週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

iOS 11のAR機能は未来だ:

アップルはiPhoneよりスゴイものを発表していた

2017年09月19日 07時00分更新

iPhoneはすでにハードとして成熟している。注目すべきはむしろアップルがiOS 11に搭載したAR(拡張現実)技術の可能性だ。次世代Techメディア「PANORA」広田 稔編集長が語る、iPhoneの次に見えてくるアップルの強みとは。

 今回の発表では「iPhone X」を始めとするハードウェアが注目を集めているが、個人的にはソフトウェアを推したい。「PANORA」というVR・360度パノラマ系ウェブサイトをやっていることもあって、特に気になったのはiOS 11で提供するARプラットフォーム「ARKit」だ。

次世代の「空間ディスプレー」体験への布石

 昔からのiPhoneユーザーなら伝わるかもしれないが、ここ数年のハードウェアのアップデートは弱点を潰して来た順当な進化で、初期のように「この不便なのが直ったんだ!」というインパクトが薄れて来ている。それは成熟しているという、とてもいいことだろう。

 そうしたハードウェアを、ユーザーにどう活用してもらうかという点で、ソフトウェアが非常に重要になっている。もちろんApp Storeには多様なジャンルのアプリがあって、今でもさまざまなニーズに応えてくれるが、そこに新風を吹き込むのがARKitになる。

 ARとは拡張現実(Augmented Reality)のこと。視覚でいえば、現実にCGなどを重ね合わせて、まさにそこにあるように感じさせてくれる技術だ。似た言葉にVR(Virtual Reality、人工現実感)があるが、こちらは完全にCGの世界に没入させるという違いがある。

 ARKitで重要なのが、特別な準備なしにiPhoneのカメラで目の前の現実を撮るだけで、CGが出現するという点。しかも、端末を動かせば、連動して表示している領域も変わっていく。例えば、キャラクターを机の上に出現させたら、iPhoneを回り込ませたり、近づけたりして、さまざまな方向からながめられるわけだ。

 ARというと、従来はQRコードのようなマーカーを用意して、それを目印にしてCGを重ねていたりしたのだが、それをiPhoneだけで実現できるように完結させてしまった。しかも、OS標準で開発者が使えるようになったわけで、これは計り知れないインパクトを秘めている。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事