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日本一ソフトウェアの魅力満載! 命を捧げるパズルACT「ロゼと黄昏の古城」:Steam

2017年06月07日 18時00分更新

「綺麗なバラにはトゲがある。」とは言ったもので見目麗しいものは大抵が猛毒であったり、捕食を行うために派手であったりすると言うのは自然の摂理だ。決して少年ジャンプの人気作品であった「幽遊白書」の蔵馬のキメ台詞の話ではない。

 そんなバラにまつわるエピソードで始める第52回は「A Rose In the Twilight」(ロゼと黄昏の古城)を紹介しよう。ゲーム内ではグロテスクな表現、または類するものを含む。掲載した画像には注意したが、苦手な方は注意してほしい。

二つで一つ、シンプルなアクションパズル

本作品のプレイは操作のしやすいコントローラーを推奨。標準で日本語も搭載している。

 古城の地下で目覚めたロゼ、普段は違う所で生活をしていたが、何故か古城の地下らしき場所で目を覚ます。一面モノクロームの時が止まった古城を、先もわからぬまま進むのが本作品の簡単なストーリーである。

ロゼ。本作品の主人公。背中から呪いの茨が植生している。

 ロゼは背中の呪われたバラの力を用いることで物体の時間を停止させることができる。文章だと分かりにくいが、古城の物質は血の力で動いており吸血されることで動作を止めるが、逆に吸血した血を分け与えることで再度命を宿らせることもできる(吸血の際は時間の流れがゆっくりになるため落ち着いて操作することが可能だ)。

操作はシンプル。Xで力の行使、Aでジャンプ、Bでギミックなどの操作だ。

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例として、前方の穴は飛び越えられるが上から岩が落ちてくる。岩の動作を止めることで安全に越えることができる。

 そして、標題でもある“二つで一つ”と言うのはロゼと背中のバラの話ではない。序盤とある箇所でロゼは巨人を目覚めさせてしまう。感情を伺えない巨大な彼(?)とは常に行動をすることになる。

頑丈な巨体を持つ巨人はロゼでは進めない茨の中や危険なギミックも無視して歩いて行ける。

 巨人はロゼを掴んで移動することができ、血の通っている物体であれば掴んで移動することもでき、掴んでいる状態ならば投げることもできる。

掴んでいれば投げられるのはロゼも例外ではないのだ。ただし距離の加減を間違えると……

 そして、本作品のパズルは部屋単位で区切られており、部屋を抜けることで次の部屋へと移ることになる。この際、ロゼ一人では通過することが出来ず巨人と共に通り抜ける必要がある。

光が漏れているところが出口であり、入口。通り抜けると現在吸収している力もリセットされる。

 そして、ロゼの力にはもうひとつの側面がある。血を吸収した際、吸収した対象の記憶が垣間見える場合があるのだ。本作品はこの記憶も重要なファクターとなっており、ある程度の記憶が無ければ先へ進めなくなってしまう。そのため、パズルを解きつつも、『血の記憶』も見つける事が重要となるのだ。

記憶を得ると何が起きたかアニメーションで確認できる。一度見たアニメーションはコレクションの項目から再度閲覧できる。

所々に存在する『血の封印』、記憶が無ければ先へ進めなくなる。

モノクロームに映える赤色

 さて、基本操作とゲームの流れを説明したところで作品の本質へと迫ろう。

 本作品の死は軽い。巨人と違い、ロゼは簡単に命を絶ってしまう。圧死、轢死、自殺……彼女が一体何をしたのかと言うほど理不尽な死の波が襲う。「じゃあ、私は彼女を殺さないようにゲームをクリアする。」と思う人もいるだろう。

 だが、それは無理だ、不可能だ。ゲーム中彼女は必ず死ななければならない。抗えぬ死を経ても彼女は必ず蘇り、また先へ進まねばならない。

中間セーブと言えば話は早い。だが、この存在も彼女の死を加速させている。

 このダークでファンシーながらもグロテスクな世界観こそが本作品の魅力であり、見た目とは裏腹な死を体現させている。可愛い見た目が放つ狂気がプレイヤーを誘い、そして話と死を進めていく。

何故、彼女はここで目覚めたのか。何故、バラに魅入られたのか。気になるならば死を乗り越え先へ進むしかない。

この世界観こそが日本一ソフトウェア

 本作品のパブリッシャーであり、開発元の日本一ソフトウェアは、独特の世界観を産み出すことに関しては国内でもトップクラスと言っても過言ではない。(今風に言えば“ナラティブ”なゲームを産み出すことに関しては天才的と言えば良いだろうか。)

 過去「マール王国の人形姫」と言うRPGを発売しているのだが、絵本とミュージカルをベースとした世界観は今でも有名で、しばしば話題に上がることも少なくはない。しかしながら、そういった世界観と作風をキープし続けられる会社は少ない。そう、その数少ない会社こそが日本一ソフトウェアというメーカーであるのだ。

Steamでも遂に販売された「魔界戦記ディスガイア」、日本一ソフトウェアが一躍スターダムに駆け上がったのはこの作品があったからと言っても過言ではないだろう。

 可愛い見た目とやりこみ、そしてダークな世界観。反面、「マール王国の人形姫」に見られるような王道なシンデレラファンタジーにしかり。今回紹介した「ロゼと黄昏の古城」も、その世界観とゲーム性をしっかりと引き継いでいる。「血の記憶」以外にもコレクションもあり、果てはタイムアタックとプレイヤーがゲームをしゃぶりつくせる部分が多々用意されており。エンディングを迎えてもまだ、遊び倒せるのである。

 余談だが、公式サイトに簡単なゲーム中の雰囲気を味わえるミニゲーム(関連ページ)も用意されているのでそちらもプレイすると良い。

 彼女を待ち受けるのは希望か絶望か、是非とも日本一ソフトウェア特有の世界観を味わってほしい。

A Rose in the Twilightの推奨動作環境は?

 最低動作環境のグラフィックの要件がIntel HD Graphics 2000以上と、CPU内蔵GPUで動く軽さだ。CPUのみで遊ぶ場合、Sandy Bridge世代のCoreシリーズ以降が必要だが、ここ数年のPCに搭載しているGPUを内蔵したCPUなら問題なく動作するだろう。

『A Rose in the Twilight』(ロゼと黄昏の古城)
●Nippon Ichi Software, Inc.
●1980円(2013年11月9日リリース) ※価格は記事掲載時点のものです
対応OS Windows 7以上
ジャンル アドベンチャー ストラテジー 女性主人公 パズルプラットフォーマー アニメ
©2016-2017 Nippon Ichi Software, Inc. ©2017 NIS America, Inc. All rights reserved.

■著者:rate-dat
・Steamのプロフィールページ:Steam コミュニティ :: ratedat
・Twitter:@rate_dat

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