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人気の“橋建設パズル”ד不朽の名作”が面白くないワケがない! 「Bridge Constructor Portal」:Steam

2018年02月23日 18時00分更新

 Steamクライアントが世に放たれた時、Counter-Strike専用クライアントと揶揄される程当時のユーザーからは忌み嫌われていた。転機となったキッカケのひとつが「The Orange Box」と呼ばれる「HALF-LIFE2」「Team Fortress2」「Portal」の三本パックであった。

 その中でもPortalは大学の卒業制作で制作された別の作品の開発に関わったメンバーをValveに就職させて発表させた異色の作品である。一人称視点で戦闘がなく、なおかつ純粋なパズルゲームは過去なかったと言っていいほどの着眼点で、当時のゲーム関連賞をほぼ総ナメし、独特なピクトグラムや登場するオブジェクトは今でもあらゆるゲ-ムのパロディに登場するため洋PCゲームの教科書とも言える作品でもある。存在しない物を指すミーム“The Cake is Lie(ケーキは嘘)”というフレーズの語源がこのPortalと言うゲームである。

 導入が長くなったが、第70回は名作「Portal」と、橋を架けて車を向こう岸へと渡す物理演算パズル「Bridge Constructor」」という別のゲームを組み合わせた「Bridge Constructor Portal」を紹介する。

 

本作品は日本語字幕に標準で対応している。操作はキーボードとマウスを利用するが、マウスだけで簡単に操作できる。

Aperture Scienceエンリッチメント・センタへようこそ

 「Portal」は実験という名目で命の危険に晒されるゲームであったが、本作品はその実験を管理するポジションに配属されるところからスタートする。専用の施設で目的も不明で指示されるまま実験車両を二点間に輸送する部門である。

 といっても職務は簡単で、ひたすら道に橋を架けて車両を運ぶだけである。橋の作り方はインターフェイスロボの“GLaDOS”が丁寧に説明してくれる。実験車両にはテストドライバーが乗っているが、彼らを運ぶ必要性は全くないし結果にも一切反映されない。車両を運ぶのが重要な目的である。

 建設方法は至って簡単、支店となるオレンジの四角部分からマウスでドラッグすることで線を引いて、引いた部分をクリックするだけで橋に切り替わる。支柱がなければ橋は落下するが、重量のバランスがブレていても落下する。無事対岸に橋を建設し終えれば操縦ボタンをクリックすることで実験車両の輸送を開始する。

操縦を押す前に左端のテストを押すことで荷重も確認できる。負荷が高いポイントが赤くなり、崩れる箇所も確認できるので車両を走らせる前に確認するといい。

 操縦で一台だけ通過することができれば、車列の実験テストも実行可能になる。次のステージへと進むだけならば操縦テストだけクリアすれば問題ないが、完璧に全てを求めるならば車列もクリアを目指そう。あらかじめ決められた台数を連続して走らせて、同じルートを辿らせるだけなのだが、荷重のかかり方などが変わるため同じルートでも全台が完走できない場合もある。

本作は全部で60ステージ。車列を60ステージ達成できたらケーキでお祝いしよう。

 さて、ここまでは元のベースとなった「Bridge Constructor」というゲーム部分だ。ステージが進むことで「Portal」の要素がお目見えすることになる。

画像内の矢印は、ポータルゲート間で移動できるルートを追記したもの

 一番最初に遭遇することになるのは、お馴染みのポータルゲートである。同じ色同士で行き先が繋がっており、通過することで出口から車両が出てくる。この画像であれば水色から黄色、紫と繋がってクリアになる。そして、ポータル以外にもキューブや、スイッチなどのPortalお馴染みの要素が一杯あるがさすがに紹介しきれないのでどんな風に扱われるかは自分のプレイで確認してほしい。

目を見張る大作というわけではないが

 本作品の優れた所は、Portalをモチーフとし、しっかりと噛み合ったシナリオに加え、解法を導くために必要なチュートリアルがしっかりと作られている点だ。最近であれば「OPUS MAGUNUM」「The Talos Principle」 いった新しい発想を行った素晴らしい作品もあるが、パズルゲームの入門として進められるかといえば両作品とも非常に独特なデザインで愛好家に向けた難易度の組み方をされているため難しい所だ。

序盤の途中で解禁される応用パターン用例集はステージを進める上で非常に役立つ。何度も見返すことになるだろう。

 筆者はどちらかと言えばパズルゲームはそこまで好きなジャンルではない。考えることは嫌いではないが進んでプレイはしない。だが、Portalという教科書的な題材を使用することで興味を持ったことは事実である。自身がそうなのだから、普段パズルゲームというジャンルを敬遠する方々にも問題なくオススメできる作品といっても差し支えはないだろう。

 “ケーキは嘘だ。”と言われて反応してしまうあなたでも、普段パズルゲームをやらないというあなたにもパズル入門作品として本作品をオススメする。

「Bridge Constructor Portal」の推奨動作環境は?

 CPUは2Ghz以上でメモリーは2GBと、詳しいスペックの記述がないが、グラフィックの唯一の要件である“Direct X10対応”は、CPU内蔵GPUでも満たすため、Windowsが快適に動く環境下であれば問題は無いかと思われる。

『Bridge Constructor Portal』
●ClockStone
●1010円(2017年12月20日リリース) ※価格は記事掲載時点のものです
対応OS Windows、MAC、Linux
ジャンル ストラテジー シミュレーション パズル 物理
Portal © 2007 Valve Corporation
© 2017 Headup Games GmbH & Co. KG, all rights reserved.
ClockStone and its logos are trademarks of ClockStone Software GmbH.

■著者:rate-dat
・Steamのプロフィールページ:Steam コミュニティ :: ratedat
・Twitter:@rate_dat

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