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哀川翔さんもびっくり:

IZUMIの米軍基準シェーバーがやばい

2017年11月10日 07時00分更新

 IZUMIブランドの泉精器製作所が9日、電動シェーバー「Vシリーズ」9機種11モデルを発表しました。注目は米国国防総省調達基準(MIL-STD-810G)準拠の「グルーミングシリーズ」。防水性能IPX7以上、マイナス19℃の環境で2時間連続使用可能です。1回の充電で約1ヵ月間(約28日間)使えるバッテリーも特徴。砂漠映えしそうなデザインです。11月9日発売。

IZUMI電動シェーバー Vシリーズ グルーミングシリーズ 4枚刃

電動シェーバー Vシリーズ
グルーミングシリーズ 4枚刃 IZF-V757-C
想定実売価格8000円
泉精器製作所
https://www.izumi-products.co.jp/V-shaver/

 Vシリーズは外刃と内刃を組み合わせたフォイルシェーバー。シェーバーとして最もこだわっているのは刃の切れ味と耐久性です。外刃には医療用メスなどにも使われる、サビに強いオーステナイト系ステンレス刃を採用。従来比10倍の摩耗耐久性を持つといいます。強靭な素材だけに加工が難しく、内刃に密着して切れ味を高める形状を求めて何度も金型をつくりなおしたそうです。結果、外刃は社内試験で3年間の超寿命化を達成したとのこと。つまり替刃なしで3年間使えるそうです。

外刃にはオーステナイト系ステンレス刃を採用

 泉精器製作所はシェーバーを作りつづけて60年、長野・松本に本拠地を置く老舗メーカー。電力工具用の油圧工具を扱う電設工事事業を営むかたわら、シェーバーをはじめとする家庭用電器を開発してきました。シェーバー以外にも洋服の毛玉とり器「毛玉とるとる」などが有名です(わが家でも愛用)。中でもシェーバーはOEM開発元として、たとえばRemington(レミントン)ブランドなどにも技術を提供。OEM含め、年間300万台規模のシェーバーを製造しています。

 メーカーとして設計・開発に注力すべきだとこれまでマスコミ広告を打っていなかったIZUMIは、ひそかに愛用者を集めるブランドでもあります。かつて木村拓哉さんがIZUMIのシェーバー「IZD-210」を愛用しているとラジオ番組で紹介し、「キムタクシェーバー」として有名になったこともありました。9日の製品発表会にはゲストとして哀川翔さんも登場したのですが、実は翔さんもIZUMIシェーバー愛用者のひとりだそうです。会場でも新製品を試用し、切れ味に驚いていました。

谷まりあさんにひげをなでられる哀川翔さん

谷まりあさんに鏡を持ってもらいひげを剃る哀川翔さん

 IZUMIは現在シェーバー市場において、パナソニック、ブラウン、フィリップスに続いて第4位。今回のVシリーズを皮切りに、より積極的に市場で展開をしていくようです。

 ものづくり企業としてプロモーションではなく技術開発に力を注ぎたいという熱意はわかります。実際発表会で話を聞いていると、本当に愚直にものを作りつづけてきたメーカーなのだなという印象が強く残りました。たとえばフォイルシェーバーは外刃と内刃でヒゲをカットするハサミのように単純な構造なのですが、単純なだけに刃の設計には徹底的にこだわり抜いたという話は熱いものがありました。

 「外刃と内刃の材質に着目すると、硬いだけでは刃が欠けてしまう、柔らかいと刃が曲がってしまう、硬く強靭さを兼ね備えた材料を選定する必要があります。材料選定のほかに、加工における切削方法、研磨方法、熱処理の仕方、寸法的には刃の厚さ、刃先の角度、刃溝の深さ、刃のピッチ、刃のパターン、接触圧力などなど複雑に絡み合った構成要素が存在しております。その最適な組み合わせ、最適なバランスを探り当てるには、長い時間をかけて蓄積した知識と知見、経験が必要になります。このバランスこそが、切れ味、剃り心地といったシェーバーの命に大きな影響を与える要因となります」(同社 家電事業部 吉池義昭 事業部長)

 いまシェーバー各社はセンサー機能などをつけた高付加価値モデルを出していますが、IZUMIが取り組んでいるのはシェーバーの性能。よく剃れる、長持ちするということです。なぜシェーバーでMILスペックまでいってしまったのかは話を聞いてもよく分からなかったのですが、熱意はとても伝わりました。カシオG-SHOCKのような熱さとタフさを感じます。今まで「あーIZUMI、安いやつ」としか思っていなかった気持ちをあらため、剃り心地を試してみたいなと感じました。


IZUMI Vシリーズ 想定実売価格一覧

■ハイエンドシリーズ
4枚刃+自動洗浄台 1万8000円 IZF-V977-S
3枚刃+自動洗浄台 1万5000円 IZF-V957-T
4枚刃 1万3000円 IZF-V937-S
3枚刃 1万1000円 IZF-V917-R

■グルーミングシリーズ
4枚刃 8000円 IZF-V757-C
3枚刃 6000円 IZF-V737-A

■ソリッドシリーズ
4枚刃 6000円 IZF-V557-N/R
3枚刃 4000円 IZF-V537-R/S
2枚刃 3000円 IZF-V517-K




書いた人──盛田 諒(Ryo Morita)

1983年生まれ、家事が趣味。0歳児の父をやっています。Facebookでおたより募集中

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