可能だ。スペースキーを押すことでポーズも可能なので一つ一つ落ち着いて行動することがベストだ。

 画面下のハンマーのアイコンをクリックすることで資源の回収施設や、家を建てることができる。気温を高く保つためにはジェネレーターの周りを囲うように家を建てるのが定石だが、建造物は道路を繋げなければ機能しない。

 建築は市民が手分けして自動的に建築を行う。建造後は労働者か技術者を配属することで施設は機能する。資源は直接指定することでも回収は可能だが効率も落ちる上、凍傷や四肢の欠損リスクを抱えるためよほどの状況でもなければ直接資源を回収するのはオススメしない。

 プレイヤーが行わなければならないのは建造の指示だけではない。コミュニティの運営に“法”を制定するのも大きな仕事だ。施設の労働時間や児童労働の可否といったセンシティブな領域にも踏み込むことになる。

 ただし、一定時間毎にしか施行できない上、相反する法を制定することは不可能となっている。例として、前述の児童労働に対して児童保護を同時に実行はできない。

 一部の法は制定することで民衆の不満を買うこともあるが、民衆に明日の生活への希望を与えることもできる。不満が100%を超えるか希望が0%になった場合は、二日間の間に一定値に戻せなければゲームオーバーとなる。

 また、工房を建てることで街の発展を担う施設や技術の研究を行える。その中の“ビーコン”を研究し建造することで街の外へ偵察隊を派遣できるようになる。偵察隊をマップの特定位置へ送ることで資源の他、難民を保護することもできる。

難民を保護すれば、労働力は増えるが食糧や石炭の消費量も膨れ上がる。時には病人ばかりの場合もあり、受け入れるかどうか決断が揺らぐときもあるだろう。

限界状況における選択の連続

 起動段階では“新しい故郷”というシナリオしか選択できないが、特定条件を満たすことで他のシナリオも選択できるようになる。どのシナリオも常にギリギリの決断を迫られる場面は何度も出てくるようになる。

 新しい故郷であれば、脱出してきたロンドンへ帰ろうとする帰郷支持者を秩序で抑えるか、神への信仰で従わせるかという流れになっていく。どちらであっても最終的には血が流れることを止めることはできない。

 開発元である11 bit Studiosの前作「『This war of mine』」は大きな注目を集めたゲームであった。プレイヤーが下さなければならない決断、時には他者から奪うことも辞さないゲームデザインは筆者にも強く印象に残っている。前作品とはまた違うベクトルで何を優先しなければならないのか常に考えなければならない本作品では、一人の死が絶望へと変わり、一つの決断が埋められない溝を空けてしまうこともある。

 明日への希望は指導者であるプレイヤーのあなたに全てかかっている。希望の先に何があるのか、その先はゲームの中で確かめていただきたい。

「Frostpunk」の推奨動作環境は?

 最低動作環境のグラフィックの要件がGeForce GTX660以上となっており、CPU内蔵GPUでは厳しい。 また、筆者の環境下(GTX1080)でもグラフィックを最高にしていた場合、一日の終わりや、後半になって過密になるとフレームレートが60fpsを切るような場面が何度か見受けられた。快適にプレイするなら、少なくともミドルクラス程度の余裕は欲しいところだ。

『Frostpunk』
●11 bit Studios
●3090円(2018年4月24日リリース) ※価格は記事掲載時点のものです
対応OS Windows
ジャンル サバイバル、街づくり、ストラテジー、資産管理、スチームパンク、シングルプレイヤー

■著者:rate-dat
・Steamのプロフィールページ:Steam コミュニティ :: ratedat
・Twitter:@rate_dat

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